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教えやすくなった需要と供給

公民科の授業実践や教材について発信しています。公民科はなかなか興味を持ってもらえない嫌われる教科です。

経済の授業でいちばん理解させたい単元は、市場経済、価格機構、市場メカニズムです。市場での価格が需要と供給に関係していることを理解させたい。

需要と供給では、需要の方が簡単。

需要は買い手だ。価格が高いと買う人は少ない。
これは簡単に理解できる。

供給は売り手だ。価格が高い方が多い。
これがなかなか理解できない。

安く売りたい人も多いのではないだろうか?
この疑問に対峙しなければならない。
安く売れば喜ぶお客様は多いよ!
それは安く買いたいということだから、需要のことだよ。
どうすれば安くできるか、コストを下げることを生産者は考えているのでは?
コストを下げるのは、利益を増やすためだよ。
売り手はできるだけ大きな利益を求めている。安く売るなら、数多く売ろうとする。それは利益のためだ。価格が高くても売れる商品は、たくさん売らなくても利益が大きい。

価格が高い方が売り手や売る数が増えるということを理解させるのは難しい。売り手の行動に普段から着目している生徒はあまりいない。

売れる高い商品を売りたい人は多い。
いまいちピンとこない。

こんな話題を授業で使っていました。

あの大ヒットアニメの元になった、あのコミック。初版の第1巻をブックオフで売ると意外と高く買い取ってもらえるらしい。
コミックで最近、1巻から読む人は少ないかもしれないが、お兄ちゃんや父ちゃんが、昔よく読んでた。捨てられなくて、ウチの押し入れにまだあるよ。
だったら売ってみようと思いませんか?

高く売れるなら売りたい!
これが供給側の行動だよ。

コロナ禍で身近な話題ができました。

価格はとても上昇した。驚くほど。
個人的に売ろうとする人も登場。
街中でいろんなところで販売された。
転売は批判された。
やがて生産者は増え、続々新発売。
今までメーカーじゃなかったあの会社も販売。

マスクです。

高く売れるなら、売り手は増える。
市場に参入する売り手が増える。
売り手は供給料を増やそうとする。
高く売れるからだ。

マスクは好例です。
需要は理解できても、供給を理解できない生徒たちへの説明に役立つ。街の至るところで売られているもの、供給者が多い商品を例に用いて、供給の行動を理解させたい。

高くても売れる商品を探して、解説しよう。

Googleやアップル、Amazonのカードは多くの売り手がいる。
映画館のポップコーンやテーマパークのドリンクは高い。
自動販売機のドリンクは高い。
楽天やLINEはどうしてスマホを販売したのか?
イヤホンやモバイルバッテリー、似たデザインの商品が多いのはどうして?

需要と供給を理解させるためには、このような身近な話題を集めるのが効果的だ。話題を集めて授業化できるかが、公民科教員のスキルだ。

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