黄苔、湿熱ってどういうこと?

黄苔?湿熱?

ご質問がありました。

処方を変更したら一気に黄苔が発生。

「うわ!すごい湿熱でてきて。体調いかがですか?」と尋ねた際に、

「湿熱ってあまり良くないですか?」

と聞かれ、そういえばそんな話してないわ! と気づくという……。

我々東洋医学の人間は、いつも自分が使っている言葉が専門用語だっていう自覚を持った方がいいですね。

この、黄色っぽい舌苔が黄苔です。


3回目の爪楊枝鍼でこんなに出てきました、黄苔。

この、黄苔が「湿熱」を示すものです。湿熱があると、何が悪いのか? これが病気の原因だというのですか? という話ですね。

病気について話をする際、東洋医学は西洋医学とだいぶ違う言葉を使います。新型コロナ感染症だけを例にとって、簡単に説明してみましょう。



新型コロナウィルス感染症は、「湿熱が原因の温疫」とされています。しかも、病位が脾胃だとされます。この、「湿熱」「温疫」「病位」「脾胃」が全部東洋医学用語です。

新型コロナ感染症を東洋医学ではどう捉えるか?

東洋医学が発明された大昔、2000年ほど前には、もちろんウィルスも細菌も何も発見されていません。ですので、病の原因を「○○ウィルス」などと特定することなく、いくつかの「邪」という言葉で表現します。

中医学だと、

六淫外邪;外風・外寒・暑・外湿・外燥・火
内生五邪;内風・内寒・内熱・内湿・内燥

古典的だと、

六邪;風・暑・湿・燥・寒・火

と分類します。これら単体、ないしは組み合わせによってあらゆる病気が発生していく……と考えるのです。

で、新型コロナウィルスは「湿」「熱」の二つが組み合わさったものだとされます。これらが、脾胃にまず入ることによって発症すると考えます。


で。悪化しやすい体質というのがあります。西洋医学的には、WHOが

西洋医学的・東洋医学的に悪化しやすい体質

 1)65歳以上、2)慢性肺疾患、3)喘息、4)糖尿病、5)重症心疾患、6)透析中の腎疾患、7)免疫能の低下、8)肝疾患など

をあげていますが、ここに

・BMI25以上の肥満

というのも加わっています。

東洋医学的には、糖尿病と肥満の方の体内は、元から「脾胃に湿熱」がこもった状態になっており、これによって重症化しやすいのだと捉えています。

脾胃?

「脾胃」というのは、簡単に言えば胃と十二指腸あたりと膵臓を含んだあたりのこと。消化管として繋がっているので、小腸や大腸も関連してきます。この辺りになんかおかしなことが起こっている……と、東洋医学的には捉えているのです。

大まかには、湿邪というのは、「なんか浮腫んでる感じ」と思ってもらえればOKです。これが長引くと熱を帯びてくると考えられています。イメージとしては、沼が澱んでいて汚くなって、ガスまでぼこぼこして毒の沼になった感じ。

具体的には慢性的な胃もたれ状態とか、便が粘ったり変に臭かったりがよくある症状ですが、だんだん不調が長引くと、あんまりそれを感じなくなってきます。そうなってくると、太ってきて、体全体が妙に張った感じになり、「とてもだるい」「神経痛や関節の痛み、筋肉の重だるい痛みがある」……果ては、「ぐるぐる悪い考えが止まらない」「鬱っぽい」など、メンタルにも影響してきます。

なんとなく、新型コロナ後遺症に似てる感じがしませんか。ですので、脾胃の湿熱をセルフケアで捌いて、どの程度改善していくかを、舌診プロジェクトでは検証していっているのです。

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