「甘い」味の功罪

「黄苔が多くてむくみが消えにくい人にお尋ねします。甘いものを食べる習慣はありますか?」と質問をして回っています。

これは、どういう話かというと、東洋医学の話です。
甘い味は脾胃に湿邪を作ってしまうのですよ。

私が主催している、ハイパー養生団には、入団時に必ず行うことがあります。
それが、「甘いもの断ち」。

なんでこんなことするかと言うと、養生団第1期を募集して団員の舌診をしてみたら、あまりにもひどい状態だったので「だめだ!1ヶ月甘いもの禁止!」とやったことから始まっています。

東洋医学的「甘」の効用

これは、五行の話になるのですけども。五行には、五味と呼ばれる5つの味が五臓を養うという考え方があります。

五行:木・火・ 土・金・ 水
五臓:肝・心・ 脾・肺・ 腎・(心包)
六腑:胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦
五味:酸・苦・ 甘・辛・ 塩(鹹)

上下に揃っているところが五行のそれぞれのエレメントに支配されています。

土・脾・胃・甘 と揃っていますね。なので、適切な甘みは脾胃に栄養を与えて元気にするのです。

ところが、大量に与えればいいってもんじゃ無いんですね。
ここは、東洋医学の考え方の「中庸」を目指すところ。1箇所だけに大量に栄養を与えるとどうなるか。

五行の相剋・相生


この、右下が土。脾胃の支配エレメントですね。で、内側の星形を見てください。土は水をせき止める……と書かれています。土のエレメントが強くなると、水のエレメントを阻害するのです。

もう一つ。外側の円形を見ましょう。土は金を産むと書かれています。土のエレメントが強くなると、金のエレメントも強めることになります。すると、そのうち、そのさきの水のエレメントも強化されることが想像できますね。

……では、水を堰き止め続けて、水をだんだん増やしたらどうなるか?
これが、甘い味をとり続けると体内に湿気が増えて、むくみがえらいことになっていく理由だと東洋医学では説明しているのです。

甘いは砂糖だけじゃない

この、「甘い」は砂糖の甘みだけではありません。あらゆる甘みがここに入ります。ハチミツでも、砂糖でも、人工甘味料でも、果物でも、菓子パンでも、高級食パンでも、オリゴ糖でも、はては、蜜芋でも、カボチャの煮物でも、味醂でも、米でも、麺でも……なんでも、同じなのです。しかも、いわゆる穀物や芋……炭水化物の甘みも全部含まれているのです。

ですが、炭水化物の中でもきちんと噛んで食べないと甘みを感じづらい穀物類はそこまで大きな影響を与えません。もちろん、炭水化物だけで食事を済ませるような、うどんだけ、蕎麦だけ、おにぎりだけ、ラーメンだけ、パンだけ……という食事を続けるのはNGです。タンパク質・野菜・炭水化物を揃えて食べ、しかも、主食以外の「甘い」に分類される食物を避けるのが、養生団の「甘いもの断ち」です。

養生団では1ヶ月続きます

団員はヒーヒー言いながら1ヶ月続けます。ものすごい文句が出ます。1ヶ月終わったところで、「これでやっと!お菓子が食べられる!」と言って食べると、大体がみんな「こんな甘すぎるもの、ほぼ毎日食べてたの!?」となるのです。

そう、今のお菓子、甘いんですよすごく。それがほぼ毎日食べられてしまうのが大問題なんです。たまに食べる分にはなんの問題もないです。

1ヶ月の「甘いもの断ち」を通って、団員は舌に黄苔がでたり、白膩苔が出てきたりすると自主的に食事内容を見直すようになります。変に甘いものが増えてないかどうか、続けて食べていないかどうかを見直すのです。

そうしてまた体調を整えて毎日楽しく暮らすのです。

コロナ後遺症の改善では、1ヶ月も必要ないかもしれません。舌診上、むくみが大きく、黄苔がなかなか消えない人は試しに「甘い」を取り除いてみてください。


甘いものを取り除く前。
甘いものを1日取り除いたあと。急激に浮腫が消退しているの、わかりますか?

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