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アートで心が豊かになる社会をつくる

現在私はパリに住み、スタートアップメディア「INITIAL」の編集者として仕事する傍ら、アートプロジェクトに取り組んでいます。なぜアートプロジェクトに取り組んでいるのか、目指したいものは何なのかを綴ります。

祖父の意思を引き継いだ、私のミッション

アートで心が豊かになる社会をつくることが私のミッションです。

ひとりでも多くの人がアートを身近に感じ、アートが生活に溶け込むような世界をつくりたい。アート作品やアーティストの生き方を通じて、視野が広がり、心が豊かになるきっかけを提供したいです。

ロールモデルは祖父です。祖父は50年前にフランスで新聞記者をしており、当時の現代アーティスト・ピカソやミロに取材し親交を深め、1960年代に日本で彼らの展示会を企画していました。帰国後も日本美術市場の国際化に取り組んでいました。

私は祖父の意思を受け継ぎ、祖父のように日仏の架け橋となり、アートがより身近に生活に溶け込むような世界をつくっていきたいです。

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なぜ、アートで心を豊かになる社会をつくりたいのか

アートには人の心を動かす力があります。私自身がつらいときや大変な時に、ふと入ったギャラリーや美術館で作品に力をもらい救われたことがあります。また、平時でもアートを見ることで、人間の素晴らしさや社会の新たな見方や視点を学び、感動することが多いです。この「心の揺さぶり」とも言える気持ちや感動を、より多くの人に伝えたいと思ったからです。

パリに移住し、「アートが生活に溶け込んでいること」に気づきました。友人たちとの何気ない会話で展覧会の話があがることはよくありますし、テレビや新聞などで美術館や展覧会のニュースが流れることもしょっちゅう。土日には老若男女が美術館に出かけることが日常生活の一コマになっています(今はコロナで難しいですが)。

日本にいた時に「アートを身近にしたい!」と感じてた私はフランスの状況に感銘を受けました。一方で、日本でアートが身近になっていない理由の一因は「情報が流通しているか」の違いではないかと考えました。

特に現代アートは知識や文脈を知らないと「分からない」作品もあり、敷居が高く思われがちですし、高尚というイメージもあります。

アートは決して一部の人たちに開かれた世界ではなく、私たちの生活に近い身近なものです。「見方がわからないから」「自分にはセンスがないから」等の理由でアートに触れる機会をなくすのはとてももったいない。何を感じても、どのような視点を持っていても正解や不正解はない。アートを通じて自分や他人、そして社会をもっと知れるきっかけになったら嬉しいです。

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3つの課題に応じた、情報発信から開始

プロジェクトでは、具体的に現代アートの情報発信から始めます。アート情報の流通には課題があり伸びしろがあると感じたからです。

①言語の壁。アートの展示会情報、特にフランスの美術館やギャラリーなどは、フランス語や英語のみのサイトも多く、言語の壁が情報入手のハードルになっています。

②展覧会レビュー情報。SNSを見ると展覧会に足を運ぶ人は多い一方で、作品を見て感じたことをシェアしてる人は一部のブロガーに限られているように感じます。

アートメディアでも同様で、「展示会の開催情報」などの客観的情報は充実していますが、展示会レビューで編集者・記者の個性が出てる記事は少ないと感じています。知りたいのは作品の客観的な解説ではなく、「その人が作品を見て何を感じたか」なのに。

③アーティストの人生、時代背景などについて解説したコンテンツの少なさ。原田マハさんのアート小説がヒットしていることからも、アーティストについて美術史的な知識だけでなく、ストーリーとして知りたいニーズはあるはず。

情報発信ではこの課題(と仮説)に対応し、主に①フランスを中心に展覧会や美術館・ギャラリー紹介、②展覧会の感想、③アーティストの紹介ストーリーをメインに行う予定です。

フランス在住、語学力、仕事で培った分析力や編集力、ビジネスの知識・経験などを活かす予定です。ゆくゆくは、アーティストやキュレーターインタビューなどにも挑戦したいです。コンテンツに関しては、読者の反応を見ながら決めていきます。

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アートの醍醐味は「分かち合い」。情報発信で目指すこと

私が考えるアートの醍醐味は「作品を見て感じたことを、周りの人と分かち合う」こと。まずは自分の考えを発信することで、この状況を変えたいし、他の人がどう考えているのかも知りたい。この分かち合いができるような場作りもしていきたいです。

情報発信を通じて、美術館やギャラリーに行く→作品を見る→何を感じたのかまわりとシェアする、といった一連のサイクルの動きを増やしたいです。

作品を見たときの感想を「キレイ」「すごい」で終わらせずに、なぜそう思うのかまで掘り下げる。そのひとりひとりの思想に、個性やその人が大切にしているものがあらわれると思うからです。

プロジェクトを通じて、アートと社会、アーティストとアートに興味のある人をつなげる役割を担いたい。

独断と偏見で、とことん好きなアーティストやアート作品について、stand.fm(音声)とnote(文章)で紹介する予定です。アートを通じて、色々な世界や人とつながりたいです。

・・・と壮大なことを話しましたが、本音では一緒にアート愛について語り合える友人がほしいです(笑)。アート関連のお仕事をされている方、キュレーターの方、現代アート好きな方など、是非お話させてください。お気軽にTwitterのDMでご連絡ください。

Photo by: Seiji Marc, Lisa Fujino


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