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私と本 : 大好きな源氏物語、とはずがたりについて

⚠️えー今回は大好きなことを調べながら書きすぎて、4400文字超えました!時間セレブの方だけお読みくださいね!⚠️

みなさん、源氏物語物語と聞くと、

少女を攫って理想の女に育てて妻にして、ほかの女も囲う、めちゃくちゃ女にモテるクズ男の物語と思っていませんか?

まあ、そんなしょうもない部分もあります笑

しかし、全体を通して読むと、この物語はさまざまな人々の人生大河でもあり、
世界的には【初めて三角関係を描いた】と、して、後半の【宇治十帖】が有名です。

◆宇治十帖のあらすじ

宇治十帖は、日本ではあまり馴染みがないですが、光源氏の子供の薫の君の話なのです。

薫の君は複雑な事情で生まれた光源氏の晩年の子供であり、表向きは光源氏と女三の宮の子という、親が皇族同士の超絶高貴な血筋の人なのですが…実は、本当の父は違う人なのです。

薫はそれを知りながら、本当の生まれを隠して生きつづける罪の意識を抱えながら生きていました。
ようやく出会えた愛する人と死に別れ、薫に対抗心を持つ皇子、良い香りが自然とすると噂される薫に対抗して、服に香を焚きしめまくった匂宮(におうのみや)と、愛する人に生き写しの浮舟を取り合うという物語です。

浮舟は悩みに悩んで入水し、自殺を図り失敗。
僧侶に助けられ、そこに薫の君が行きますが、結末はいかに?

源氏物語は、平安時代の物語ですので、基本書き写しで伝わってきたものです。
だから抜けている文言や、巻もあるねと言われております。

だけど、その中で残って伝えられてきたものが、現代まで残っている。
それが人の心を動かしたものなのだと思います。

◆源氏物語のあらすじ

すごくわかりやすいサイトがあったのに貼れない…!

ということで、わたくしが軽く説明します。

高校時代の国語に出てくる、

「いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。 」

ここでみんなハァ?ってなって、その後も変な部分が国語でピックアップされ、古文が苦手になるという悪魔の流れ…

待ってくれ!ここめちゃくちゃ大事ですから!

まず時は平安時代、帝にお仕えするということは、帝の後継ぎになる男の子を産む!
という野望ひしめく貴族の女子たちの集まりなわけです。

身分によって、女御(にょうご)、更衣(こうい)、尚侍(ないしのかみ)
など、細かく分かれてましたが、
帝の後継ぎをいち早く産んだら皇后にレベルアップする仕組みでした。
更衣以下、子供を産んでも身分が低いと御息所(みやすどころ)と名前が変わります。

だから、女の子のいる貴族は、その子にありったけの教養を詰め込み、生理を迎えるとさっさと帝の元へ送り込むのです。

大体、年齢にして12歳〜13歳ほど。
妊娠に適しているかと言われるとまだ幼い。

でも男の子を妊娠して、産むのが使命なのです。
命懸けなのです!

医療も発達しておらず、できることといえば、隣の部屋に高僧たちを呼んで護摩焚き
つまり、祈ることしかできなかったのです!

15歳にも満たない女の子たちが命懸けで初産し、亡くなってもおかしくない時代。
ねえ、平安貴族ガールたち人生ハードモードすぎやしないかい?

このあと、光源氏の恋物語が展開され、
どうしても会いたい人=亡くなった実母
その生き写しの姫、父の妻である藤壺の宮と禁断の恋をし、藤壺の宮は妊娠、光源氏にそっくりな男の子を産みます。

まあ、そこからいろいろ、いろいろあります笑
そこら辺知りたい方は、漫画のあさきゆめみしを読むとわかりやすいですね。

そして、光源氏40歳の時に、兄の最も愛する娘である女三の宮を無下にできずに娶ります。最愛の妻、紫の上を傷つけてでも娶った妻。
身分上、紫の上をおしのけて、女三の宮を正妻に据えることになります。

女三の宮はおっとりして幼く、光源氏の息子の夕霧の親友の柏木が恋心を募らせ、彼らが蹴鞠をしていたある日、女三の宮の猫が逃げて猫の紐が女性の姿を隠す御簾にひっかかり、女三の宮の姿があらわになります!

※親族や夫以外には女性は顔は隠すものでした。

これが柏木の恋心に更に火をつけ、光源氏がいない間に、女三の宮と禁断の関係になり、女三の宮は男の子を産みます。

あれ?この展開、光源氏の若い頃と同じですね。
紫式部は仏教の因果応報の考えをここに取り入れているようです。

自分の父に不義の子を抱かせた光源氏。
巡り巡って、まさか自分が不義の子を抱くとは。

女三の宮は父の朱雀院に強く出家を懇願します。
彼女が初めてここまで強い意志を見せたのが、まさかの出家!

若くおっとりした愛する娘、女三の宮を出家させるには忍びなく、幸せにしたくて、弟に託したはずが、自分から強く出家を所望。

女三の宮の人生は父の想いとは反対の方向へ行くのです。

そして紫の上を亡くした源氏はめそめそしながら、出家を先延ばしまくり、数々の女たちと交わした和歌や手紙を燃やし、紫の上の手紙だけはどうしても自らの手で燃やせず、女房(家のお手伝いさん)に破らせ、ようやく出家します。

宇治十帖に入る前の巻の名前は、
【雲隠れ】
これだけで、あえて何も書かれてないのか、それとも光源氏が亡くなる描写が可哀想すぎて内容が伝わらなかったのか分かりませんが、
空白の巻となっています。

個人的に、巻名だけで、スッと主人公が物語から消えると分かるのは最高にロックな終わり方だなと思います。

◆紫式部の時代の宮中

藤原氏が絶頂期だったので、皇后だけではなく、なんと、ごねて中宮というナゾのシステムを作り出します。

つまり皇后が2人名前を変えて存在する状態。

まあ、皇后と中宮でバチバチになりますよね。

藤原氏といえば、藤原道長が有名ですが、その兄と道長が中宮システムをごねて作ったのです。

なんという横暴な笑

◆実は出会っていなかった清少納言と紫式部

道長の兄、藤原道隆の娘の定子(ていし)が中宮となり、そこに枕草子で有名な清少納言が仕えますが、道隆が不慮の病で死んだ後、道隆の息子ではなく弟の道長が跡を継いで、定子は強力な後ろ盾をなくします。

苦境に追い込まれ、最終的には定子は妊娠中に勢いで髪を切り、出家し、後産が上手くいかず亡くなります。

※平安時代、髪を切るという行為は、出家の意思を示すものだったのです。
出家は政治で失脚したり、自分の意思で歳をとったから出家したり、病がちで死ぬ前に出家したり、どこにも行きようがない高貴な人たちの最後の救いの一手だったのです。

その後、道長の娘の彰子(しょうし)が中宮になり、そこへ紫式部が教師として遣わされます。
そして彰子は、男子を立て続けに産みます。

つまり、将来の天皇が2人生まれたということ。
ここで道長調子に乗りまくる笑

光源氏のモデルは藤原道長とも言われていますが、確かに光源氏は、女性関係に対しては、オレ顔もいいし、血筋もいいし、身分高いし、金持ってるし、教養もあるし、都イチイケてる男だから女に振られることはまずないっしょ!というオラオラな横暴さを感じます笑

定子亡き後、清少納言が宮中を去り、書かれたのが枕草子です。

彰子は男子を産んで中宮になった後、紫式部が宮中に来ているので、時系列的に清少納言と紫式部の2人は直接出会っていないのです!

でも、同じ時代の才女同士比べられ、敵対意識もあったのか、枕草子と紫式部日記でお互いをdisりあっていますね…笑

◆源氏物語に登場する女性たち

私は空蝉(うつせみ)、朧月夜(おぼろづきよ)タイプかなと思います。

みなさんもこちらで探してみてください🥰

どっちも決まった相手がいながら、光源氏に心を振り回され、最終的にどちらも彼を拒みます。

空蝉の場合は中流階級の女は面白いぞという男同士のしょうもない会話で、興味を持っていた光源氏の餌食になったというか…

光源氏は、興味本位で覗き見た空蝉を、見た目は美しくはないけれど、教養があり控えめな雰囲気が好みだった模様。

空蝉は最終的に源氏を拒みますが、夫亡き後、源氏に経済的にお世話になります。

朧月夜は出会いが情熱的で好きなのですよね。
暗い夜に和歌を読みながら宮中を散歩しているところを光源氏に捕獲され、彼と恋に落ちていきます。

ですが、光源氏の後ろ盾である左大臣と敵対する右大臣の六番目の娘であった朧月夜。
源氏の兄の朱雀帝の婚約者でもありました。

ところが、恋に溺れて源氏とズルズル関係を持ったことが発覚したことで、結局、源氏が左遷され、須磨送りになる原因となります。

入内前に源氏と関係を持ってしまったため、尚侍(ないしのかみ)として、右大臣の娘であり、朱雀帝の母の妹なのに、異例の低い身分での入内(じゅだい)。

※入内とは宮中に帝のお手つき待ちとして入ることで、帝の子供を産む身なので、処女でないと、それ以上の身分は厳しかったのです。

朱雀帝は、朧月夜の心が光源氏に向いていると知っていて、彼女をそばに置き、愛し続けます。

最後、朧月夜は朱雀帝からの愛と光源氏への恋心を天秤にかけ、
光源氏を選ばず、出家します。

この決断もカッコいいですよね。
ナヨナヨせず、自分の意思で決断する平安時代には珍しいタイプの女子と言えます。

◆とはずがたりを軽く解説

どろっどろの恋愛劇で、救いがないです…

幼い頃から後宮で育った二条が、高貴な身分の男たちの間をいっては来たり。
初恋の人とも結婚できない上、子供も奪われる。

私はいがらしゆみこ先生のとはずがたりが好きです。

逃げ恥で一躍有名になった、海野つなみ先生も、とはずがたりを書いております。

海野つなみ先生の後宮も読んだはずなんですが、記憶に残ってないってことは、私の好きなドロドロした女心とか妄執みたいなものを意図的に取り除いて読みやすくしたのかなと思います。

◆私が物語に求めるもの

大きなことを言うなら、
人間の感情の普遍性を描いたもの
でしょうか?

音声配信で軽く触れた、山岸涼子先生は、人間の嫌な感情も狂気も、つい現実で考えてしまうマイナスな感情までも全てつつみ隠さず描いてくれるので、好きな作家の1人です。

大学時代に図書館にあった雑誌の漫画で存在を知りました。

バレエ漫画をたくさん読んでいた私にとって、衝撃でした!こんなに不幸な世界観ある?!と。
気になる方は是非読んでみてください。

私がおススメできるドロドロ劇は、
イシスと月読ですね。

そして、定番の天人唐草
毒親が社会的に問題になる前に描かれた物語です。

月読については、スサノオとアマテラスが近親相姦を犯しているので、ありえない展開だと思っていましたが!

YouTubeで TOLAND VLOGさんの考察を見ているうちに、割とガチなことが分かりました。

神武天皇以前の、男性の統治王と女系の祭司王 
はセットでしたが、あるときから、女系の祭司王の末裔は隠されているそう。

近年、歴史的に都合が悪いとされ、隠されていたことが暴かれてきているようです。
本当に大切なことは口伝で何千年も伝わってきている。

それを少しずつわかる人にだけ明かしている段階なのかもしれませんね。

では、長くなりましたが、また偏愛する本があればご紹介します!

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