CHを想像せよ！

みなさま予習は順調に進んでおりますでしょうか？
さて、とりあえずだいたいのストーリーはわかった！という方向けに、個人的に気になる点をいくつかピックアップしていきます。引き続きネタバレ注意です。前回の記事で「冴羽獠の生い立ち」の項目、つまり物語の核心部をスルーした方は読まない方がいいでしょう。

血縁の有無で対比させてくるのか？

獠、香、そして美樹といった、孤児設定のキャラが多いのがCHの特徴です。これに対し、普通の血縁家族として登場するのが野上家。ただこちらも原作内ではそれほど家族性を強調されてはいません。「野上家」としてくくって語ること自体、原作ファンからしてみれば新鮮に映るかもしれませんね。ただ宝塚ファンってキャストを見たとき属性でグループ分けして覚えがちなので(○○国とか、○○派とか、○○家とか)。

この孤児設定のキャラたちと野上家を対比させる演出があるのかなぁ、とまず一番に思いました。宝塚って対比させてくるの好きだよねっていうのもありますが、もちろん終盤の獠と海原のエピソードがあるからです。敵対関係のこのふたりが実は…というのが個人的に物語の核心になると思っているのですが、そこに肝心の血の繋がりはないのです。この部分と、普通の血縁家族(ただし各々のキャラはだいぶ普通じゃない)として野上家を対比させてくるのかが気になります。

そうなると獠たちの孤児という設定は原作そのままでも十分伝わってきますので、野上家側を膨らませてくるかな。配役的にもそこそこ大きめに扱いたい感が伝わってくる面々ですし。

(ついでに…にわにわ組長パパが娘に向かってしつこく縁談を持ち込む様子、ものすごく想像しやすいぞ…！！)

ここでひとつ。身元不詳の孤児である獠の誕生日(年齢)がなぜわかるのかと質問をいただきましたが、作中のエピソードで「そういうことにする」と香が獠の誕生日を決めるシーンがあるのです！気になる方は素敵なエピソードなので原作をどうぞ。ちなみに一部配役が発表されたあの日こそが獠の誕生日だったので、わざわざ狙ってきたのか？とざわざわしたのを覚えています。

槇村秀幸の扱いをどうするのか？

主な配役としてキャスティングされたのが、冴羽獠/彩風咲奈、槇村香/朝月希和、ミック・エンジェル/朝美絢、槇村秀幸/綾凰華、海坊主/縣千の5人。

主演、そしてヒロインのトップおふたりはひとまず置いておき、残り3名が関わるエピソードの配分が気になるところです。ただポスターにおける扱いと、そもそもがミック編をメインにストーリーを組み立てるのかなという印象から、朝美さんの扱いもかなり大きいはず。そうなると残るのは槇村秀幸役のあやなちゃんと、海坊主役のあがちん。

(注：原作ファンの方が読むことを考慮して説明しておきますが、宝塚には芸名とは別に愛称を持つ文化があり、あやなちゃん＝綾凰華、あがちん＝縣千を意味します)

先に海坊主のあがちんについて考えます。ぶっちゃけると海坊主ってどのタイミングでも出せるキャラですよね。あがちんはメインキャラを演じる5人の中では最下級生なので、学年通り配分するなら一番どうとでもなりそう。ただ最後の船上での熾烈な争いのシーンにも思いきり出てきますし、相手役の美樹を演じるのが退団が決まったりさちゃん(星南のぞみ)という点から、この2人の関係性はそこそこ深く掘り下げられそうな予感。ゆでタコになってぷんすかするあがちん、見たいですもの。うーんやはり終始登板しそうな気がします。

原作の展開を考えたとき、ミック編は終盤のエピソード。だからこそ気になるのが、序盤早々に亡くなる設定の槇村兄を演じるあやなちゃんをどうするのか問題。これ、あやなちゃんファンにとっては気が気じゃないはず。

この問題については「こんな感じの対応になるのでは？という予想」を個人的にしてみたいと思います。

①依頼人のエピソードの配置を工夫する

キャスト一覧を見たとき、原作を知るか知らないか問わず「この大人数をどうやって90分におさめるの？」と心配になったはず。もちろん収拾がつかなくてダイジェストになっちゃうのは勘弁して欲しいところ。メリハリつけてどうにかまとめていただきたいものです。

さらに同時に気になるのが、依頼とその解決を中盤に集中してくり返してしまうとストーリーの中だるみになるのでは？という懸念。野上家の面々や外国組も控えていますので、わかりやすくするために依頼者たちのエピソードをいくつか冒頭に差し込んでもいいのではと考えるのはちょっと浅はかすぎるでしょうか。

ただ全部の依頼を冒頭で終わらせてしまうと獠と香が組んで依頼を片づけるエピソードが手薄になってしまうのでそこはいい感じに配分してもらって…。

②槇村の死の前後をじっくり描く

まさに正面突破。獠と組んでいた相性抜群の槇村兄が殺され、その志を引き継いで妹の香が獠と組むという流れを大事にして欲しいという、願望に近いのですが。

香の20歳の誕生日という軸を中心に形見の指輪まで登場する宝塚向けのエピソードが槇村兄の死には絡みます。このあたりは時間をかけて丁寧に描いて欲しいのです。槇村兄がいなくなってから急に香が現れるわけではないので、それまでの兄妹の時間を描く余裕はあるはず。

③回想を差し込む

中盤にかけて冴子がからむ槇村の回想エピソード、そして終盤にも香との思い出が描かれる回想エピソードがあります。それを確実に入れていけばそれなりのボリュームになるはずです。

ということで朝美さんとあやなちゃんは今回同じシーンに出ることは難しいんですね。このふたり、勝手に月と太陽的な組み合わせで好きなので非常に残念なのですが、ショーの方に期待しておきます(欲を言えばこのふたりで暴風雪的なのをどうかひとつ…曲はもうちょっと大人っぽいやつがいいけど…)。

麻生かすみの扱いをどうするのか？

なーこちゃん(羽織夕夏)演じる麻生かすみは、依頼人として登場するメンバーの中では(少なくとも原作内では)突出して重要なキャラです。ただ依頼人やその関係者を演じる仲間にひまりちゃん(野々花ひまり)、他にも外国組のあやちゃん(夢白あや)という非常に強い面々がいるので、そこを考慮するとどうなるのかわからないというのが配役を見ての感想です。

なーこちゃんのおさげ、似合いますよね。キャストを見たときこれはハマり役だと思いました。変身後の姿も楽しみです。

麻生かすみは作中では一依頼者として登場しますが、ゆくゆくは喫茶キャッツアイの店員になったりとメインキャラの仲間入りを果たします。原作ファンにも人気がある彼女をどこまで掘り下げるのか、気になりすぎます！

ミック編を"どこまで"やるのか？

実はミックってメディア作品に取り上げられたことがないのです。つまり今回の舞台化はミックファンにとって待望の機会と言ってもいい！アニメ化や映画化の際はそれぞれに結末が用意されました。これはつまり、原作のミック編のラストを結末として採用しない可能性も0じゃないということ。

ただし少年時代の獠と海原神という配役がしっかりなされた以上がっつりやってくれると十中八九信じているのですが、やはり尺が足りるのか不安になるんですよね。

それかユニオンを最初に出していったん撤収させてから再度登板というまどろっこしいことをせず、中盤にユニオン&海原をどーんと出してそのままラストまで突き進む？むむぅ…。本当にどうまとめてくるのでしょうね。

余談ですがまなはるジェネラルのおでこにジュッのシーンはぜひともよろしくお願いいたします(土下座)。

あのシーンをどう演出するのか？

仮に前回の記事で取り上げたエピソードを全て消化するとした場合の主な見どころシーンがこちら。

○ジェネラルのおでこにジュッ(何度だって言う)
○槇村兄の絶命
○獠とミックが顔を合わせたときの撃ち合い
○ミックが乗った飛行機の爆発
○ミックが倒れるところ
○ガラス越しのキス
○船の爆発

それぞれについて書きだすと前回のような長文になってしまう(なんとぴったり1万字でした！)ので2点にしぼります。

まず2回派手な爆発のシーンがありますね。そこで思い出すのがワンスの爆発のシーン。特に飛行機はあんな感じでドカンといけそうですよね。問題は船。海上という設定で、救出にヘリとか使うし舞台をどのように使うのか気になります。クライマックスだしここは豪快にやって欲しいところ。

そしてそしてそのクライマックスの中で一番期待値が高まりまくるのがガラス越しのキスのシーン。これ投票させたらCHの好きなシーンランキング1位に輝くのではないでしょうか？いやそうでもない？

ここでのキスの意味自体は原作を通しで読むとわかると思います(読む時間ない方は個別に聞いてくれ)。注目したいのはやはりビジュアル的にどう演出してくるかということ。アニメだとガラスはふたりの間に鏡面反射をほどこすことで作画できると思うんですが、舞台だとあんな大きいガラスはね…。映像ならセット用意してなんとかって感じですよね。どうなるかなあ？

スモーク焚いたりとか思いきりドラマティックに攻めてもらってかまわないので演出が本当に楽しみです。

Get Wildは使われるのか？

原作ファンの様子をうかがうと、意外とそこまで望まれてるわけでもなさそうなのがGet Wild。他の曲を推す声も結構見かけました。

でもやっぱりCHといえばGet Wildという方もいらっしゃり、どうにかして使ってくれないかなーというのが個人的な本音。ルパンとか、前例ならありますからね。

フォロワーさんの中にはちらほらすでに初日のチケットを確保された方を見かけます。今のところわたしが確保できているのが日程の半ばなので、初日に入られる方は一幕終了後、Get Wildが使われたかぜひご一報ください。ついでにおでこにジュッがあったかも教えてください(しつこい)。

"もっこり"はどうするのか？

ついにきたこの問題。まず、ビジュアル的な表現がなされる可能性は0ですよね。アニメですらされていないんですから。あれは漫画ならではということになっています。

それではセリフとして言わせるのはどうでしょう？どうでしょうね？言わせますかね？もっこりなしのシティーハンターなんてカレーがかかってないカレーライス(それただのライスでは？)。少なくとも何らかのそういう表現は必要だとは個人的にも思います。

そこで浮かんでくるのが、もっこりにはつきものの香のハンマー。ポスターや公式トップに使ってくるくらいだし、こちらはかなり期待できますよね。獠が「もっ…」と言いかけて、香がそれを制する形でハンマーを振り下ろす感じが一番無難なのではないでしょうか。隙あれば女をひっかける獠やミックのくだりもハンマーでガンガンやってもらって、つまりもっこりを控えめにする代わりにハンマーをとことん使い倒してくるのではないかと予想してみます。

なぜ白スーツじゃなかったのか？

ポスターが出たとき、あのすばらしい完成度の朝美さんにキャーキャー騒いだわたしたち。しかし原作ファンの方々からは「この金髪は誰？」という言われよう。ミックといえば白スーツですもんね。あれが白スーツの中にカラーシャツを着た朝美さんなら「これはミックね！」とわかってもらえたと思うんです。ファーストインパクトって大事ですからね。だからちょっぴり悔しかった思い出…。

あちらの世界における白いスーツは「汚させない＝負ける気がしない」という意志の強い表れなのだと仕立ての本で読んだことがあります。CH内でそういう設定があるわけではないのですが、ミックが意識して白を着る理由としては素敵じゃないですか。これ個人的な「そういう意味だったらいいな」案件だと思っていたんですが、意外と同じことを考えてる原作ファンの方が結構いてびっくり嬉しい。宝塚ファンだってこういう衣装の(勝手な)裏設定は大好物ですよね。白だと血が映えますから、真っ赤にべっとり汚れていただいてもいいんですけど！←

舞台では普通に白スーツのあさミックが見れるのかもしれません。ただあのブルーストライプのお衣裳もとっても素敵なので、まぁまとめるといろんなかっこいい朝美さんがたくさん見れたらそれでいいのです！ビバ単純。

ちなみに服飾学的にはストライプにも異端とか反骨精神、守護神といった意味があるので、そちらの方向でも十分ときめけますね。あ！白いグローブも忘れずにお願いします。

新公の配役はどうなるのか？

非常にデリケートな話題なのでふわふわっとした書き方しかできませんが、やっぱり気になってしまいます。今回は特に変化球的な形になりますし、主演についてはコメントを控えさせていただきます。

それではヒロインの香役はどうでしょう。こちらもデリケートなのは変わらないのであれこれ言うことはしたくないのですが、個人的な希望としてはひめかちゃん(有栖妃華)。ミック、槇村兄、海坊主はというと…これはこれで難しいですね。しいて言えばいちかくん(一禾あお)に海坊主役を期待してみます。

真風笑美を出して欲しかった！

最後にこれだけ唯一疑問ではなく願望でした。新宿歌劇団の男役トップという役です。メタ的な要素は今回なしなんですね。でもおーじくん(桜路薫)、つばさくん(天月翼)、叶ゆうり氏の桜木、平澤、三井は外部の振付の先生のお名前と聞きました。わたしはまだ宝塚ファンとしてはぺーぺーなのでこういった要素にはなかなか気づけないのですが、知ってしまうと楽しいですよね。何かの事件の犯人3人組とかでしょうか？

配役については公式の人物相関図が出てからまた改めて補正したいと思います。たとえば劔会幹部という役がついたいちかくん。「劔」から伏見劔役のあすさん(久城あす)につなげて伏見財閥組としてくくって説明しちゃいましたけど、全く無関係という可能性も…。あすさんの下にいちかくんがつく。この組み合わせを喜んでいる方が予想以上にとても多くて、もし本当にふたりが無関係だったらどうしょうと今地味におびえている次第であります…。

ついでに言っちゃうと、あゆみさん(沙月愛奈)には次原舞子役を期待していたのですよね。伏見財閥を出してくるならこのエピソードのキーパーソンである彼女も必要なはず。ダンスが恋人という役なので、あゆみさんにはぴったりじゃないですか。まあ本当に原作では「伏見」としか出てこず、原作の伏見＝今回の伏見劔なのか確信して言えないのでどうしようもないんですが…。もし想定通りダイヤのエピソードを出してくるとして、新宿の婆とはまた別にダンサーとして出演していただくことは可能ですよね？(まだあきらめてはいない)

この他にも気になる点はたくさんあるのですが、これ以上書くと収拾がつかなくなりそうなのでこのへんで。