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夢介千両みやげを攻略せよ!

彩風さん体制の2作目がまたしても知っている作品だった!ということで、今回もはりきって解説したいと思います。ネタバレ注意!!!

大衆小説という世界観

おおらかで気が優しい夢介と、そのそばでやきもきするお銀の恋模様が描かれるこの作品。主人公は確かに夢介ですが、実をいうとストーリーの視点や感情の吐露みたいなものの大部分はお銀側です。

というのも、夢介としては自分のおかみさん(恋人)としてお銀をちゃんと想っているのですが、少々回りくどいというか、あんまり目に見えてお銀をかまってあげないのです。信頼してるからこそどっしりかまえている感じ。しかしお銀の女心としては愛されている実感が欲しいのも当然で、怒涛のやきもちの連続に始まり勝手な思い込みで恋敵認定した相手に殺意を抱いたりと感情を爆発させ続けます。このふたりの関係性の進展をベースにいろんな事件が起こりますが、そのひとつひとつがご都合主義で、落語にありそうなオチがしっかりあるエピソードばかり。コロコロと話が展開していきます。

さて、公式の「痛快娯楽時代劇」という表現からまたコメディーか!という第一印象を持たれた方も多いと思います。「痛快」というのはすでに説明したように悪人が勧善懲悪にならって罰せられる部分にあるのかなという感想を持ちましたが、問題は「娯楽」。この作品は大衆小説であり、堅苦しさを感じやすい純文学作品群に対して、「とにかく楽しませるためにおもしろさを追求して書かれた小説」です。作者が伝えたかったこととは…?なんてものは考える必要はありません。ここでのおもしろさとは「Funny」ではなく「Amusing」。つまりわははと笑えるコメディーというよりは話の筋にエンタメ性があるお話と思ってもらえればいいと思います。

夢介とお銀

それではおまちかねの登場人物の紹介です。まずは夢介。年齢は25歳。とにかく裏表がない、素直で気の優しい男です。そして大柄。少々頭が回らないように見える場面もありますが、実は利発で狙ったか運が味方したか…というなかなかの冴え者。お銀に対してもしっかりと愛情を持っています。

実家は小田原の百姓で幼くして母親と死別しています。実は怪力の持ち主なのですが、慕っていた母親から人前で力を振りかざすのはみっともないことだと教えられたため、ふだんはどんなひどいめに遭っても抵抗せず、やり返しません。しかしいざというときその力を存分に発揮します。どんなときも話の本筋のど真ん中であっけらかんと立っているような頼りがいのあるスーパーヒーロー

ストーリーとしてはありあまる金を持たされて「いろいろな経験のために」田舎から出てきた道楽息子という設定です。その金で人助けをしますが、後半はいつまでもそれではいけないと自ら稼ぐようになっていきます。金が全てを解決してくれると思い込んでいるようなきらいも。まあこれは高慢さからくるものではなく、実際金で解決してしまえる機会が重なったために無垢な夢介が結果としてそう認識してしまった感じです。

さて、お次はお銀。23歳の姉御肌で気が強い女です。当初は「おらんだお銀」というスリの名手として夢介をだまくらかすために近づきましたが、いつのまにか彼にゾッコン。一応婚約をとりつけたはずなのになかなか田舎に紹介してもらえず、夢介の言動を終始監視するまでになります。血の気の多いやきもち焼きですが、いざとなると素直になれないという不器用さも垣間見え、まさにがんばれ~とつい応援したくなっちゃう系ヒロイン。自分の気の強さや可愛げのなさを気にする健気な部分もあります。なかなかの美貌というのもお忘れなく。

お銀は夢介によって華麗に助けられるシーンもありますが、さまざまな道具を駆使して自らの力でピンチを脱出する術を持っている生命力の強い女というのもポイント。いじいじと夢介への不満をつのらせるばかりのみじめな女では決してなくて、したたかな印象の方が大きいくらいです。ただこの強さでさえ、こんな荒っぽい女を夢介が受け入れてくれるはずないと気にする一面はあります。このほかの特徴としては不安が限界に達すると観音さまに手を合わせにいく習慣があります。

このふたり、家まで用意して暮らし始めるのになかなか事が起こらないのです。お銀はどんどん不満をつのらせていくわけですが、夢介にしてみれば要所要所で必死に気を引こうとするお銀の努力を見逃してはいないことが描かれます。夢介のじれったさと、お銀の不器用さが交互に表現されていき、そのピュアさは少女漫画顔負けの展開です。

若だんな・伊勢屋総太郎

主役のふたりは配役がわかりきっているので、みなさんの関心はここからでしょう。朝美・和希・綾・縣はどの役になるかというのをテーマに、予想に若干の願望を織り交ぜながら紹介していきたいと思います。

夢介、お銀に続く二番手役となりますと、候補は若だんなの伊勢屋総太郎か、カマイタチの仙助のどちらかに絞られます。まあ普通に考えると公式の作品紹介に名前が出ている総太郎を朝美さんはやるのかな、と思いますが、ここで言わせていただくとわたしは仙助推しなんですよね。とりあえず本命の総太郎を説明してしまいたいところですが、その前に物語の冒頭を知っておいたほうがいいので先にそちらから。

話は夢介とお銀が出会う場面から始まります。いつものようにスリを企てたお銀は、のんきに歩く夢介をカモと見て近づきます。「大金を運んでいる道中なのでしばらく用心棒になって欲しい」と持ちかけたお銀は、さらに女ひとりでは泊まる場所を探すのも面倒だと夢介にせがみ、いっしょに泊まることに。宿場では夢介に疑われないようあえて自分の金をあずけたお銀。夢介が得意の色じかけに目もくれず爆睡するのを見て、張り合いのない変なやつだといぶかしみながらも夢介のありあまる所持金を盗むことに成功。朝早くにすたこらと逃げ出し…という流れ。

実はこれにはからくりがあり、お銀が夢介に出会う直前に寄った茶屋で彼女とすれ違った武士・斎藤新太郎とその弟子・海野の機転により犯行は全て暴かれてしまいます。夢介もお銀の正体を見破っていてわざとカマをかけた様子。たじろぐお銀でしたが、なぜか話は全て水に流すからその金はもらっておけという流れになり、よけいに混乱します。同時に「おらんだお銀」として名をはせるスリのプライドがあるお銀は、今度こそこの手で金を盗んでやると夢介に啖呵をきります。くやしさでいっぱいのお銀でしたが、なぜか夢介のことばかり考えるように。自分の誘いになびかない男はこれまでおらず、調子をくるわせられたお銀は気づかぬうちに夢介を好きになっていきます。

この出会いのエピソードで夢介は所持金の多くをお銀に渡してしまいます。そのためすぐに金が乏しくなり、向かったのが伊勢屋総兵衛のところ。実家の取引先の穀問屋であり、夢介はおやじからそこに千両預けておくからとりに行けと言われていたのです。夢介がこの後経験することになる各種の騒動につぎこむことになるのはこの千両です。

伊勢屋総兵衛は妻子ありの壮年。道楽は好かないので、田舎からやってきた夢介には小言を言ってやろうと思っていたのです。どんな生意気息子がやってくるかと待ち構えていたのに、やってきたのは朴訥な男。あっけにとられて何も言えなくなります。そしてその息子が伊勢屋総太郎。身分相応のきちんとした立ち振る舞いを身につけつつ、しゃれたからかいまでこなすような顔のいい男。ついでに唄が上手い

総太郎・通称若だんなは何もわからないと見える夢介に江戸の遊びを教えます。夢介はその代金を払うはめになるのですが、嫌な様子も見せないどころか逆に「なんか度胸あるやつだなあ」と終始おっとり。一方総太郎はその後発生した夢介のピンチに際して手を貸してくれるわけでもなく…。しかもこの扱いを総太郎の性格からではなく、訳ありなのだと思いなおすのが夢介で、どこまでも素直な男なのです。

話が若干それました。気になるのは総太郎の人柄ですよね。三味線で唄ったりもする、教養はあるはずの男です。しかし口がとにかく悪い。女遊びもお盛んで下心ありあり。

女の扱いが非常にうまく手馴れており、後で紹介する春駒太夫を追いかけまわしたりもします。中盤でお銀が家出をした際、お銀は総太郎のことを知っていましたが、総太郎はお銀が夢介のうわさの連れとは知らず、お銀にほだされてしまいます。もちろんこれはお銀による、序盤の江戸遊びで夢介を手荒に扱った総太郎への復讐の始まりです。はい出ました三角関係。総太郎は一見いや~なやつですが、意外と純情な部分もあります。このときの恋は一応本物だったらしいのです。お銀が夢介のものだと気づいた総太郎。ここで夢介と総太郎の関係をおさえておくと、犬猿の仲だけどなんだかんだ互いを気にかける親友って感じ?総太郎を中心にとっかえひっかえな恋のエピソードが飛び出しますが、毎回夢介やお銀に邪魔されまくります。

お松とできちゃった婚をした後はそこそこ真面目に生まれ変わります。前半を中心に出てくる人物ですが、終盤全く出てこないというわけではないです。

ちんぴらオオカミ・三太

三太もスリの名手で、犯行に及んで逃げていたところ、夢介と文字通りぶつかります。これがふたりの出会い。ここに被害者である侍が追いかけてきて、三太はとんずらします。侍に盗られた金を代わりに返してやろうと思った夢介は懐に手を伸ばしますが、なんとそこには三太が忍ばせた侍の財布が。当然侍は夢介を三太のグルだと思い込み、番屋(現代で言う交番)に夢介を連れていきます。

なんとかトラブルから解放された夢介の前に三太がふたたび現れます。金をせがんできたりと厄介な人物ですが事情がある様子。弟分である松公新坊を従えていました。ちなみにこの3人、血の繋がりはなかったはずです。

調子のいい三太は15歳前後の少年。年の離れた夢介に物怖じすることもなく、根は悪くない子です。夢介の方も何だか気がかりで、飯を食べさせようと奮闘したり、いつもの優しさを炸裂させます。やがて夢介とは気の知れた友人のような関係になり、夢介が六兵衛の屋台を手伝うようになった際はそれを補佐するようになります。そのころにはスリからは完全に足を洗っている様子。年齢の割にませていて夢介とお銀を取り持つ場面が多くあります。金にがめついところがありますが、末っ子が兄貴にこづかいをせびるような感じなのでそこにいやらしさはありません。

春駒太夫

三太がすった紙入れを返してやろうという夢介のおせっかいが出会いのきっかけです。江戸で大人気の娘芸人で手品を得意にしています。美しくスタイルも抜群。当初は楽屋に忍び込んできた夢介を無下に扱いますが、なんだかんだあって慕うように。もちろんお銀からは敵対視されます。

夢介への恋心を完全には忘れることができないまま身を引こうとします。当初の勝気な印象は一転して本当に健気です。夢介がまた思わせぶりな態度をあいかわらず見せるものだから、つい甘えてしまう場面も。それを見たお銀がまたやきもちを焼くのです。

カマイタチ・仙助

東海道で名をはせる大どろぼうで非常に冷酷な目つきをしています。頭巾をかぶっていてその顔を知るものはごくわずかです。神出鬼没で昼夜を問わずむごい悪事をくり広げ、特にすれ違いざまに胸を一突きして殺すことからカマイタチと呼ばれ恐れられています。実はお銀とは夢介に出会う2年ほど前からの知り合い

出会った当時からお銀を口説いていました。お銀はいつもの眠り薬を駆使して仙助をだまし、ついでに金も抜いてドロンしていたのですが、なんと夢介が田舎に嫁として紹介してくれるかもしれないというタイミングで再会してしまいます。はいここでまた三角関係発生!仙助は全くお銀をあきらめてはおらず、堂々とお銀たちの家に上がり込みます。そのまま夢介の帰りを待っていた仙助は夢介と対峙することに…。その結果はお察しください。

前半は登場しませんが、後半は各エピソードにガンガンからんできます。その言動の目的がさっぱりわからず正体をつかみにくい人物像です。飄々としていて、どこか寂しげな雰囲気も見せます。終盤、敵対しているはずなのに夢介やお銀を助ける仙助は、春駒太夫が刺された一件で責任を感じたお銀が死のうとしていたところにも居合わせ、切ない本心をあらわにします。

で、誰がどの役だって?

以上が主要6人のキャスト。総太郎はまあ朝美さんだと想定して問題はその後。特に三太を誰が演じるか気になってしかたありません。役割で言ったら仙助が3番目に大きいかなと思いつつ、場面の数は三太が圧倒的に多い。三太がまたそらくん(和希そら)、あやなちゃん(綾凰華)、あがちん(縣千)と誰でもいけそうなのも困ります。個人的にはあがちん希望です。

春駒太夫に関しては夢白ちゃんが固いかなと思いつつ、男役でいくという選択肢もあるかもしれないと思っています。その場合はあやなちゃんかなあ。

CHの槇村とミックの関係と同様に、前半は総太郎・後半は仙助が展開を引っ張っていくというのも気になります。ただ。もう一度言いますがわたしは朝美さんの仙助が見たい。

あらすじをざっくりと

CHではその原作の長さからストーリーの全貌を紹介しましたが、今回はこれから原作をチェックする方もいると思うので流れをまとめるだけにしておきます。

小説は上下巻に分かれており、上巻では主に実家から送られた千両で「道楽」する夢介が描かれます。次々と人助けをする夢介。途中お銀が拉致されたり、家出したり、夢介が監禁されたりと怒涛の展開。田舎に帰るときは嫁として紹介してもらえる約束をしたお銀は、ついにその機会が訪れると喜ぶ反面不安が。いったい夢介の実家のおやじはどんな人なのだろうと案じます。夢介は夢介で大垣伝九郎率いる悪党がゴロゴロいる江戸に不安を覚え、早くお銀を田舎に連れ帰りたくなっていました。ちなみにこのタイミングでようやくファーストキス。ついでに時を同じくしてカマイタチの仙助も登場します。

これが下巻に差しかかると、伊勢屋にある金に手をつけられなくなった夢介はとある商売を手伝い始めます。それは鍋焼きうどんの屋台で、その目的は六兵衛とその孫娘・お米の様子を把握するため。寝込んだ六兵衛の代わりということで商売を始めた夢介は、仙助が実の父親かもしれないという疑惑が浮上していたお米を心配していたのです。その後も仙助は江戸に残り次々と人を刺していきます。夢介が屋台を引いていたある夜、曲者4人組がミミズ入りのうどんを食わせたと夢介に詰め寄っていたところに頭巾をかぶった男がひとり。立て続けに4人を撃退したその男は仙助でした。実はその様子を陰で見ていたお銀は動揺します。その後日、4人の子分の仇を討とうと親分・鎌五郎がやってきます。そのもめ事の渦中、屋台を手伝っていた春駒太夫が大だなの若だんなという彼女を追いかけまわしていた男に刺される事件が発生。さらにその後、男にお銀までもが襲われそうになったとき、またしても助け舟を出したのは仙助で…。

気がかりなのはスミレコード的なお話。途中夢介とお銀の間にはなかなか事が起こらない(それもどうなんだろう)のですが、お銀が裸の状態で拉致され、そのままの姿で宴の華にすえられるシーンがあります。ここ、どうするんでしょうね。まあ単なる誘拐として表現すればいいとは思いますが、夢介とお銀の心が急接近するきっかけとなる重要なエピソードなので気になります。

主な原作登場キャスト一覧

斎藤新太郎
冒頭でお銀らが出会った、さっぱりとした若い武士。頭の回転が速くお銀の企てを暴く。名人・斎藤弥九郎の長男。

海野
斎藤を先生と呼び慕う。

市村忠兵衛(八丁堀のだんな)
有名なスリ師であるお銀と夢介の関係をうかがう市中取締役。田舎から出てきた夢介を案じている。三太が引き起こした盗みの濡れ衣騒動をはじめとして、ときどきでうまく事を運んでくれる。まなはるさん希望!

大垣伝九郎
旗本崩れの悪党。別名・一つ目のごぜん。繁盛している店に居座ってはみかじめに金をせしめる。ドジョウ屋でいつものように大きい態度をとっていたところ、居合わせても全く気にするそぶりをみせない夢介と隠居のふたりが気にさわり、子分をけしかける。子分には喧嘩っ早い通称・お化け岩、元相撲取りの岩ノ松音五郎、あばれ者・鬼辰、浪人・猪崎などがおり、全員夢介にこてんぱんにやられる。この一件以降、大垣は夢介を目の敵にする。専科さんかあすさんかといった感じ

幸右衛門老人(隠居・相模屋のとっさん)
ドジョウ屋で夢介が出会った老人。やたら肝がすわった風で、その正体に気づいた大垣がすぐ逃げ出すような人物。有名な任侠相政の義父。ぜひりーしゃさんでお願いしたい

梅次
夢介が総太郎に連れられて遊びに行った先の妓。総太郎とは親しげで出まかせだが夫婦約束もしたことがある。めんどうなひも付き。浜次のライバル的な存在。

船頭悪七
梅次のいわゆる「ひも」。浜次が夢介をだました一件で、梅次に恥をかかせたと夢介と浜次の別れ際に刃を持ち出してくるが夢介に一方的にやられる。大垣伝九郎の一味の端くれでもある。すわっちかな

浜次
梅次と同じくして働く妓。夢介を巧みにだまし、ピンチにおとしいれる騒動をひきおこす。遊びの金を肩代わりしてくれたのに夢介を助けようとしなかった総太郎を軽蔑し、その総太郎と親しい梅次にも鋭い言葉を放つ。夢介のあまりの純真さに別れ際には親しみをもつようになる。みどりちゃんとかどうかしら?

青山大膳
浜次を買っていた侍。夢介が浜次に手をつけたと勘違いし激昂する。

おたけ
浜次とのトラブルが発生した夜に夢介たちを案内した女中。総太郎のツケを夢介に払ってもらう。

伊勢屋総兵衛の妻
総太郎の母でもある。夢介が金をとりにきた際、道楽を好かない夫の代わりに相手をしてくれる。思慮深くいつも夢介を気にかけている。婚約者であったお糸を可愛がっていた。カレンさんでしょう

お糸
総兵衛の妻お気に入りの総太郎の元婚約者。総太郎との結婚を嫌がる様子を見て、夢介はつい助けに入ってしまう。

お松
伊勢屋の女中で総太郎との子を身ごもる。当初は下女だからと総太郎には突き放されるが夢介の働きかけで結婚することに。必要な支度の金も夢介が兄代わりに出してやった。お銀も姉のように可愛がるようになる。ともかちゃんのイメージ

ばあや
夢介と暮らし始めた際にお銀が雇った世話女。

お菊
春駒太夫の若弟子。空気が読める気の優しい娘。

おたき
お銀が家出していたさなか、雨に降られていた夢介を雨やどりにさそった。着物を乱しながら夢介に迫り、それを亭主に発見させて金を巻き上げようとする魂胆があった。似たようなことを総太郎にもやらかす。

尾張屋の弥吉とおきよ
中盤、夢介の元から家出したお銀が身を寄せたのが尾張屋で、そこの老夫婦。

腰元の菊
主人の金をすられたことを案じて身を投げようとする。かわいそうに思った夢介は金を都合するばかりか彼女を家まで送っていったが、その家こそ大垣伝九郎の親戚筋の屋敷であり全ては狂言だった。

ご後室さま
大垣の屋敷に監禁された夢介が牢で出会った女。悪党たちの相手を重ねた結果の気狂いで、牢に入れられた男を色地獄に陥れる。世話をしている中老は大垣の姉。夢介のことを吉弥と呼ぶ。夜になって事に及ぼうと夢介にせまるが、抱きながら子守唄を歌う夢介に寝かしつけられる。ちなみに抱いて子守唄を歌うのはお銀に対してもやったことがある。大垣の屋敷に乗り込んだお銀の作戦により火が出た際、不憫に思った夢介は彼女を牢から救い出した。あいみちゃんで見たい

六兵衛
鍋焼きうどんの屋台を営む。宿なしの三太を見かけるといつもうどんを食わせたりと気の優しい酒好きなおやじ。悪七の企みにより彼に借金を作ってしまい孫娘であるお米を売り飛ばされそうになる。三太が動いて返す金を用意したまではいいものの、時すでに遅しでお米は連れ去られていた。いったん事の次第がおさまった後は寝込んでしまい、屋台の営業を夢介が代わってやることになる。そのときの助手は三太。にわにわ組長がやるんだろうなという予感がすごい

お米
六兵衛の孫娘。16歳。母親であるお光とカマイタチの仙助との駆け落ちの末に生まれた娘で、お光はすでに亡くなっている。夢介との決闘に敗れた仙助に人質にとられるが、娘を殺せなかった仙助は無言で去っていく。夢介らを兄姉のように慕う。ひまりちゃんかなひめかちゃんも似合う

嘉平
小田原の実家からの使い。彼の言葉によるとそのときすでに小田原ではお銀の悪評が広まっていたため夢介の様子を見におやじに黙って江戸へきていた。お銀を口悪くののしるが反撃され怒りくるう。この一件により夢介は勘当されたも同然になってしまい、伊勢屋の家に預けてある金に手を出せなくなる。がんこじじいだが心から夢介とお銀のことを心配している。

大だなの若だんな
春駒太夫の追っかけと見えたがどさくさに紛れて彼女を刺したことから人々はこいつがカマイタチだと勘違いする。

鎌五郎
屋台で夢介に因縁をつけた4人組の親分。夢介の元へやってきて売上を奪おうとしたところお銀の攻撃に遭う。

新門辰五郎
相模屋の隠居といっしょにお米の蕎麦屋に開店祝いを寄せる。

般若竹
嘉平が2度目に夢介の様子を見に来た際に被害にあったスリ。

大和屋九郎右衛門
身の固い夢介をおちょくってやろうと自分の屋敷(寮)へ招くが、邪魔が入ってあてが外れるばかりか、大垣の一味に襲われる。夢介とお銀が身代金を持ってかけつけると、さながら悪役が大集合した状態になった。

板前の定吉
大和屋の板前だが大垣の一味に通じていた。


以上!長々とお読みいただきありがとうございました。ずいぶん先ですが配役が出たらまたブラッシュアップしまーす!

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