【制作ストーリー】1年弱寝かした。それでもこんな服を着た人を山で見たかった。~【LIRGE】登山で着るボアプルオーバー with POLARTEC Thermal pro~
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【制作ストーリー】1年弱寝かした。それでもこんな服を着た人を山で見たかった。~【LIRGE】登山で着るボアプルオーバー with POLARTEC Thermal pro~

Naoya Machida

この服の着想は1年前に戻る。当時のLIRGEは駆け出しながらそれなりの人数のチームで動いており、分業制だった。結果、言い出しっぺの私が管理しきれなくなり、今の2名体制になったのだが、当時はデザインも友人に依頼していた。

この服はその友人がデザインしてくれたものだ。襟元のパイピングが特徴的で、ポケットのデザインに至っては登山服では今までなかったものになるであろう。ミッドレイヤーだからこそ遊べるデザインであると私は捉えている。撥水性や防風性はアウターレイヤーに任せてしまおうというわがままな服だ。

このデザイン自体は個人的にすごく気に入っていたのだが、これを登山スペックに落とし込むのにとても悩んだ。ボア素材を使うと、どうしたって登山中に蒸れるイメージしかなかったのだ。

私はベンチレーションがあまり好きじゃない。ベンチレーションは妥協策にしか見えないのだ。「蒸れるからチャックで開閉式としよう」は素人でも思いつく解決策だと思ってしまう。ファッションとしてもかっこよくない。こんなことを言うと自分が作る服にベンチレーションをつけれなくなるので程々にするが、とにかくこの服にベンチレーションをつけたくなかったのだ。

当時はそれを解決する手段を持ち合わせていなかったので、寝かせることにした。

それから約1年。ライトウォームフリースの話の中に出た通り、とあるメーカーとの取引開始により解決策が導き出された。

そこで出会った生地がPOLATECのThermal pro のボアだった。
通常のボアより軽さがあり、保温性を担保しながらも湿度を逃がしてくれる。さすがにトレランに着ていけるほどではないにせよトレッキングには十分だ。

この生地のおかげで私は、この服にベンチレーションをつけずに済んだ。

ミッドレイヤーとしては、おそらくあまり着やすい服ではないと思う。
オーバーシルエットで、色もオフホワイト。汚れも気になれば合わせる服も選んでもらうことになると思う。それでもこの服を出そうと思ったのは、ただのエゴである。皆に選ばれる服ではないと思うが、これを選んでくれた人が山で着ている姿をみれる日を楽しみにしたい。


▼予約ページ【11月7日(日)まで】



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Naoya Machida
「登山を嗜好するひとのワードローブ」をテーマにLIRGEというブランドで登山服を作っています。学生時代は古着屋に勤めながら年間100万円ほどを服に費やす洋服フリーク。その後、上京し就職と同時に登山を開始。国内では日本アルプス全般を季節問わず登りつつ、海外でも登ります。