200719 〈TED〉アレックス・エドマンズ: 「ポスト・トゥルース(脱真実)」の世界で何を信じるべきか


〈内容メモ〉

※TEDxLondonBusinessSchool | May 2017
以下、Transcript/日本語訳に基づくメモ

▶確証バイアスについて
・人は自分が信じたいことを裏付ける話は無条件に受け入れ、それに矛盾する話は拒絶する

・世界の脱データ化:たくさんのデータよりも1つの物語が好まれる(1%の例外がその目新しさゆえに「ニュース」になるからといって、残り99%の一般的な話を無視してはならない)

・データの取り扱い方:データが仮説と矛盾しない≠対立仮説と矛盾する。人は対立仮説と矛盾がなくてもデータを証拠として受け入れてしまいやすい(データの解釈を間違う可能性)
→エビデンス=「1つの仮説を肯定し、他の仮説を否定するデータ」のこと

・何が正しいかを知る唯一の方法は、間違っている仮説に気づくこと

▶どうすれば確実にエビデンスに基づいて判断できるか?

1.積極的に自分と異なる視点を探すこと
→周りに自分の考えを試す人を置き、活発に異論が生まれる環境を作る(「必ずしも同意せずして考えを検証してみることができれば、それこそが教育された精神の証である」byアリストテレス)

2.専門家の言うことを聞くこと
→私たちが専門家に不信感を抱いてしまうのは、彼らが遠い存在に思えるから。また、言うことがそれぞれ違うから
→専門家の意見を聞く際は、情報の発信者の信憑性をしっかりと吟味し、信頼できる学術誌で発表された論文に注意を向ける。そして、専門家の分析や認識にも限界があることを前提とする

3.情報を共有する前に一旦立ち止まって考えること
→情報が加速度的に拡散される可能性があることを自覚し、何を発信するかについて細心の注意を払い、情報の信頼性を十分に検討する

〈感想〉

以前ネット上で偶然見かけた詩(壁紙用?として画像に詩がしたためられたもの)をとても好きになって、作者の名前とともに自分のノートに書き留めた。過去にはSNSで投稿したこともある。しばらく経った後、その詩の作者は本当は別人であることを知った。画像という形で加工処理されていたせいか、ともかく私はファクトチェックを怠り、素晴らしい作品の作り手について完全に誤った知識を信用し、しかもその情報の発信者にまでなってしまった。我ながらこの一件はかなりショックな出来事だったので、以後は、それまで以上に情報の出典、入手経路を意識するようになった。

このトークで紹介されているエビデンスに基づく判断のための3つのアドバイスは、一見すると当たり前過ぎて退屈にも思えるけれど、だからこそ基本的な姿勢として常に備えておきたい前提条件でもある。

特にnoteを書く上では、三つ目の「情報を共有する前に一旦立ち止まって考えること」に注意したい。正直なところ私は「エビデンスに基づく判断」というやつが苦手で、だけど同時にそれが大事だとも感じているから、こうして少しでも勉強できればと思っている。でも、あまりにも厳密になりすぎると何も書けなくなってしまうかもしれない。なので、下手は下手なりに最低限のマナーとして、情報を引用・参照する際はその作者(発信者)を確かめて敬意を払うこと、できるだけ事実と主観を切り離して誤解を招く書き方は避けること、などを心がけたいと思った。