200716 〈TED〉ロリー・サザーランド: 物事をどのように見るかがすべて


〈内容メモ〉

※TEDxAthens | December 2011

・全体的に事例を豊富に取り入れている、企業活動に寄せた話が多い印象。個人のあり方に転換して捉えるのはやや難しい

人生における境遇そのものは 人生に対する統制感と比べると 幸福に与える影響は小さいものです
(中略)
なので 代わりに言いたいことは 物事をどのように見るかの枠組みが重要ということです

(Transcript/日本語訳より)

    ↓
▶同じ出来事であっても、その捉え方次第で幸福度は全く異なる
→現実に起こることは人間の幸福度を的確に示すわけではなく、それを見る枠組みに大きく左右される(=物事を捉える枠組みが重要)
→人生における境遇そのものよりも、人生に対する統制感の方が幸福に与える影響は大きい(=どんな状況であるかよりも、それを統制できているかどうかの方が重要)

▶社会的課題に対するアプローチ
→技術、心理、経済の3つの視点(=人間の意思決定に必要なことのすべて)が重なるスポット(The sweet spot )にあたる解決策を探す必要がある
→優れた企業の取り組みはこれら3つがうまく機能している

〈感想〉

「物事をどのように見るかがすべて」というタイトルが、このトークの内容を最も簡潔に言い表している。話者はこのシンプルかつ明確な主張を裏付ける様々な事例を取り上げながら、話を展開している。

外的な環境や条件は整うに越したことはないけれど、それらの多くは自分の力だけで制御することはできない。他方で、物事の捉え方、思考の枠組みは自分の内面に関わる問題であり、様々な学問・歴史等から学ぶことによって、より良い手法を体得し、制御することが可能である。私は物理的な面で大成するための野心と能力を欠いている、という自覚がある。だからこそ、物事を捉える枠組みの重要性を十分に理解し、その種類や柔軟性を鍛えることで、外界への適応能力の低さを補う必要がある。

また、自分個人の問題としてだけでなく、近年は大規模な自然災害や新型ウイルスの流行など、人の力で太刀打ちできないレベルの困難に直面する機会の多さを実感している。そうした難しい状況の中にあっても、各々の場面に素早く順応して的確な対処・判断を行うためには、「物事(出来事、境遇)を捉える枠組みと、それに対する統制感をどのようにして培うか」という視点は、重要な意味を持っていると思う。