見出し画像

230513

何となくモヤモヤしてて、今までに繰り返した失敗のパターンをまた繰り返しそうな気がしてきて嫌だなと思ったところで、やっと一つ方向が見えてきた。

ここ1、2年の間は【新しい世界】と【馴染みのある世界】を横に並べたとき、必ずといっていい程【新しい世界】の方を優先してきた。安心できる見慣れた世界に居座っていては生きていけないと感じていたし、狭い世界から抜け出す必要性を痛感していたからだ。だけど、ようやく最近ふと立ち止まって自分の足元と取り巻く環境とを一歩引いたところから眺めることができるようになり、少しずつ元々好きだった世界を恋しく感じるようになった。

新しい世界に自分を投げ出すには勇気がいる。特に私のような臆病者にとっては、恐ろしいことですらあった。それをこなしていくためには、【馴染みの世界】にもたまに顔を出すみたいな、そんな軽やかな余裕は全く持つことができなかった。いつもの安心できる居場所を一旦脇に追いやり忘却して、そこから知らない世界の中で身を縮こめながらも何とか収まりどころを見つける、それだけで私には精一杯だった。

何とかひっそり生きていけるかもと思えるようになったから、これまでの安心できる場所を大事にして豊かにしていくことにもエネルギーを使いたいと思うようになった。そっか、そういうことなんだ。だから、今の私に必要なのは、【新しい世界】と【馴染みのある世界】とのバランスをとっていくことなんだろう。新たに知った世界はそれはそれで大事だし、かといって【馴染みの世界】を捨ててしまう必要は全然なくて、そちらにも気軽に顔を出せるようになれれば、それが一番だと思う。どの辺でバランスがとれるのかは分からないし、以前は両立可能だとは全然思えなかったけど、これから塩梅を見ていけたらいいなと思っている。

そう考えると、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を観に行ったのは、まさに塩梅探りの一つだといえる。過去の自分だったら観てないだろうな。ほとんどゲームを知らないから「ファンだから分かる小ネタ」みたいなのには全然気付けてないと思うけど、それでも十分すごいなーと感心しながら観ることができた。批評家と一般鑑賞者とで評価が二分したらしいことだけは何となく耳にしていて、その辺も納得の一本だった。ゲームの世界に近いせいなのか、最近の映画の流れなのか、スピード感が今どきだなと思った。私にはちょっと忙しなさすぎてやっぱり「馴染み」はしないんだけど、それでも「素敵だな、すごいな」と感じることは、別に問題なく両立するよね。

ちょっと逸れるけど、私はサブスクで初見の映画を観ることに抵抗があって、節約志向な性格も手伝って今まで結局契約したことがない。単純にサブスクで何本も観漁るほどの元気がないだけでもある。ただずっと感じてきたのは、私は映画配信会社にお金を払った上で観る映画を探したいのではなく、目の前の一本、この映画のためにお金を使いたいんだ、ということ。両者に違いはないといえばそれまでなんだけど、何か違う気がするんだよな。そこにこだわるのは、ただ価値観が古いだけなのかな。