見出し画像

カウントダウン「LEGEND GAME 2024」#61 メヒア編

エルネスト・メヒア

内野手 右投げ・右打ち 1985年12月2日生まれ
ライオンズ在籍:2014途中~21年途中
通算成績:738試合 2323打数 562安打 打率.242 142本塁打 406打点
背番号:99(14途中~21年途中)
当日所属:TEAM LIONS

ベネズエラの東部に位置するポルトゥゲサ州出身。畜産と農業が中心の州都グアナレで、子ども時代はバスケットボールや水泳もやっていた。高校入学後、野球一本に絞ると、02年7月、17歳のときにアトランタ・ブレーブスと契約。05年ブレーブス傘下のフロリダ州のルーキーリーグのチームから、キャリアをスタートする。

以来10年に渡ってマイナーリーグでプレー。MLB昇格こそならなかったが、13年からは3Aグウィネット・ブレーブスで、2年連続20本塁打、80打点以上をマーク。ベネズエラ・ウィンターリーグでは、09年、12年の2度、MVPに輝き、国内では「ペプシ・コーラ」のテレビCMに出演したことのある有名選手だった。

伊原春樹監督が2度目の就任となった14年、ライオンズは開幕15試合を終えた時点で、4勝11敗と大きく負け越す。中村剛也が背中の張りで出遅れ、新外国人ランサムの不振など、チーム打率.203、ホームランはわずかに5本。1試合平均2.67得点と、最下位に沈む最大の原因が、打撃不振であることは明白だった。

フロントが緊急補強に着手するなか、このシーズンも3Aグウィネットで20試合7本塁打、打率.354と好調だったメヒアの獲得が決定する。のちに明らかになったのだが、前年オフには阪神タイガースの候補リストに名前があがっていたが、三振の多さがネックになって、獲得が見送られていた。

来日直後の5月13日、就労ビザの兼ね合いもあって、2軍のJR北海道との練習試合に出場すると、第1打席で特大アーチ。いきなり4打数3安打2打点と、実力の片鱗をうかがわせる。

すると2日後に1軍昇格、即6番指名打者で先発出場すると、北海道日本ハムファイターズの上沢直之から、やはり第1打席で札幌ドームのレフトスタンドにホームラン。ライオンズの選手では3人目となる初打席初本塁打となった。この試合から12試合連続安打、打率4割超えと、まさにチームの救世主となる。

このシーズン106試合に出場して34本塁打、中村剛也とホームランキングを分け合った。ライオンズの外国人選手で最多本塁打のタイトルを獲得したのは、オレステス・デストラーデ、アレックス・カブレラに続いて、3人目。シーズン途中入団した選手の本塁打王は、NPB史上初めてのことだった。

その頼りになるバッティングに加えて、球場まで西武線を利用して“通勤”する親しみやすさ、お立ち台での「メヒア様さまやぁー」の決め台詞で、ライオンズファンの心をつかむ。

15年9月27日、森本稀哲の引退試合の8回裏。リードするライオンズ最後の攻撃になることが濃厚のなか、1死1塁から三塁ゴロを打ってしまう。が、自分のふたりあとに控える森本まで打順をまわすため、併殺だけは免れようと、普段は絶対にしない一塁への全力疾走。そんな仲間想いの一面も持っていた。

来日最初の3年間で通算96本塁打するのだが、4年目の17年から大幅にペースダウン。左手首の手術や、山川穂高、森友哉らの成長が重なり、代打での出場が増えていく。そんななか存在感を発揮したのが、東北楽天ゴールデンイーグルスのリリーフエース松井裕樹との対戦だった。

特に19年はリーグ連覇を果たすチームにあって、4月10日の9回裏に代打で追撃の一発、5月4日は9回裏に代打同点2ラン、9月20日には9回裏に代打サヨナラ2ランと、5度対戦して4打数3安打3本塁打1四球と完全攻略。この年の松井は68試合に投げて38セーブ、防御率1.94と見事な成績で、被本塁打は5本しかなかったのに、そのうち3本がメヒア相手だったのだから、その「松井キラー」っぷりは、際立っていた。

ライオンズでのプレーが8年目を迎えていた21年、前年から続く新型コロナの影響により、家族が日本に入国できないなど、不安な日常が続いていた。東京五輪でシーズンが一時中断するなか、ベネズエラに帰国していたメヒアから退団の申し入れがあり、球団はこれを了承する。

ペナントレース再開初戦となった8月13日の試合前、メットライフドーム(現ベルーナドーム)のLビジョンに、メヒアからのお別れのメッセージが上映されたものの、ファンを前にした退団のセレモニーなどを行うタイミングはなかった。それだけに、今回「LEGEND GAME 2024」の参加が発表されたときには、大きな反響があった。

もうひとりのホームランキング、カブレラがいないのは残念だが、デストラーデの「Boom!」と、メヒアの「メヒア様さまやぁ」が並び立つ姿を想像するだけで、ワクワクしてくる。

メヒア 年度別成績

主なタイトルなど
 ・本塁打王(14年)
 ・ベストナイン(14年)
 ・オールスター出場(16年)

「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」
3月16日(土)12:00開場/14:00試合開始
会場:ベルーナドーム
配信:パーソル パ・リーグTV
放送:BS朝日(翌日録画放送)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?