【西武ライオンズ 今日の見どころ プレシーズン編】移籍の陽川「切り札」襲名なるか
●昨季は4割 代打のほうが通算打率が高い陽川
このオフに初めて開催された「現役ドラフト」により、ライオンズからは埼玉出身の横手投げ投手・松岡洸希がファイターズへ移籍。内外野を守れる右打ちの陽川尚将がタイガースから加入した。
今回の「現役ドラフト」で所属球団が変わった12選手のなかで、陽川は最年長の31歳。昨シーズンのチーム防御率(2.75)がリーグ最良だった一方で、チーム打率がリーグワースト(.229)だったチーム事情から、未知数の原石より、相応の実績ある打者を必要とした編成方針がうかがえる。
タイガース時代、陽川が最も多くの試合に出場したのが2018年の75試合。相手先発が左投手だったときや、代打での起用が多かった。
特に昨シーズンは24度起用された代打で、20打数8安打4四死球。出塁率で換算すれば、成功率5割と抜群の勝負強さを発揮した。驚くべきことに、プロ7年間通算で、代打での打率が.289と、自身の通算打率.227を大きく上回っているのだ。
●代打起用数がリーグ最少だったライオンズ
昨シーズンのライオンズは、代打の打率はホークスと並びリーグトップタイだったが、起用回数は最少。「ここは代打か」といった勝負所を迎えても、ベンチに残っているメンバーを見渡すと、適した人材がみつからないシーンが度々あった。
というのも、昨シーズン代打で出場した選手が打った20安打のうち、半分以上の11本が、栗山巧と中村剛也の両ベテランによるもの。栗山がDH、中村がサードといったように、このふたりがスタメン起用された試合だと、途端に代打の層が薄くなっていた。
特に右打ちの代打に関しては、本来は先発で出場して欲しかったメヒアが代打にまわったケースがあったくらい。このところ「切り札」と呼べるような人材に事欠いている。
もちろん陽川本人は心機一転、この機会に三塁か、外野の一角のレギュラー獲りを狙っているだろうが、右の代打の切り札は、ライオンズが欲しかったピースのひとつなのだ。
●メットライフドーム初陣で ホームランを含む4打点
ちなみに陽川は、初めてメットライフドーム(当時)でプレイした2018年の6月3日の交流戦で、同じ1991年生まれの平井克典から2ランを放つなど、4打数2安打4打点と大活躍している。
良い記憶があるベルーナドームで、チャンステーマが鳴り響くなか、嘉弥真新也やモイネロ(ホークス)、松井裕樹(イーグルス)といったリリーバーたちを打ち崩して、陽川がライオンズに勝利をもたらすことを期待したい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?