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カウントダウン「LEGEND GAME 2024」#36 大友進編

大友 進(おおとも・すすむ)

外野手 右投げ・左打ち 1974年6月18日生まれ
ライオンズ在籍:1996~2004年
通算成績:662試合 2005打数 528安打 打率.263  18本塁打  155打点  80盗塁
背番号:37(96~04年)

 
茨城県立日立工高では、双子の弟・猛(たけし)と一緒にプレー。投手兼外野手の進は、サイドハンドの技巧派タイプ。弟は上手投げ速球派投手で、公式戦で双子の兄弟リレーが実現したこともあった。

ちなみに、進がプロ入りしてからの話だが、水島新司の野球マンガ「あぶさん」に、兄弟がそろって登場。主人公の景浦安武が、兄の進と勘違いして、弟の猛と朝まで酒を呑み明かすストーリーがある。

少年時代から喘息に苦しみ、どこへ行くにも薬が手放せず。東京ガスに入社後も1ヶ月ほど入院したことがあった。それでも当時の監督に病院を紹介されたことで、あきらめずプロ入りを目指して野球に取り組み、95年秋にライオンズを逆指名。ドラフト2位で入団する。

東尾修監督の就任2年目だった96年、チームが早々と優勝争いから脱落したなか、オールスター明けから、若手の積極的な起用が始まる。

7月28日の千葉ロッテマリーンズ戦、ルーキー大友を初めて1番スタメンに抜擢。2番に高卒3年目の松井稼頭央を、3番は大卒新人の髙木大成と、フレッシュな上位打線を組む。すると、前日まで33勝45敗3分だったチームは、この日を境に残り試合を29勝19敗1分と巻き返す。この平均年齢21.3歳の1~3番トリオは、新生東尾ライオンズの象徴となった。

なかでも1番センターに定着した大友は、8月6日オリックスブルーウェーブ戦からパ・リーグの新人最長記録となる15試合連続安打するなど、打席数は少なかったが、打率.301をマーク。翌年にはシーズン規定打席に到達して31盗塁。98年からは2年連続ゴールデングラブ受賞と、リーグを代表する外野手へと成長していく。

99年、西武ドームで開催されたオールスター第1戦。監督推薦で初出場した大友は、6回裏にまわってきた初打席で、セ・リーグ2番手の川村丈夫からセンター右へフェンス直撃の当たり。打球が転々とする間に、オールドスタイルにストッキングをたくし上げた快足を飛ばして、一挙ホームイン。オールスター史上初となる初打席ランニング本塁打で、本拠地のライオンズファンを喜ばせた。

順調だったプロ生活が一転するのは、00年8月7日ブルーウェーブ戦でのこと。谷佳知のライナー性の打球に向かってダイビングするが、及ばず。身体をグリーンスタジアム神戸の地面に強く打ちつけた結果、右肩腱板損傷の重傷を負ってしまう。

残りシーズンを棒に振り、オフには手術。翌年の5月には1軍復帰したものの、打率は1割台。35試合の出場にとどまった。

完全復活を期した02年は、3月17日のオープン戦で3打席連続本塁打するなど、猛アピール。伊原春樹新監督のもと、2年ぶりの開幕スタメンに返り咲いたのだが、本来のプレーは取り戻せず。赤田将吾の成長、宮地克彦のブレイクなどもあり、試合出場から遠ざかっていく。

04年に、プロ9年目にして初めて1軍出場のないままシーズンを終えると、オフに中日ドラゴンズとの2対2の交換トレードが成立する。だが、新天地でも18試合の出場にとどまると、10年間の現役生活に幕を下ろした。

一時期、野球を離れゴルフ界に転じたこともあったが、テレビ埼玉のライオンズ戦中継の解説や、ライオンズジュニアのコーチも担当。現在は21年12月に新たに誕生した社会人チームの「Nbuy(エヌバイ)」硬式野球部の初代監督として、都市対抗野球大会の出場を目指している。

大友 進 年度別成績

主なタイトルなど
 ゴールデングラブ賞 2回(98、99年)
 オールスター出場(99年)

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