見出し画像

カウントダウン「LEGEND GAME 2024」#44 石井義人編

石井 義人(いしい・よしひと)

内野手 右投げ・左打ち 1978年7月12日生まれ
ライオンズ在籍:2003~11年
通算成績:939試合 2224打数 645安打 打率.290   30本塁打   212打点
背番号:32(03~07年)、5(08~11年)

当日所属:TEAM SEIBU

埼玉県川口市出身。浦和学院高に入学直後、1年生全員にフリー打撃の機会が与えられると、5本中3本が柵越え。春の関東大会からベンチに入った。3年間で甲子園に春夏あわせて3度出場。昨年7月に早世した三浦貴が同級生で当時のエース。のちに2人は、ライオンズで2年間一緒にプレーすることになる。

その勝負強さとバットコントロールは高校生離れしており、高3のときに日本高校選抜の一員として参加した世界四地域親善大会では、シアトル・マリナーズのスカウトに注目され、具体的な条件提示までされた逸話が残っている。

96年ドラフト4位で横浜ベイスターズに入団。高卒1年目から1軍で10試合に出場、プロ初安打も記録した。プロ4年目の00年にはシーズン打率.328、代打成功率.444と、その打撃センスの一端をのぞかせるが、右ヒザの大ケガで手術するなど故障が多く、1軍と2軍を往復するシーズンが続いていた。

ベイスターズで6年間を過ごすと、石井と細見和史、ライオンズの中嶋聡、富岡久貴を交換要員とする2対2のトレードが成立。地元埼玉に戻って、ライオンズでプレーすることになる。

移籍1年目は背筋痛や腰痛の影響で8試合の出場にとどまる。翌04年も右太ももの肉離れで出遅れたが、5月下旬に1軍合流すると、いきなり5試合連続安打。8月8日の近鉄バファローズ戦では、自身4年ぶり2本目の本塁打となる先制2ラン。58試合の出場ながら打率.304、出塁率は.429と、パ・リーグの水に慣れつつあることを感じさせた。

その才能が存分に発揮されたのが05年。キャンプ、オープン戦を無傷で過ごして、6番セカンドで初めての開幕スタメン。9回裏にサヨナラ勝ちのキッカケとなるレフト前ヒットを打つなど4打数2安打でスタートすると、途切れることなくヒットを量産。

5月は月間.395の高打率、24試合で出塁がなかったのは3試合だけ。出塁率は.480で、月間MVPを初受賞。この年から始まった交流戦では110打数44安打の打率.400で、初代首位打者に輝いた。ニックネーム「ジャッキー」の由来となった、車を持ち上げる「ジャッキ」に似た形に、両足をO脚風に広げる打撃スタンスと、赤いバッティンググラブが特徴で、左投手をまるで苦にすせず、反対方向に弾き返すバッティングは芸術的ですらあった。

このシーズン、プロ9年目で初めて規定打席に到達。シーズンラスト5試合で、和田一浩に逆転されて首位打者は逃したものの、打率.312でリーグ4位にランクインした。

08年からは和田のFA移籍で空いた「背番号5」を着け、7月12日のオリックスバファローズ戦では、延長10回表に代打で決勝ホームラン。自身30歳の誕生日をみずから祝うバースデーアーチを放つ。北海道日本ハムファイターズとのクライマックスシリーズ(CS)では、高校時代に慣れ親しんだ大宮公園野球場での第1戦で3安打するなど、5試合で15打数8安打4打点と大活躍。チームの日本シリーズ進出に貢献した。

中島裕之、片岡易之、中村剛也が成長してからは、ファーストにも初挑戦。3割前後の打率を残していたが、11年は12試合の出場にとどまり、9年間プレーしたライオンズを戦力外になるが、「まだやれる自信があったし、実際2軍では結果(打率.318)を出した」とトライアウトに参加して、読売ジャイアンツ入りをつかみ取る。

すると12年シーズンは、代打で37打数15安打、成功率.405で13打点。巨人版「代打の神様」と呼ばれるほどのバッティングで、リーグ優勝の一翼を担う。

中日ドラゴンズとのCSファイナルステージ第5戦では、2対2の同点で迎えた9回裏、1死満塁のチャンスに代打を告げられると、期待通りにレフト前へサヨナラタイムリー。ライオンズ時代に続いて、短期決戦での強さを発揮。このシリーズのMVPに輝いた。

ジャイアンツで3年間プレーして、14年限りで現役を引退。翌年からは発足したばかりのBCリーグ新球団「武蔵ヒートベアーズ」の打撃コーチを務めていた。

22年からは、埼玉県越谷市で野球教室を開講して、みずからレッスンを行っている。

石井義人 年度別成績

主なタイトルなど
 クライマックスシリーズMVP(12年)
 オールスター出場(05年)

「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」
3月16日(土)12:00開場/14:00試合開始
会場:ベルーナドーム
配信:パーソル パ・リーグTV
放送:BS朝日(翌日録画放送)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?