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なんでおんねん。


最近は、note執筆もずいぶんと習慣になってきた。空き時間、電車に乗っている時、帰り道。いろんなところで、「noteなに書こうかな。」なんて黙々と考えている。

劇場の楽屋で喋る人がいなくてひとり佇んでいる時も、同じように「noteなに書こうかな。」黙々と考えている。僕は考え事をしている時、無意識に、”喋りかけてくんなオーラ”を強めに発動させているらしく、後輩が僕と一定の距離以上近付いてきてくれることはない。もしいつか、誰かがその無意識に発動する覇気をくぐり抜けて話しかけてきてくれたら、

【奇跡】後輩が話しかけてきてくれた。

なんてタイトルのnoteが上がるかと。お楽しみに。

さて、僕はネタ作りやnoteの執筆など、かっこよく言うと「書き物」なんてジャンルの仕事が多い。僕が「書き物」をするときに自宅で作業をすることはほとんどなく、もっぱら喫茶店やカフェにこもる。そうした生活が長く続くと、自宅の近く、いつものスタジオ近く、よく行く劇場の近く、各所に「ここへ行くときはあそこ。」な喫茶店ができてくる。これまたかっこよく言うと「行きつけ」ができてくるわけだ。そして毎回僕は、「お決まり」の席で、「いつもの」注文をして作業を始めるのだ。

「行きつけ」の店の、「お決まり」の席で、「いつもの」珈琲を飲みながら、「書き物」をするのだ。そう。自分に酔っている。調子に乗っている。でも、いいではないか。自分に酔うことで。調子に乗ることで。それが推進力となり仕事が捗るなら儲けもん。表記をコーヒーではなく、珈琲にしたのも、この響きに華を添えるためだ。自分をご機嫌にして、働かせる。最近よく聞く自己肯定感ってこういうことか?いや、きっと違う。最近逆に聞かなくなった意識高い系ってこういうことか?きっとそう。

今日のスケジュールは、いつものスタジオで撮影。僕は「書き物」をするべく、入りの3時間前に駅に着いた。いつものカフェに入り、珈琲を片手に慣れた足取りで席へ向かうと、その時なにかが光った気がした。




近付いてよく見ると、光っていたのは前歯だった。


なんでおんねん!!
聞いてた!?今の話!!!なあ!
俺は今ええ感じやねん!
ひとりの世界に浸って、珈琲を一口飲んでから、誰に聞かせるでもない小さい声で「よしっ。」言うて気持ちよ〜仕事始めたいねん!!カフェにおんのにAirpodsで耳塞いでノイキャンにして別のカフェBGM流して、よりひとりの世界に浸りたいねん!!

僕は誰に聞かせるでもない小さな声で

「なんでおんねん。」

とつぶやいた。


彼は3秒ほど僕と目が合って、
なにもなかったかのように作業に戻った。



なんでやねん!!!
ひとつも意味わからんわ!!!
挨拶という日本人が持ちし、いとおかしな文化ぁあ!!

あいさつ【挨拶】
《名・ス自》
1.人と会ったとき取りかわす儀礼的な動作・言葉。
2.儀式・就任・離任などの時、祝意・謝意・親愛の意などを述べる言葉。

人と会ったとき取りかわす儀礼的な動作・言葉ぁああ!




彼は、仕事熱心な男だ。同期の休日としての活動を打診してくれたのも、もっと言えばそのキッカケとなる4人でのネタ見せ会を提案してくれたのも、彼だ。彼がいなければ今の自分はないと断言できる。そして彼は多忙だ。コンビのネタ作りに加えて、動画編集など、あげればキリがない。それでも嫌な顔ひとつせず、その仕事ひとつひとつに真摯に向き合い、僕たちを引っ張ってくれている。そんな彼には、もちろん感謝しかない。

そんな大切な仲間が、毎日のように会っている友が、喫茶店でたまたま出くわしたくらいで、作業中に挨拶しなかったくらいで、僕はなにを憤慨しているのだろう。いかんいかん。己の浅はかさを反省した。

気を取り直し、冷静になった僕は、邪魔をしてはいけないと、彼から少し離れた席で作業をすることに決め、改めて席を探すことにした。
その時。さらになにか光った気がした。


近付いてよく見てみると、飲み物が入ったビンだった。
、、、、、ビン?
喫茶店で、、、ビン?


ガラナぁぁああ!?!?!?
なにそれぇ!?
コアップ・ガラナぁ!?!?!?
知らん飲みもん!

なんか最近会議で喫茶店入ったときも
めっちゃ頼んどんなあ!
ガラナぁ!?!?ほんまになんやねんそれ!
「アイスコーヒー3つと、ガラナで。」
やあれへんねん!
スキマスイッチでしか聞いたことない言葉ぁ!!!


ガラナ飲料(ガラナいんりょう、ブラジルポルトガル語: Guaraná)
ガラナの実を利用した炭酸飲料である。

説明見てもわからんやんけ!!!!
ガラナの実ぃ!?!?!なんそれ!



見てもわからんやんけ!!!!



味は人により表現は異なるが、コーラよりドクターペッパーに似た少し薬のような味とも、ジンジャーエール(ショウガ飲料)に似た後味とも言われる。なお、ガラナの実自体はあまり味はなく、やや苦味がある程度である。

だから見てもわからんやんけ!
味は人により表現異なんのかい!
どんな飲みもんやねん!


あと地味にコアップもなにー!!!??




その時、ガラナをゆっくりと一口飲み、彼が口を開いた。



「隣座る?」







座るよ!!!!!!!!!



「いつもの」珈琲は、
いつもより少し苦かった。





翌週、彼とまた喫茶店で出くわした。
カフェラテを飲んでいた。







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