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最近Twitterで見かける「公明党は潰していい」って、いったい“誰”の言葉ですか?

こんばんは、師子若丸です。
いよいよ参議院選挙が公示を迎えましたね。

長めの投稿が続いていたので、少しライトなものを。

「公明党は潰していい」

最近Twitterでよく見かける「言葉」があります。それがコレです。
この方以外にも、何人か引用して使っている人がいますが。

Yu.さんのツイート

いつものごとく、アンチの間でぷちバズりしているようですが、なんか気になりますよね。こんな池田先生(創価学会の第3代会長)の指導あったかなぁと。

リプ欄を見ると、何人かの学会員さんも同じ違和感を抱いたらしく「出典はどこですか?」と聞いていますが、発信者のYu.さんは「野原さんの2019年の街宣を検索してください。 ちなみに、私は元創価学会員です。」との謎回答。答えになっていない、ですよね。

「野原さん」というのは、2019年の参院選東京選挙区で、れいわ新選組から出馬した「野原善正」氏のこと。
この人物は、落選したあと、2020年7月にれいわ新選組から離党2020年9月に創価学会からも除名されたことを自身のTwitterで明かしている。

野原善正(@victory51565059)

今は「今回の参院選に、私を公認候補として採用してくれる政党を捜しています」などと、募集をかけている。たぶんチヤホヤされれば政党なんてどこでもいいんだろうな。

うーん、すでに全然信用できないんですが笑、少しググるとYu.さんが「出典」にしていると思われるニュースがでてくる。多分これでしょう。

引用元:「今の公明党なら潰すのが池田名誉会長の意志」山本太郎が選挙区を譲った男の本気度 参院選2019(Yahooニュース)


これって本当に先生の言葉なの?

ということで、調べてみましょう。

野原氏は「公明政治連盟を池田先生が立ち上げたとき」と言っている。

公明党のHPを見ると、公明政治連盟の結成は1961年(昭和36年)11月27日。これが後の「公明党」の前身となる団体です。
そして、第1回の公政連全国大会は1962年9月に行われたそうだ。

池田先生の「会長講演集」第8巻にこの時のスピーチが掲載されているので、ここを確認したいと思います。
興味ある方のために一応AmazonのURLを。

おそらくスピーチ全文を載せるのは、著作権の問題があるので、趣旨と必要箇所の引用にとどめます。

まず、このスピーチのなかで池田先生は、歴史的な「公政連の結成」を祝賀するとともに、「3つのこと」を強調される。

第一に「永久に、公政連は団結第一」

まず一つ目に、「生涯、永久に、公政連は団結第一でいっていただきたい」とのお願いのあと、池田先生はこのように言われている。

皆さん方が、一流の名士になり、派閥や、それから反目のあるようなことが、もしも、毛すじでもあったならば、即座にわが政治連盟は大衆の政治団体ではない、そういう資格はないとして、解散をすべきであるということを、私は本日第一回の大会において、言い残しておきたい。

会長講演集 第8巻(民衆とともに歩め/第1回公政連全国大会)

つまり、派閥をつくったり互いをいがみ合ったり、団結を乱すようことがあれば「解散」すべきであると訴えられている。
その通りだ。国民のために働く政治家が、国民の方を向かずに、自身の保身や野望のために派閥をつくり、党内で醜い争いをする姿なんて見たくない。そんなこと、他所でやってくれって思う。

第二に「政治家として、大衆に直結」

2つ目は特に重要だ。
「生涯、政治家として、そして指導者として、大衆に直結していってもらいたい」と強調されたあと、公明党の立党精神となる有名な一節が登場する。

えらくなったからといって、大衆と遊離したり、また大衆から離れ、孤立して、組織の上にあぐらをかいたり、そういう、いままでの政治家にはなっていただきたくないのであります。大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆のために戦い、大衆のなかにはいりきって、大衆のなかに死んでいく。(中略)全民衆のために、どうか、公政連の同志の皆さん方だけは、大衆のなかの政治家として一生を貫き通していただきたい。かく切望するものであります。

会長講演集 第8巻(民衆とともに歩め/第1回公政連全国大会)

文字を目で追うだけで、すごい迫力。
この魂、この精神を、公明党の政治家には強く求め続けていきたいし、そうであるからこそ、僕はこれからも公明党を胸を張って応援し続けられる。

第三に「自己を研さんし、大成長を」

最後に池田先生は「政治の面の勉強、あらゆる知識の吸収、または、いろいろな指導者と会っての勉強、さまざまな勉強をしきっていただきたい」と念願し、こう続けられる。

どこまでもどこまでも成長し、そして後輩を育てていく、後輩に道をゆずっていくといえる、そういう政治家であり、指導者になっていただきたいことを切望するものであります。

会長講演集 第8巻(民衆とともに歩め/第1回公政連全国大会)

「自分のために」生きる政治家は公明党にいて欲しくない。
国民のために学び、庶民のために成長し、後輩のために「道をつくり、譲っていく」。そういう本物のリーダー像を「政治家の資質」として示されているように思えてならない。

以上、大きく3つ。
これがスピーチの趣旨だ。

じゃあ一体、あの「公明党を潰せ」って言ったのは誰?

正直、スピーチの内容が凄すぎて忘れかけていましたが、本題に戻りたいと思います。

一体あの「公明党を潰せ」って誰の言葉なんでしょうか?

スピーチのどこにもその言葉は出てきません。この書籍の他の関連目次も確認しましたが、ありませんでした。

おそらくは、第一に示された「派閥をつくるようなことがあれば解散すべき」(趣旨)、第二に示された「大衆と遊離したり、組織にあぐらをかく政治家になるな」(趣旨)との別々の内容を、“意図的”に曲解し合体させた「手作り」の文章だろう。
強いて言うなら「野原善正氏」の個人的見解だ。

少し、整理してみました。

野原善正氏の“個人的見解”

全然ちがうじゃん。喋り言葉だから、一言一句正しくあるべき、とは思わないですけど、ここまでいくともう“デマ”の類ですよ、これ。

これからはこの言葉を引用する場合はちゃんと「by 野原善正氏」と明記した方がよいでしょう。

出典も確かめずに「これが池田会長の言葉」「これが池田先生の意思」なんて発信すると、恥をかくだけだと思います。おすすめしません。


結論も出たし、もう24時を回ってしまったので、最後に僕の個人的見解を記して終わります。

誰かにチヤホヤされたいだけの野原氏の言葉”になびいて、引用の基本である“出典の明記を忘れた”ときには、そして間違えて“無関係の他団体を攻撃してしまったとき”には、その時には“そのツイートは削除したほうがいいですよ”。
と、思います。


いつもながら、ここまで読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございます。僕は、結成時のスピーチ読んだらめっちゃ勇気わきました。

体に気をつけて頑張りましょう。
おやすみなさい。

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