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『浅草ルンタッタ』を読んで

実に面白い。
半日で読み終えてしまった。
途中で本を閉じるのがためらわれた。

物語りは浅草の置屋を舞台とする。
ある日、その置屋の前に赤ん坊が捨てられていた。その置屋に身を置いている千代という女が周りの反対を押し切って、その赤子を育てることになる。
お雪と名付けられた、その赤子が本書の主人公である。

お雪を中心に繰り広げられる物語の筋が実に小気味いい。
ある日起きた人殺し事件をきっかけに母子は離れ離れになってしまうが、お雪は、育ての母、千夜に会いたい一心で、不遇に見舞われた人生を力強く生きる。

関東大震災の大惨事を切り抜けながら、一生懸命にその苦労を跳ね除けて生きる庶民の群像劇に誰もが惹きいられる物語。

読後は、哀しくもありながら、爽快感を感じること間違いない。

#読書の秋2022
#浅草ルンタッタ

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