見出し画像

人類進化の代償

現世人類が他の動物と違うのは

●(踵を着いて)二足で歩くこと

●言語によるコミュニケーションを取ること

この2つがまさに人類進化の大きな鍵であったことは間違いない。

二足歩行により前足は物や道具を作る「手」となり、様々な技術を生み出した。

言語によるコミュニケーションはやがて文明を開花させ、更には「口呼吸」と言う他の動物に出来ない新たな機能を生み出した。

私が皆さんに一番伝えたいこと。
それは、「人類以外の動物は一生涯に渡り踵を地面に着けて歩かないし、口で呼吸をしない。」と言うことです。

我々現世人類「健康の鍵」はここにある。

外国人はどうだか分かりませんが、私の周りも含め日本人は肩こり腰痛持ちの人が多いように思います。

私は履き物の変化がひとつのきっかけになったと考えます。日本では戦後特に日本式の下駄履きから西洋式の靴へと履き物が変化して行きました。しかし、今でも日本人は「靴箱」と呼ばず、「下駄箱」と呼びます。それくらい長く定着した文化であったと言うことです。

これはファッション的変化だけではなく、日本人の重心、体幹、体温、更には健康に重大な変化をもたらすことになっていきます

私は30歳くらいの時、地元の友人たちと共に大道塾と言う空手の同好会に入門しました。

普段の練習は基本と約束組手中心でいわゆる「型」などはほとんど教わらなかったのですが、唯一三戦立ち(さんちんだち)だけは教わりました。

「もっとん、踵を半紙一枚分浮かすんだ。」

師匠はいつも私にそう言いました。前、左右、三方からの攻撃に地面に踵を付けてどっしり立つのではなく、踵を半紙一枚分浮かして立つことで相手の攻撃を防御する。

20年も前の記憶。これが私にとって健康の大きなヒントになることとなります。

下駄履き中心だった頃の日本人は前方に重心を傾けることで、倒れる力を上手く利用し、今よりも小俣で歩いていました。

足の裏の部位で言うと指の付け根、空手で言う「中足」の部分を中心に地面へ着地し、足の指の延びる力と人間最大のバネである「アキレス腱」を利用して身体を前方へ推進していたのです。

実際に自分の足を見てもらうとよく分かると思いますが、中足の辺りは正面から見ると足の甲を頂点に弧を描いています。部位そのものがバネになっているのです。一方で踵には肉厚のみでバネの機能が有りません。

また、内側側面から見たときは土踏まずを中心に中足から踵にかけて弧を描いています。これもまたバネで、素早く走るときや大きくジャンプする時などに役立ちます。

これらの機能を完全に押さえた発想で作られた日本の下駄や草鞋はシンプルながら、色々な意味で高機能高性能だったのかも知れません。

私は4年程前から下駄履きだった頃の日本人の歩き方を研究し、実生活では靴を履いた状態でその頃の日本人の歩き方を現代風にアレンジし実践しています。

実際的には私が考案した踵を半紙一枚分地面から浮かせて歩く「中足歩」と言う歩き方です。人に言えば笑われ、しかも私自身も慣れるまで大分時間がかかりました(笑)

今では靴の踵部分はほとんどすり減ることがありません。
・・が、先に中足辺りがツルツルになります。靴の経済性だけを考えると全体でまんべんなく歩くのが良いのでしょうか(笑)

以降は、私が立てた健康面での仮説と理由、実際の効果の予測を実践経験を元に伝えて行きたいと思います。

昭和20年当時の日本人の平均体温は36.9度でした。世界的に見れば37度と言うのが標準的体温だとされています。

現在の日本人は著しい低体温化傾向で35度台の人も随分多いようです。そのせいで主だった病気の種類も戦前の結核などから癌へと変わっています。原因は明らかに低酸素、低体温です。

低酸素、低体温の原因は戦後における食の変化が大きいと思われますが、次回は日本人の歩き方の変化と言う観点から考察していきたいと思います。

元々皮膚や腸の細胞は外界と直接的に接する臓器であるため、細胞分裂が最も活発なところです。

足の裏は特にそうで大地と直接接し、体重を受け止める重要な部位です。その他の皮膚と同様に足の裏の皮膚も地面と体重に圧迫されることで一酸化窒素を産生します。

そして、一酸化窒素が血管を拡張させることで血流を促し細胞分裂を活発化します。裸足で歩くと足の裏の皮がどんどん分厚くなるのはこれが理由です。

細胞分裂をするためにはアミノ酸からたんぱく質を合成しなくてはなりません。これを行うのは細胞内小器官ミトコンドリアです。

ミトコンドリアは60兆個のヒト細胞ひとつひとつに数百から数千存在しています。水素や酸素、乳酸などをエネルギーとして、たんぱく質を合成すると同時にATPというエネルギーを産生します。

簡単に言えば、この時に起こる酸化発電熱の集大成みたいなものが人間の体温と言うことです。

現代日本人のほとんどは踵にクッションが付いた西洋式の靴を履き、踵から着地しながら歩行しています。

このことで足先への刺激や荷重圧迫が減少し、本来起こるべき機能である足先の細胞分裂があまり行われなくなりました。しかも、足の表面全体が靴で守られているので余計ですね。前足としての役割を失った手は大地に接すること自体が皆無になったためそれ以上です。

細胞分裂が行われ無いと言うことは血液(酸素)も必要ない。と言うことなので必然的に毛細血管は減少していきます。すると酸素を必要とするミトコンドリアは酸欠状態となり活動を制限されます。これが足先の冷えの原因となっていくのです。

人間の体内温度は37度~38度で、足先の温度は普通の人が26~28度、冷え性の人は15~16度と言われています。

一般的成人男性の血液量は4~5リットル、これが身体中を1分間に約一周します。ここで重要なのは最初38度だった血液も足先で一周毎に冷却されて戻ってくると言うことです。

足先が車で言うところのラジエーターみたいなことになっているのです。冷却された血液は毛細血管の約60%を占める小腸や付近の腰などを冷やします。

手先も同様で冷やされた血液は肩から肺など上半身の臓器を冷やします。

腸内温度が1度下がると免疫力は30%下がる。これが「冷えは万病の元」と言われる所以です。

「冷えは万病の元」

昔からよく聞く言葉ですが、正にこれが本質の部分です。

冷え=低血流=低酸素=低体温=低免疫力

順番はともかく、こう言う感じでしょうか。

実際に病気や怪我は必ず血流の悪い部位に起こっているのです。

随分説明が長くなりましたが、要は最初に問題提議した腰痛や肩凝りの原因は二足歩行の弊害、代償であり、足先、手先の冷えが原因だと言うことです。もっと言うと低血流、低酸素、ミトコンドリアの酸欠だと言うことです。

その部位をマッサージしたり、温めたりするのも大切ですが、少しでも足先、手先が自ら体温を作れるようにしなければ完治根治はありません。

体温を作る方法として、日々の生活で私の提唱する「中足歩」を採用するかしないかは個人の判断ですし、他にも方法があるかも知れません。

次回からは口呼吸鼻呼吸の話についてして行こうと思います。

世界中全ての人々が「健康的で有意義な人生」を達成出来るよう乳酸菌の研究開発と独自の健康法を追究しています。サポートは研究開発費として活用させていただきます。