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この春からのこと

 あっという間に6月も終盤ですが、今年の春からのことについて、棚卸しの意味も込めてまとめていきます。

ケースワーカーとして

 4月から、某地方自治体でケースワーカーをやっています。福祉職採用なので、採用通知が届いた去年の6月から「配属は生保だろうな〜」と思っていました。当たり。
採用前の説明会で知り合いになった福祉職の同期が児童相談所に配属されていたのを知って、部署が分かれてしまったことと、なんとなく生保より児相の方が人材としての期待値が高い人が行きそうだな〜とか考えて、ちょっと凹んだりもしましたが、自分の部署の同期や先輩ともすぐに打ち解けることができて、凹な気持ちは徐々に収まっていきました。

 職場の雰囲気はかなりアットホームで、初期の段階から気持ちに余裕を持って職場に通うことができました。学生時代に社会福祉士実習・精神保健福祉士実習で2度、自治体で実習をした経験がかなり活きているなと感じます。初っ端から、緊張感も何も感じませんでした。社会人舐めてんな〜

 同じ部署で一緒にケースワーカーをやっている新採の同期は、全員事務職です。彼らは、都市計画とか、DX推進とか、なんかそういうキラキラした部署へ配属されることを夢見て入庁式を迎えたと思うのですが、そこで突然生保配属が言い渡されて、「受け入れらね〜」的な反応やら、抵抗やら、最初の何日か職場に来れなかった子もいました。そりゃーそうだよね。

最初の1週間

 自治体にもよると思うのですが、研修期間などというものはゼロで、入庁してすぐ、ほれ電話とれ〜事務やれ〜で、毎日あっという間に時間が過ぎ去っていく。充実感で満ちていて、毎日新しいことを覚えて達成感を感じられるのが新鮮でした。とはいえ、さすがに週の終盤には疲労も蓄積してきて、夜は21時過ぎには泥のように眠っていました。
 生保の部署って、めまいを起こしそうなくらい常に慌ただしい雰囲気で、事務所で行き交う言葉は専門用語が多すぎて呪文に聞こえるし、電話を取り継ごうにも同僚の顔と名前が一致しないし、先輩にいちいち聞いて、そのたびに先輩の作業の手を止めさせてしまって、「悪いな〜」という気持ちが蓄積していきました。

もうすぐ3ヶ月

 生保の仕事は、明確な保護基準と規則的なスケジュールに則ってお金を支給していくことが仕事の主要な柱のうちの一つです。だから、いくらでも機械的に仕事ができるし、じっさい人の生活なんてものは生々しい場面の連続だから、心を無にして感情を捨てて事務的に仕事をしていく場面というのはいくらでもあります。
 この仕事をしていく中で、たとえば人の死とか、そんなものはごくありふれたものになってくるのですが、こういった、ある意味特殊な環境の中で毎日を過ごしているからか、生き物の命とか、生死に対する繊細な感覚がどんどん鈍っていくような感覚があるのが、とても怖い。
 幼い頃の私は、とても命を尊ぶ存在でした。ちいさな虫でさえも殺すことをためらい、傷つけられた命に深く共感し、痛みを分かち合おうとする存在でした。そんな自分のことを誇りに思っていました。だけど今、その誇りがぐにゃりとゆがめられている感覚があります。他でもない自分が、私自身が、自分の心を捻じ曲げているような感覚です。そうでもしないとこの先、職業人としての自分を守れないからです。
 だけど、時々思い出します。ひとつひとつの命の輝きに、もう一度気付こうと努めます。ケースワーカーというのは相手がいる職業ですが、相手の今の姿だけではなく、過去と未来とを自由に行き来して、その人の未知なる可能性に気づけるように努めます。こういうことを考えているとき、福祉の仕事はけっこうクリエイティブだよなと思ったりします。
 今の自分には、未知なる可能性に気づくなんて技量はない。実際、仕事をしていると、人と向き合う時間よりも、液晶画面や紙と向き合う時間の方が圧倒的に長い。やりたいと思っていることのうち、10%も実現出来ている気がしない。これは、私がまだ新採だからかもしれない。これからに期待。

仕事と人生

 私は「仕事なんかに人生の貴重な時間をぶん取られてたまるかよ!」と思っている節があるので、私にとって平日の定時までは暇つぶしで、定時後からが本番なのです。ということで、スマホいじりはほどほどに、平日夜は趣味のピアノ演奏や読書に充てたり、ゆっくりお風呂に入ったり、プロ野球をぼーっと見たり、本を読んだり、DTMで遊んだりして過ごしています。ちょうど最近iMacを買って、こいつをいじっているだけで時間が溶けていく。無敵状態なのです。ピンクのカラーリングがかわいいな。

これからのこと

 10年後のこととか、10年前の自分から見て今の自分はどう見えるかを考えるのが好きで、電車の中とか、お風呂の中とかでたまにやっています。
10年前の自分が想像していた今の姿って、いい意味でも悪い意味でもそうなのですが、全然想像通りになっていなくて、それに気づく度に「人生おもしろいな〜」と思っています。
 10年前の自分を裏切る自分でありたいと思います。死ぬ時に、後悔したくない。特にこれからの10年は、人生で一番やりたいことをできる時期のような気がしています。だから、今年は自分の相棒(クロスバイク)と一緒にしまなみ海道に行くし、遠く離れた疎遠な友達には自分から連絡を取るし、見たい映画は見るし、やりたい勉強も思いっきりやるし、大切な人にはストレートに気持ちを届け続けていく🫰








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