不自然を自覚する

最近、動物園や水族館が苦手になってきた。猫カフェとか、動物名のつく○○カフェの類も苦手である。あの空間は人間のエゴの塊だ。生き物たちのことは大好きだ。だからこそ彼らが人間に操られている様子を見るのが苦痛で仕方ない。

狭い飼育スペースに閉じ込められ、人間にとって都合の良いようにトレーニングされ、自分の意思とは無関係に人々の目に晒される。「ここから出して」「自然に戻して」と、悲痛な叫びが聞こえてくるような気がしてならない。だから苦手だ。

もちろん、生き物の保全という意味で動物園・水族館が果たす役割が大きいから、その存在の価値を否定するつもりはない。

とか言っちゃって。小さい頃はこんな小賢しいことなんて考えずに、非日常の空間をただ素直に楽しめていたと思う。大人になるにつれて、今まで楽しめていたアレコレが確実に楽しめなくなっている。鮮やかな色彩を放っていたと思い込んでいたものは、実はモノクロだったと気づき絶望する。ただ、せめて不自然であることを自覚したい。動物たちの本当の居場所はどこか。自然に対する畏敬の念とともに、彼らの本来の姿を想像するのが、大人の楽しみ方であろうか。

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