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今週の新着論文(2021.10.11~10.15)

今週ピックアップした論文はご覧の通りです。
気になる論文があればちょっと見ていってください。

◆2021年 10月 15日 【小児】
【SR&メタ解析】グルテンフリー、カゼインフリーダイエットが常同行動を減らし、ASDの子供たちの認知を改善できる

◆2021年 10月 14日 【腸機能】
【SR】VD3によるマイクロバイオーム組成の変化は、特に Firmicutes 属、Actinobacteria 属、Bacteroidetes 属の有意な変化と関連

◆2021年 10月 13日 【メタボリックシンドローム】
【横断研究】血清25(OH)D3値は糖尿病の有病率と逆相関

◆2021年 10月 12日 【妊娠・産後】
妊娠中の母親のNNS摂取は、出生から10代までの小児期のBMIzスコアと体脂肪の増加に関連

◆2021年 10月 11日 【小児】
【RCT】ミルク由来オリゴ糖(MOS)を含む乳児用調製粉乳は、腸の免疫応答を改善


今日はこのなかから10月12日にアップした論文について簡単にご紹介いたします。

◆概要◆
妊娠中の非栄養性甘味料(NNS)摂取量が、子供のBMI z-scoreおよび体脂肪とどの程度関連するかを、出産前の前向きコホートであるProject Vivaから合計1683人の子どもを募集し縦断的に調べた。
妊娠第1期および第2期における母親のNNS摂取量を評価した結果、母親のNNS摂取量と子供のBMI z-scoreとの関連は、3歳から18歳まで年齢が上がるにつれて強くなった(交互作用p < 0.0001)。
 妊娠中の母親のNNS摂取量は、出生から10代までの幼少期のBMI zスコアおよび体脂肪の増加と関連する。このことは、肥満の蔓延やNNSの人気を考えると重要である。

◆Pickup Point◆
近年、妊娠中の栄養環境が生まれてくる子供の健康状態に影響を及ぼすというDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)仮説が提唱されています。
今回の論文では、非栄養性甘味料、いわゆる低カロリー甘味料が出生後の子供のBMIに影響を及ぼすという結果でした。
一般的にはカロリーが少ない、あるいはほとんどないにもかかわらず、どうして生まれてきた子供のBMIに影響を及ぼすのか、とても興味深いと感じました。
ちょうど1年ほど前にオランダのグループから発表された論文では、妊娠前の人工甘味料摂取は子の出生体重増加と関連している、ということでした。
Nutrients 2020, 12(10), 3172

三つ子の魂百まで、と言いますが、このように、生まれてくる子供は既に胎内の環境に影響を受け、生後だけでなく将来にわたって影響を受けることを知っていただければと思います。

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