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ウクライナ語は書名まで格変化するの?

いや,ウクライナ語に限らずスラヴ諸語全般に言えるのかもしれないし,格を持つもっと他の言語もそうなのかもしれないけれど。
私が知りえた唯一の例がウクライナ語だったので。

なお,私はウクライナ語に入門して門のあたりをウロウロしている素人なので,間違いがあるかもしれません。

ウクライナ語を含む,格変化を持つ言語は固有名詞なんかも格変化して,同じイワンさんでも,「Іван(イワンが)」「Івану(イワンに/を)」「Івана(イワンの)」「Іване(イワンよ)」などと語尾が変わる。

それだけでも「マジ?」となるのだが,引用符で括られた書名などさえ格変化するらしいと知ってびっくらこいた,というお話。

「私は『戦争と平和』を読んでいます」

1000 Most Useful Ukrainian Words” という教材の「мир(平和)」の例文が以下のようになっていた。

Я читаю «Війну і мир».

文の意味は「私は『戦争と平和』を読んでいます」。
トルストイのアレね。

『戦争と平和』という書名はウクライナ語では «Війна і мир» なのだが,この例文では «Війну і мир» と,一箇所だけ違っている。

війна(戦争)だと主格だが,例文では「〜を読んでいる」という他動詞の直接目的語であるため,対格の війну になったらしい。
(なお,мир は主格と対格が同形)

まっ,マジですかい。
タイトルですよ? 引用符で括ってるんですよ? それでも格変化するの?

今のところ,この例文以外に例を知らないし,本件に関する文法解説も読んだことがないので,どのくらい普遍性のある話なのかは私には分からない。


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