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ハリウッドセレブの流出自撮りヌードをクリックしたあなたはナゼ下衆いのか

光文社発行の低俗写真週刊誌「FLASH」が、9月23日号を回収するもその理由を「一部の記事に不備があった」とだけで明確にせず、おそらく袋とじになっている「海外セレブ美女プライベートSEX写真スキャンダラス流出!!」というのがいけなかったとの見方が多数。

そもそもどうしてこれがアウトなのかもわからないようじゃダメですね。今回はアップルのクラウドストレージに保存された画像がハッキングされ、4chanという(もちろん日本の2ちゃんにあやかったネーミングです)サイトで最初に流出したとのことですが、何人かの被害者の弁護士は画像を流出させた媒体は容赦なく訴えると発表したようです。

私がアメリカからアクセスできるところをざっと見回したあたりで、モザイク・修正なしで写真を掲載したサイトは、訴訟を起こされたらすぐに削除して逃げられそうなマイナーなエロサイトか、罰金を言い渡されたところで支払い能力のなさそうなネットメディアばかりでした。いつもハリウッドゴシップがいちばん早くてエゲツないペレズ・ヒルトンでさえ、「思慮が足りなかった」とすぐに撤回しています。

いずれにせよ、20万部も発行しているような、名の通った出版社の紙媒体がやることではありません。回収していなければ、いくら極東の国ジャパーンで起こったことであっても、いずれ弁護士事務所からcease and desistという通告が届いて、対応せざるを得なかったことでしょう。

この写真がネットで出回ったというニュースを聞き次第、日本でも多くの男性がリンクを辿って写真を保存したことでしょう。スケベなその気持ちはわかりますが、軽蔑します。

もちろん今回自撮り写真が漏れたセレブたちの中には、脚本にそう描いてあれば脱ぐことを厭わない女優や、いわゆるヌード写真を載せているグラビアモデルや、挑発的な恰好でセクシーなダンスを披露する歌手もいます。だから今さらそこにチラッと乳首や局部が見えている写真が加わっても大した差じゃない、と思うかもしれません。

でも、そこに「彼女たちの意志があるかどうか」という大きな違いがあります。ギャラをもらって仕事として見せている裸と、人に見せるつもりのないプライベートの裸の違い。敢えて本人たちが「見せるつもりのない」ヌードを皆で回し見する、という行為は女性に対し「オマエの体について、見せるか見せないかを男のオレが判断する」という性暴力なのです。

しかもそれは、逆立ちしたって未来永劫にセレブたちとつきあって直に裸を見るという行為には及べないであろう無名の一般男性から、米エンターテイメント界で華々しく活躍する女性たちへのさもしい暴力ですね。みっともない。

それは相手がセレブでなくても同じ。最近日本でも問題になっている「リベンジポルノ」も同じ性暴力です。一時期は恋愛関係にあり、その信頼に基づいて女性が男性に見ることを許した体を、その関係が終わってからネットで一般に暴露する、というのは卑劣だと思いませんか? (こういうことを書くといつも、でも反対に女性から男性へのリベンジポルノもあるとインネンつけてくる男性がいるんですが、相対数としてはごく一部ですし、それは女性から男性への精一杯の抗議だからです。っつーか、女性は知らない男性の性器なんかあまり見たくないんで、「晒す」というリベンジが成立しない、と個人的には思っています。)

閑話休題。日本でFLASH回収のニュースが伝わっていたちょうどその頃、アメリカで伝えられていたニュースに、こんなのがありました。(「下衆いメディア」つながりで。)2月にDV(ドメスティック・バイオレンス。配偶者間・パートナー間の暴力)事件が原因で、NFLの調査後、2試合の欠場という軽いペナルティーを受けていたバルティモア・レイブンズのレイ・ライスというアメフト選手がいるんですが、TMZという、ハリウッドセレブのゴシップを垂れ流しているサイト(下衆いことにテレビ番組もある)が事件が起こったエレベーター内のビデオを入手、公開したところ、あまりにも暴力的だったのでNFLが対応に追われ、レイブンズはライスをチームから追い出し、彼はリーグからも永久停職をくらいました。

問題点は、NFLが最初の調査の時点でこのビデオに映された暴力のひどさを知りながら2ゲームという短い出場停止処分で済ませようとしたことで、どうやらこれをきっかけにリーグが今後、選手のDVに厳しく対応せざるをえなくなりそうであり、TMZもたまには良い仕事をするんだなぁ、と思った次第。でもこのTMZでさえ、前述の流出写真はモザイクかけて、見たい人は勝手にネットを探せと突っぱねてましたけど。

どんな形であれ、女性への暴力が許されていいはずがありません。逆ならイイとはいいませんが、こちらはちょっとスッキリしました。



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