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渋谷紀伊国屋書店の「女子フェア」がなぜ炎上したのかわからない男が多すぎ

事の経緯はNaverのまとめで掴めるかと。

の方のブログが豪快に噛み付いてて、いい感じなんですが、実は最後のお薦め本がどれもかなり面白そう。皆川博子の『海賊女王』をポチッとな。

「〜女子」という言葉は、女性自身の口から出ていても十分に痛々しいので避けたい言い回しなんですが、それを明らかに女性メンバーがひとりも入っていない野郎ども会議で作ったポスターに「文庫女子という言葉を知っていますか?などと上から目線で使われていると、男にタンポンの使い方をレクチャーされるような不快感が伴いますわねぇ。

当然のように速攻でプチ炎上(プチ、と言われる所以は、怒っているのが女性ばっかりということで軽く扱われているということですね。)したので、紀伊国屋書店の文庫担当者は該当ツイートをさっさと消して、ついでにフェアも止めてしまったようです。街中の小さなインディペンデント書店ならこれで済むでしょうが、紀伊国屋書店というれっきとした書店チェーンのお店での出来事なので、これをきっかけに本部からお目付役の女性をさっさと派遣し、監視・指導をしていただきたいものです。この辺はコーポレート・ガバナンスの問題でもあるので。書籍出版会社のマーケティングチームは女性が圧倒的に多いアメリカでは起こり得ないですな。(とついでに出羽の守をかましてみるw)

このフェアでは、女性の意見を敢えて聞かず、「電車内で、喫茶店で、それこそハチ公前で」読んでいて欲しい本を集めたそうですが、なんでそれがこんなに腹が立つのか、まったく腑に落ちてないオッサンが私のフェースブックに湧いて出ていたので、いくつか晒すと。

書店の担当者も謝罪ツイートで「他意はなく」って言い訳しているわけですが、実はこの「他意がない」ことがよろしくないわけで、女性が読むものにまで、自分の好みを押し付けてくるのが単にウザいんだよ、という話です。だってね、日本人男性は気づいていない人がほとんどですが、日本人女性ほど、男性の目に気を使って生きている人たちっているのかな?ってぐらいに既に気を使っていますよ。服装とか、言葉遣いとか。

その上に、本にまでクチを出そうなどとは、ある意味、根っこのところの考え方が、ISISやタリバンなどイスラム原理主義に侵されちゃった国で女性に教育を受けさせないのと同じ発想なんですよ。こういうと「へ?」って思うでしょ? でも明らかにセクシスト。性差別。女性蔑視。不当な権利抑圧。たかが本の問題じゃないんです。特に本というのは、服装や言葉遣いみたいな表層的なものではなく、人の思想や精神や人格を育むものなわけです。だから「こんな見かけの女性がタイプだな」ってな話よりも深いところに突っ込んだから玉砕しちゃったわけですね。

男女に関係なく、読みたい本が読めるというのが民主主義の最大の恩恵であるわけで、「こういう本を読んでいてほしい」なんて砂漠で「ブルカでも被れよ」って言われているぐらい不快。歴史上、思想統制のために禁書を申しつけたり、一方的な内容のプロパガンダを押し付けたりというのが、ある社会が独裁国家への道を踏み出す時の一歩であることが多いです。そしてしばしば、その統制は特定の人種だったり、女性だったり、LGBTといった、マイノリティー集団に向けられます。

ついでに日本の女性が既にどのぐらい、譲歩してやっているかっていうと、大した給料もらってないのに、職場では、胸の谷間なんてもってのほかのコンサバルック(いやしかし、実はおっぱいの間の汗って気持ち悪いし、ブラで汗もができた日にゃ掻き毟りたくてたまらない夏場なんかはマジ胸元開けている方がラクなんですが)、髪はきちんとお手入れをし(けっこうそのままだと30過ぎあたりから白髪が増えるんだけどね)、膝丈ペンシルスカートをはき(長いスカートかパンツの方が座った時にラクなのに)、男性の体感温度に合わせてオフィスの温度設定がされているのでカーディガン・ひざ掛けを常備、鼻くそをほじったり枝毛を切ったりするのも遠慮し、生理痛があっても笑顔を見せ、おまけにわざわざ回りくどく、金もヒマもかかる化粧で「ナチュラル」に見せているんですぞ。男性なんて基本スーツ着てるだけじゃん。バーコードとか、フケとか、鼻毛とか、おならとか、やりたい放題、ナチュラルすぎるだろ。禿げるなとか、イケメンになるまで整形してこい、とは言いませんから、そっちも女性の見てくれに対して細かい好みの指定をしない方向でお願いできませんかねぇ?

本だって、既に周りに気を使って選んでますとも。ちょっと知的すぎて周りに引かれそうな本にはかわいいカバーをかけたり、江古田ちゃんとか、西原とか、岩井志麻子とか、BLマンガとかは家でEブックで読んでますって。

村上春樹や東野圭吾を読んでいるとしたら、それはつきあっているバカ男や、くだらん本の講釈を垂れる上司に話合わせてやるために読んでるんでしょーよ。だって、この2人の作家、ぶっちゃけ言うと、女性が読んでもあまり面白くないんで。

ということで、そもそも紀伊国屋書店渋谷店の企画担当男性は、お店に来ている本好き女子(おえっ)が何を読んでいるのかさえ知らないのがバレてしまったという恥ずかしい一件だったと思うわけです。

年も明けたことですし、書店に限らずどの企業さんも今年からは「〜女子」という言葉や、ダサピンクを排除するキャンペーンを心がけてくださいな。




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