見出し画像

Cory Wongの機材・奏法について

はじめに

前回初投稿したわけなんですが、一度あんなに長い記事を書くと、またすぐに書きたくなるもんなんですかね。どんどん書きたいことが溢れてきたので、とりあえず書いてみようかな、という気になりました。今回は、僕が今最も好きなギタリストのCory Wongの使用機材や特殊奏法に焦点を当てて書いていこうかなと思います。なんというか備忘録のようなものです。暇があれば、随時更新したいと思います。不足分はあとで追加します。多分。誰に需要あるんだろう?

Cory Wongって誰?

Cory Wongの経歴

Cory Wongはアメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリスに拠点を置くファンクギタリストです。遠い。元々はジャズギタリストとして活動していましたが(この部分は詳しくまとめた別の方のnoteがあるのでそちらを参照してください)、2016年に「MSP,Pt.1」をリリースしてから本格的にファンクギタリストとしての活動を始めました。それからなんやかんやあって(別の方のnote参照)Vulfpeckにサポートギタリストとして参加、成功を収めます。めちゃくちゃ割愛してますが、経歴はあんまり詳しくないので僕に訊かないでください。じゃあ書くなって話なんですけど、書きたいじゃん。

Cory Wongの活動

最近はCory WongとWongnotesと呼ばれる愉快な仲間たちと一緒にツアーなどを行なっています。また、VulfpeckやThe fearless flyersとしても活動しています。今回はCory Wongの話なのでまた割愛させてもらいますが、いずれ彼らについてもまとめたいなと思ってます。Cory Wongのライブ活動はこちらで確認できます。結構な頻度で活動していますね。

なんとこの夏、Cory Wongが初来日します(フジロックフェスティバル2023)。ちなみに筆者は行きます。数アーティストを犠牲にしても最前を取ります。
よくライブで他のアーティストとコラボすることがあるので、フジロックでもそれを期待している節があります。例えばルイスコールとか。
彼、各地で結構いろんなアーティストとライブでコラボしています。

  • Victor Wooten

  • Joe Dart

  • Sierra Hull

  • Robbie Wulfsohn

  • Antwaun Stanley

などなど。下3人はよくコラボしているイメージがあります。特にSierra Hullは「Bluebird」演奏時にはかかせない存在となっているため、ほとんどのライブに出演している気がします。間違っていたらごめんなさい。

Cory Wongの機材

ギター

  • Fender / Cory Wong Stratocaster

The Cory Wongって感じだ

深い青が特徴的なCory Wongのシグネチャストラトキャスター。Cory Wongが以前まで使用していたFender / Highway One Stratocasterを元にして製作されている。価格は30万円とめちゃくちゃ高い。でも欲しい。
Cory Wongの要望を元に通常のストラトキャスターよりボディが小さく設計されています。またピックアップシステムも特徴的で、トーンノブをプルすると、常に"4th position"(フロントとセンター)のミックスになります。カッティング時にセレクターに当たって変わってしまうことを防ぐために導入されていると思われます。ちなみに彼の曲はほとんどが4th positionを使用していて、「The Optimist」や「Golden」などの一部楽曲のギターソロではリアを使用しています。また、裏側スプリングを紐で結んでおり、サステインを本人仕様に調節しています。
現在は彼はこちらのギターをFender Custom Shopで改造していて、ネックがバインディング処理されたものとなっています。以下の動画で確認できます。
Podcastでそのことについて詳しく話しているみたいなので、詳細を知りたい方はそちらを確認してください。

  • Fender / Highway One Stratocaster

シグネチャモデルそっくりである

Cory Wongが以前使っていたギターです。製造年は2002年で、色はSapphire Blue Transparent。メイプル指板モデルもあるので、もし購入する方は間違えないでください。筆者はヤ◯オクで買おうと思ってましたが、普通に競り負けました。残念。
当時の価格は10万円ほどで、今は珍しいラッカー塗装(しかも極薄)です。そのため、使えば使い込むほど、味がでてくるギターになっています。彼のギターはすでに傷だらけです。また、彼はピックガードをホワイトパールに交換しています。
現在はほとんど使用していませんが、見た目がシグネチャモデルとかなりそっくりなので、見た目しか気にしない方にはおすすめです。たまにヤフオクやメルカリで売られています。そのときは僕とバトルです。

味がある

エフェクター

彼はライブによってボードを変えていますが、基本的な構成は変えていません。一応知りうる限りを紹介します。長くなりすぎてもアレなので、なるべく簡潔に説明します。なるべく。

シグネチャコンプレッサーの動画で確認できるボード
右奥の白い筐体はなんだ…?
2022年2月時点でのボード
  • SHURE / GLXD6

無線でギターを接続できる機材です。あまり言うことはなし。お高い。

  • HOTONE / SOUL PRESS II

2 in 1と動画内で紹介されていますが、おそらく色的にSOUL PRESS IIであると思われます。ボリュームとワウだけでなく、エクスプレッションペダルとしても扱えるものです。

  • tc electronic / Sub 'N' Up

シンプルなオクターバーです。Mini版を使っています。多分「Radio Shack」などで使っているかな?

  • GFI SYSTEM / ROSSIE FILTER

3種類のフィルタアルゴリズムを搭載したマルチフィルタです。

  • BEETRONICS FX / VEZZPA

めちゃくちゃ凶悪なファズ。「Vespa」でしか使っていません。

  • VERTEX / Ultra Phonix Overdrive

特に言うことなし。今は使用していないかも。
ちなみにVERTEXはCory Wongのボードをレイアウトしたことがあります。この動画内のエフェクターは、動画の概要欄に載ってあるのでそちらを参照してください(めんどくさいだけ)
今はもう使用されていないものもあります。

  • JACKSON AUDIO / Asabi

シグネチャコンプレッサーの動画内で確認したところ、Asabiを使用しているようでした…!なんと…。Ultra Phonix Overdriveの代わりでしょうか。
AsabiはMateus Asatoのシグネチャペダルです。クリッピングのプリセットが4つから選択できるらしい(すごい!)。
あと3バンドEQがついています。これは後述のThe Optimistと似てますね。
レビューによるとめちゃくちゃ音がいいらしい。欲しい。
価格は6万。破産します。

  • JACKSON AUDIO / The Optimist

Warp版

Cory Wongのシグネチャペダルです。
CentaurとTimmyをミックスさせたようなペダルで、3バンドEQもついています。本人曰く、この世で一番好きなペダルらしい。
ちなみに筐体はClassicとWarpの2種類存在します(Coryが使っているのはWarp)。Classicは青1色です。
一回調べたことあるんですけど、日本では全く出回ってないですね。
◯ルカリにも一度も放出されていません。
Cory Wongのファン、日本には少ない?

  • strymon / BigSky

言わずと知れたリバーブ。デカい。高い。
「Meditation」「illumination」などで使用しています。

  • Neural DSP / Quad Cortex

現行最強マルチ。クソ高い。けどたまに2台使ってます。頭おかしい。
いずれはNeural DSPのプラグインが使えるようになるらしい。「Archetype: Cory Wong」が使えるようになれば、ガラッとボードが変わるかもしれませんね。フットペダルがついたモデルがあればな〜と僕は思ってます。

  • Line6 / HX STOMP

たまにボードに乗っています。多分リバーブ用途などで使っていました。
あと飛び道具とかかな?

  • Hologram / Microcosm

最近確認したエフェクターです。何の曲で使ってるんでしょうか…?
以下エフェクトについての説明引用です。

Microcosmの11の画期的なエフェクト(合計44のプリセットバリエーション)で、あなたのプレイをスライス/ストレッチ/再配置/マニピュレートし、音楽的にすることができます。 Microcosmの内蔵ピッチモジュレーション/豊富なステレオリバーブ(4つのモードを選択可能)/レゾナンスローパスフィルターを使用して、サウンドをさらに微調整します。
気に入ったサウンドができたら、ビルトインステレオフレーズルーパーで最大60秒のパフォーマンスをキャプチャし、更には別のエフェクトのフレーズを重ねることもできます。すべてのループ/オーバーダブ/設定は、Microcosmの16個のユーザープリセットを使用して保存し、後で呼び出すことができます。

https://www.boutiquepedalnyc.com/product/2000

うーん、分からんw 動画を貼っておきます。

  • Wampler / WONG COMPRESSOR

最近登場したばかりのCory Wong2代目のシグネチャペダル。
EGO Compressorにさらに改良を加えたものになっています。
XLR Outを持っていて、そのままPA卓に送ることができるので、ベーシストも使用できます。
またエフェクトを間違えてOFFにしないように常時ONにできるスイッチと、ブースタースイッチを持っています。ブースターはMIDのブーストと音量全体のブーストを選択できます。
てんこ盛りですね。価格は全然優しくないです。200ドルくらいがよかったな。
あとBoostがだんだん太字になっているのとか、SustainがSUSTAAIINになってるの可愛くていいですね。

  • Wampler / EGO Compressor

Cory Wongといえばこのエフェクター!って立ち位置のエフェクトでしたが、WONG COMPRESSORのせいでその座を奪われました。今やWONG COMPRESSORの下位互換です。悲しい。
僕はついこの間これを買いました。でも音はめちゃくちゃいいです。

  • Eventide / H9

空間系および飛び道具専門の最強マルチ。最近エフェクトを2つ同時使用できるH90が発売されましたね。まぁ使い勝手悪かったので当たり前ではありますが。
前までは2台使いしてましたけど、今ではめっきり見かけません。2019年のライブでは2台並んで使われています。

  • strymon / Zuma

これまた言わずと知れた超有名パワーサプライです。ノイズレス。
価格はかわいくない。

以上が筆者が知りうる限りのペダルです。抜けがあったらすみません。

Cory Wongの特徴的な奏法

逆アングルピッキング

順アングルピッキング
逆アングルピッキング

順アングルピッキングが通常のピックの持ち方なのに対して、逆アングルピッキングは親指をめちゃくちゃ反らせることで、ピックの角度を逆向きにし、通常より強いピッキングを実現すると言われているピッキングです。
個人的な意見ですが、Cory Wongのプレイを再現するのにはあまり必要のないテクニックではあると思います。親指が曲がらない人には不可能だし、通常より強いピッキングを意識すれば良いだけだからです。
本人は多分逆アングルを意識してない気がしてます。
嘘だったらすみません。

Coryは親指が柔らかい

カッティング

まぁ、これは説明は不要でしょう。彼の曲にコレがないものはほとんどないので。
でもカッティングを言語化するのって難しいですね。僕調べでは、「ブラッシングや休符による歯切れの良い奏法」らしい。そりゃそうだ。
彼のカッティングの特徴として、圧倒的なリズム感とミュート技術があると思います。
例えばリズム感としてあげられるのは、2019年のライブの「Overture」(Flyers Direct)。喋りながらよくこんなリズムで弾けますね。すごい。

他にもDirty Loopsとの共作である「TURBO」などもリズム感がすごいです。
ビタビタですね。

彼のカッティングには、手首によるアタックが含まれている場合があります。「Smooth Move」や「Junkyard Dunebuggy」などがわかりやすいと思います。

このカッティングのCoryによるフレーズも公開されています。Junkyard Dunebuggyのフレーズですね。特徴的な部分はダウン→アップ→手首アタック→ダウンで演奏されています。

ミュート技術としては「Assassin」や「Lunchtime」が挙げられますね。
本当になんでこんなに正確に弾けるんでしょうか?
Cory自身の手がすらっとしてるのも影響してそうですね。

ダブルストップ

2つの音を同時に鳴らす奏法です。これも頻出です。
「Lilypad」「Airplane Mode」「Sunset」など様々な曲で使っています。
LilypadとかCompanion Passが最もダブルストップが入っている曲だと思います。多分。
詳しい説明はこちらの動画で解説されています。

トリプレット(三連符)

前述のダブルノートと組み合わせて使っています。
手癖みたいなものですね。
Live版では「Smooth Move」にも使われています。

以下の動画でCoryがトリプレットのフレーズを紹介しています。
アップ→手首アタック→ダウンの順ですね。リズムキープがとても難しい…。

おわりに

いや〜、Cory Wongが好きすぎるあまりこんなに書いてしまいました。
書いているうちにいろいろな発見があって、普通に勉強になりました。どんどんフジロックが楽しみになっていく。
特にAsabi使ってるのはめちゃくちゃ意外でしたね。欲しくなってきた。
でもまだPodcastは聞いていないので、いずれ追加したいなと思ってます。
Julian LageとかMateus Asatoについても触れてるみたい。もしかしたらAsabiの話もここでしてるかもしれない。
そのためにはもっと英語の勉強しないといけないですね。とほほ…。

少しでも役立ってくれたら幸いです!では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?