菊花賞追い切り診断

 先週の秋華賞、ズバリとまではいかないが、A診断した人気薄のシャドウディーヴァの4着はまあまあの結果と言えるのではないか。もう1頭A評価した5着のビーチサンバも、福永がまともに乗ってりゃ馬券圏内は十分にあったと思う。

 一方で府中牝馬Sは、A評価を付けた穴馬フロンテアクイーンが見事爆走(まあこの馬は1800mも府中も得意ということも大きかった)してくれて、こちらはズバリとなった。こちらは実際に馬券でウマウマ出来たのでそういう意味でも痛快だった。

 無論、調教はあくまで予想ファクターの1つに過ぎないのではあるが、穴を見つける上では重要でもある。この調子を維持して菊花賞にもトライしていきたい。

○ザダル AB
輸送も考慮しての軽目だろうが、フットワークも大変軽く、美浦段階での状態面には何の心配もなさそうだ。

○ニシノデイジー B
1週前追い切りは余り良くなく、どうなることかと思ったが、輸送で軽目とは言え、さすがに動きは変わってきた。ただ相変わらず気性面での問題を抱えている様が、口元に出ており、騎手替わりもあってそれなりに人気する今回は、積極的に買いと言いづらい側面も。

○カリボール BC
最後はガッツリ追ってきたが、どうもタイム以上にモッサリした動きに見える。実際のレースでは違うタイプではあるが、調教を見て積極的に買いたいというタイプの馬でもない。あくまで調教上の見立て。

○ユニコーンライオン AB
全体的なタイムが遅いので、多少仕掛けられたラストがCWで11秒台なのはともかく、軽く走っているようでそこそこラストのタイムが出たのは好感出来るか。とは言え、やはり抜群の調教とまでは評価出来ない。

○ワールドプレミア B
正直、映像だけ見たところ、蹴りの力強さに前進気勢もあり、「調教走るディープのオープンクラス馬で、これは好タイムが出たに違いない」と思ったら、案外のタイムで残念。勿論動き自体はいいのだが、このタイプはタイムと結び付いた方がしっくり来る。

○ディバインフォース BC(C寄りの)
最後まで割と追った割にタイムは平凡以下。無論調教だけが全てではないが、調教からは買いたいとは思えないタイプ

○ヒシゲッコウ BC
普段のこの馬の調教を追ってないので、おそらく追いかけた距離が長いのだろうが、最後突き放されているシーンはある意味衝撃的ではある。ただ全体のタイムは普通レベルなので、そこだけ切り取って評価を下げ過ぎるのも良くなかろう。いずれにせよ最後のアップアップの印象が「良い」とは言えない。

○メロディーレーン BC
400キロを切ってくる馬はたまに見るが、さすがに350キロを切ってくる馬体の馬を中央競馬で見たのは、競馬初めて30年になるがこの馬が初めて(居たかもしれないが、見た記憶は一切ない)。だが小さい印象は受けるが、走りや体高からはそこまでの低体重馬には見えない。今回も走りは小さいながらそこそこダイナミックだが、タイムはかなり遅く不満。まあこういう馬なのかもしれない。

○ヴァンケドミンゴ BC
きっちり追った割にタイムも出ず遅れたのは印象は良くない。ダイナミックなフットワークをしているだけに惜しい部分はあるが……。あくまで調教的には買い要素はない。

○カウディーリョ B
輸送あり単走軽目なのでタイムが出ないのは仕方ないが、リラックスして走れており、問題は特になさそうだ。

○シフルマン AB
全体的なタイムが遅いので、ラストが余力で伸びるのはおかしくないとしても、馬体の張りや力強さはかなり目立ち、買いたくなる要素はある。ただこの馬体が果たして3000mの長丁場向きなのかという疑問はある。

○レッドジェニアル B
3000mを意識したか、栗東調教にも拘らずかなりゆったりした追い切り。状態が悪いというわけでもなかろうし、これはこれでありか。

○ヴェロックス AB(A寄りの)
さすがに断然人気が予想されるだけの馬の動き。無論、直線までは楽させているので、ラストの11秒5も額面通り受け取る必要はないが、弾け飛ぶような動きはやはりモノが違うと言わざるを得ない。後は距離だが、これは調教だけでは読み取れない。人気だけに買うか切るかをはっきりさせるべきだろうが、調教上は切る要素はないと言える。

○サトノルークス B
折り合い重視のためか、直線も持ったままで交わされても追わず。全体的なタイムも出していないので、何とも評価しがたい調教。調教も軽目だが動き自体も素軽い。

○ホウオウサーベル B
輸送を控えた美浦Wのタイムとは言え、ラストが13秒台は正直不満。ただ、馬の強い闘争心を感じると共に折り合いもしっかりついており、その部分を相殺してB評価とした。

○ナイママ AB
こちらも輸送を控えて、ほとんどキャンターに近いような調教だった割に、ラスト1F12秒台は正直驚いた。そこまでのレベルには到底達していない印象があったので。そこから動き自体は良いものとして、タイムと調教の負荷以上に評価を上げた。

○タガノディアマンテ B
直線のみやや強めで追ったものの、特に特筆すべき動きでもないし、タイムも平房。可もなく不可もなくと言ったところ。

○メイショウテンゲン B
こちらも直線のみやや強めの追い切りだが、特に動きに見るべきものは見当たらず。馬場次第というところか。

○総評
世代限定とは言え、GIの割に動きに目を見張る馬はほぼ見当たらず。結局一本被りが予想されるヴェロックスが、調教上はもっとも評価される馬となってしまったが、これは仕方ない。調教上はヴェロックスが人気通りのイチオシとなるが、さて、3000mという距離でどうなるか……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?