天皇賞追い切り診断

新天皇即位初の天皇賞とあって、JRAもかなりの力の入れよう。調教VTRも、前3走のなんでもない重賞レベルまで用意されていて、比較もしやすい。それではさっそく診断してみたい。

○カデナ B
全体的なタイムは決して悪くないが、これより馬場の悪かった新潟記念時の調教より最後アップアップになったのはちと気に食わない。

○アーモンドアイ AB
軽目ながらタイムもまあまあで状態は良さそう。ただ、安田記念時の方が動きはダイナミックで、それよりは若干落ちる様な気もする。

○ケイアイノーテック B
タイムはかなり良いのだが、毎日王冠時の方が動きは軽く見えた。

○スワーヴリチャード AB
宝塚記念時は芝で追い切ったものの、かなり軽目で負荷も少なく、動きもイマイチで海外帰りで不調を感じさせた。今回は同じ様に軽目ながらも動きは当時より素軽く、宝塚記念時の出来が7割程度なら9割前後には来た感じ。

○アエロリット B
毎日王冠時は坂路で追ったものの、今回はウッド調教。少し前走より動きが重く感じた(馬場状態のせいもあるだろうが)し、前走時のフットワークの良さが少しなくなっている様に思えた。

○ユーキャンスマイル AB
元々前進気勢があって、迫力のある追い切りをする馬。今回は芝で且つタイムも良くはないが、相変わらず闘志をむき出しにしていて、折り合いに影響しなければ悪くないはず。

○スティッフェリオ AB
タイムも終いの動きも前走の方が若干上なのだが、今回の弾むような動きは前走時の調教では見られなかった。プラマイゼロという感じか。

○マカヒキ BC
この馬は成績にかかわらず調教はかなり走るタイプだが、今回の調教は馬場の悪さがあったにせよ、この馬本来の動きからはかなり遠いように感じた。力強さも素軽さも感じず。

○ダノンプレミアム AB
この馬の調教パターンとして、それまで軽く、最後の直線だけやや気合い入れて11秒前半が挙げられる。しかし今回は全体としてやや負荷を掛け、最後は普段より遅いという形。よって単純にタイムでは比較出来ないものの、最後の直線で、手前を変えるのとは別にバランスを崩しかけたように見えたのが気になった。必ずしも万全ということでもないのか。

○サートゥルナーリア AB
前走時の坂路追いの際には小気味好いフットワークの回転の良さが目立ったが、今回はウッドチップとあって、目線の違いからか、フットワークの大きさが目立った。タイムも良いし状態は問題ないだろう。

○ゴーフォザサミット B
イマイチな走りが続いているが、今回も外から追いかけて交わすなど、タイムはともかく動き自体は悪くないと思う。

○ドレッドノータス B
JRAの出馬表からは過去の調教状態が確認出来なかったが、京都大賞典の診断を見る限り今回と同じ様だったらしい。故に遅れたものの特に問題はないと考える。

○ランフォザローゼス BC
元々並走で遅れるタイプらしいので、状態が悪くなっているというわけではないが、やはり調教から買える要素は感じない。

○ワグネリアン AB
前走が札幌の芝で追い切ったので、それ以前の2走の坂路追いと比較してみたが、タイム的には変わらないものの、フットワークの力強さは今回が上ではないかと見た。状態の上がり目はあると考える。

○ウインブライト AB
前走は併せて遅れ、今回は単走だが、タイムは勿論動きや前進気勢から見て、状態面ではかなり上がっていると見ている。まあ府中コースは走らないタイプだが、調教面では紐程度には考えられるぐらいの状態。

○アルアイン B
タイム的にはこれまでの出走状態と比較して遜色ない。ただ、若干太め(汗取りタオルも使用?)しているし、そういう部分での割引は必要かもしれない。

○総評
正直なところ、抜群の追い切りを見せてくれた馬がおらず、どれもまだ完全に仕上がったという感じではない。有力馬もあくまで目標は先という印象を拭えなかったのは残念。

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