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「LINEジャーナリズム賞 23年8月〜10月期」発表!精子提供や生徒の指導死、子どもの写真のネット掲載を取り上げた"心を動かす"3記事

2023年から四半期に分け実施している「LINEジャーナリズム賞」。さまざまな社会問題を題材として、読んだ人の心を深く動かした記事を、閲覧数やSNSでの拡散数、ユーザーアクションなどをベースに選考し表彰しています。

今回は23年8月から10月にLINE NEWSに配信された、100万本を超える記事の中から3本を選出しました。

教職員の不適切な指導をきっかけに子どもが命を絶ってしまう「指導死」を取り上げた毎日新聞、「親族からの精子提供」で不妊治療を行い、2人の息子を授かった夫婦の歩みを描いた読売新聞オンライン、「子どもの写真のネット掲載」の危険性と、声をあげた母親たちの姿を伝えたNHK NEWSの記事。心を動かす3本を紹介します。


絶望、死、呪…ノートに記したSOS 13歳自死の背景に教諭の不適切指導 母の涙と尽きぬ「なぜ」

毎日新聞(2023年8月27日掲載)

編集部コメント

教職員の不適切な指導がきっかけで、子どもが自ら死を選ぶ「指導死」が相次いでいるといいます。外からは見えない、教室という密室で起きる悲劇。記事では、子どもを亡くした親たちが、無念さや再発防止の願いを訴えています。

教師と児童・生徒の間には、絶対的な権力の勾配があり、逃げ場がない子どもの心が追い詰められてしまっても不思議ではありません。「教員の一言というのは子どもにとってものすごく重たい」と語る、子どもを亡くした男性の言葉が胸に迫ります。

文部科学省がようやく実態調査に乗り出したように、まだまだ世間に知られているとは言えないこの問題。不幸な子どもを1人でも減らすため、まずは多くの人が問題について知ることを願ってやみません。

LINE NEWS編集部 葛西耕

愛する息子を亡くした母親の悲しみや後悔がありありと伝えられ、胸が張り裂ける思いでした。子どもの自殺が増える傾向にあるとされる夏休み明けの時期に、「指導死」の問題を伝えることはとても意義があったと思います。

小学校教諭の体罰や暴言に追い詰められる児童がいた一方で、その教諭を「指導熱心な先生」と評価する声もあったと知り、恐ろしくなりました。子どもを死に追い込んでしまうような指導を、私たち大人は見過ごしていないだろうか──自分が小学生だった頃を振り返ると、担任教諭の言葉をとても重たく受け止めていたことを思い出しました。

保護者をはじめ、多くの大人たちにこの問題を知ってもらい、子どもたちを守れる制度が一刻も早く整うことを、切に願います。

LINE NEWS編集部 奥村小雪

夫婦はなぜ、「夫の父からの精子提供」を選んだのか? 無精子症の現実に向き合った、ある家族の歩み

読売新聞オンライン(2023年8月1日掲載)

編集部コメント

「僕はたえちゃんを幸せにしてあげられない」「私の幸せを、勝手に決めないで」。「無精子症」と診断され、一時は結婚をあきらめていた男性と、それでも一緒にいることを選んだ女性。夫婦となった2人には、その後「夫の父からの精子提供」により、子どもが生まれました。

知らない誰かからの提供より、親族の精子を。それは自然な選択に思えますが、現在のルールでは「指針」違反だといいます。

それでもこの選択をした夫婦の歩みを通して、100人に1人という無精子症の当事者の実態や、法整備の課題などをリアルに伝えています。

「僕らにはこれが最も幸せな形でした」。記事の最後に書かれた夫婦の言葉。この記事を通して、少しでも多くの人が、より良い選択肢を選べるような未来が来ることを祈らずにはいられません。

LINE NEWS編集部 前田将博

「夫の父からの精子提供」という選択をした夫婦と家族を取り上げ、精子提供における現状や課題を読者に"自分ごと"として突きつけます。

白血病治療の副作用で「無精子症」となり、一度は子どもをあきらめた男性の葛藤、夫婦の選択を尊重した両親、そして出自を知らされた子どもたちの「おかげで僕は生まれてこれた」という言葉。ひとつひとつ丁寧に紡がれる家族の思いに、幸せの形や家族のありかたは決して一通りだけではないと、改めて考えさせられました。

自分が「子どもをもちたい」と思ったそのときに、どんな道があるのだろう──記事をきっかけに精子提供についての検討や議論が進み、子どもを望む人たちにとっての選択肢が一つでも増えることを願います。

LINE NEWS編集部 荒川のぞみ

水遊び、下着姿…"子どもの写真"に思わぬ危険 声あげた母親たち

NHK NEWS(2023年8月9日掲載)

編集部コメント

「何気なくシェアされた画像や動画が何者かにコピーされ、勝手に販売されたり、悪用されたりする」という、とても身近な行為から発生する問題に焦点をあてた記事で、読んでいて身につまされました。なかでも、保護者が園児の日々を手軽に確認したいというニーズに応える保育園のサービスがポルノ写真のように販売されていたという事実は、ショックのあまりクラクラしてしまいました。

また、このような身近に潜む怖さに立ち向かう人々の姿勢を丁寧に紹介する本記事は、読み手に対して注意を促すだけでなく、「問題に直面したら自分も立ち向かおう」という気持ちを沸き立たせてくれます。

記事をきっかけに、対策の徹底や法整備が進み、犯罪が減ることを願います。

LINE NEWS編集部 嘉島唯

「成長記録」である写真が、ネットで悪用されていた──。子どもたちを性被害から守るために、声をあげた母親たちの活動を取材しています。

子どもの成長や楽しい思い出を残した写真は、本来喜ばしく、愛情に満ちたものです。しかし、幼稚園・保育園が子どもたちの無防備な写真をHPに公開し、それらが悪意を持った大人たちに消費されていることを知ったときの保護者たちのショックは計り知れません。

このような被害があるという認識を広めるだけでなく、子どもの安全や尊厳について意識を高める機会を設けたり、法を整備したりすることが必要だと感じました。子どもたちにとって安全な環境が整えられることを願い、私自身も子どもを守るための行動をとれたらと思いました。

LINE NEWS編集部 井上眞理子

当事者の心情に迫り、社会問題を切り取った3本を紹介しました。12月には2023年の「LINEジャーナリズム賞」大賞を発表します。日々さまざまなニュースをお届けしているLINE NEWSをぜひ覗いてみてください。

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