ぷかぷかとあの空へ

子供の頃、デパートなんかでもらったヘリウムガス入りの、ふわふわ浮かぶ風船で遊んでいたのを思い出す。そんな大切な風船なのに、空の下でそいつの紐を離したら、二度とまた手にすることなく飛び立ってしまう事実に、子供ながら残酷さみたいなものを見出してしまった記憶がある。
ここまま風船から手を離すと、宇宙までいってしまうような気が本気でした。そんな突拍子もないことをしっかり信じていたあの頃の僕は、必死に風船の紐に縋り付いていた僕らは、ほんとに風船のようにいつのまにかぷかぷかと飛んでいってしまったんだと思う。
年齢とともに感性が閉じこもっていく事実に、ひどく辟易していたけれど、今残ってる感性とかはひどく大事なもんだなと最近は思うようになって、勝手に少し大人になった気でいる。

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