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グルメ英単語#8 ー 「H」はハギス  H for Haggis

キッチン英語辞典#1から#28 で、ざっとお料理に使う英単語や解説を見てきました。ここでは、それが使われるシチュエーションsituationに目を向けたいと思います。気軽にやってみたいと思うので、手軽に読んでいただけたら嬉しいです。

それでは、

グルメ英語の「H」


A : Haven't seen you for a while.
B : I had been traveling to Scotland.
A : Nice! Have you tried Haggis, then?
B : No way.

A : しばらく見なかったね
B : スコットランドを旅行していたから
A : ステキ!じゃあ、ハギス食べた?
B : まさか

ということで、

H for Haggis、H は「ハギス」です。

よくご存知の方もいると思いますが、
ハギスはスコットランドの名物料理です。
ガッツリ肉食用の食べ物、というイメージを勝手に持っています。
でも、香辛料がピリッと効いて、美味しいハギスもあります。

ハギスとは、

Haggis is made from
a sheep’s heart, liver and lungs
(collectively known as “plunk”)
which are cooked
with oatmeal, onion, and seasoning,
then stuffed into sheep’s stomach
and boiled.

とあります。

訳すと、

ハギスは
羊の心臓 、肝臓、肺 (集合体で「プランク」《プランクとは捨てるためにドスンと放り出す塊を指す》と呼ばれるもの)を、
オートミール、玉ねぎ、香辛料と調理し、
それを羊の胃袋に詰め、
茹でたもの。

ということです。

美味しいものもあります、と言いましたが、
私の経験では、
肉屋さんで売っているものをお家で茹でて食べた時は、
香辛料が効いていて、大変おいしかったのですが、
お土産屋さんで缶詰になったものを買って、
しばらくしてから家で温め直して食べた時は、
とってもゲイミーで臭かったです。

ちなみに、ハギスは、
調理済みのソーセージなどと同じような状態で売られていますが、
食べる前に、
オーブンで焼くか、蒸すか、熱湯で茹で直してから出します。
ソーセージとは肉の種類や部位が違い、
腸詰めではなく胃袋詰めです。が、
イメージ的には
丸くて大きい羊のソーセージ、みたいなものです。

スコットランドの
ソールフードと言っても過言ではないと思います。
なぜと言って、

スコットランドの国民的詩人


ロバート·バーンズ Robert Burns (1759~1796)
の記念日である1月25日の 
Burn’s Night バーンズ·ナイトで、
ハギスはほぼ主役なのです。

バグパイプの演奏と共に、
ハギスを載せた皿が恭しく運ばれ、
バーンズの有名な「ハギスに捧げる詩」
”Address to a Haggis by Robert Burns”
を朗読してから、スコッチ·ウィスキーで乾杯し、
ハギスを食べるのです。
ハギスは
champit tatties (英語でmashed potatoes つまりマッシュポテト)
と、
bashed neeps (英語でmashed swedes つまりマッシュしたスウェーデンかぶ
とともに供されます。
これらの単語は、多分、Gaelic ゲール語/ゲーリックなのでは、と推測。
スコットランドに行ったら、英語が通じなくて困ったという話はよく聞きます。
いや、英語は通じるのだけれど、
癖の多い地元の人の英語が全く聞き取れないのです。
つまり、
向こうはこちらを理解していろいろ話しかけてくれるのですが、
その訛りの強さに聞き取れず、何も返すことができない。
ちょっと寂しい経験。

バーンズナイトでも、挨拶にゲーリックが飛び交うことがあり、
私にはよく分かりません。

バーンズナイトは
国民の祝日ではありませんが、
スコットランドのみならず、イギリスでも、
友人や家族が集まって会食します。
“Burn’s Supper” と称して、誘い合ってお祝いします。

こんなに大事なハギス。

ロバート·バーンズはスコットランド語を詩に取り入れたことで有名です。
「蛍の光」はスコットランド民謡ですが、
その歌詞はロバート·バーンズによるものです。

ハギスの詩って、どんなものなのでしょうか。
ちょっと気になって見てみましたが、
古い言葉やゲーリックも入ってるみたいで、まるで分かりませんでした。
詩って難しい~。
でも生真面目というより、
真理を突く嫌味やコミカルさがあって、
人々にずっと愛されるのでしょうか。
食べる前に、こんな難しいものを朗読するなんて。
スコットランドの人たちって、頭が良くて我慢強いのかも。

一応ここに、全詩を載せておきます。
ご興味のある方は参照ください。

Address to a Haggis

Fair fa’ your honest, sonsie face,
Great Chieftain o’ the Puddin-race!
Aboon them a’ ye tak your place,
Painch, tripe, or thairm:
Weel are ye wordy of a grace
As lang ‘s my arm.
The groaning trencher there ye fill,
Your hurdies like a distant hill,
Your pin wad help to mend a mill
In time o’ need,
While thro’ your pores the dews distil
Like amber bead.
His knife see Rustic-labour dight,
An’ cut ye up wi’ ready slight,
Trenching your gushing entrails bright,
Like onie ditch;
And then, O what a glorious sight,
Warm-reekin, rich!
Then, horn for horn, they stretch an’ strive:
Deil tak the hindmost, on they drive,
Till a’ their weel-swall’d kytes belyve
Are bent like drums;
Then auld Guidman, maist like to rive,
Bethankit hums.
Is there that owre his French ragout,
Or olio that wad staw a sow,
Or fricassee wad mak her spew
Wi’ perfect sconner,
Looks down wi’ sneering, scornfu’ view
On sic a dinner?
Poor devil! see him owre his trash,
As feckless as a wither’d rash,
His spindle shank a guid whip-lash,
His nieve a nit;
Thro’ bluidy flood or field to dash,
O how unfit!
But mark the Rustic, haggis-fed,
The trembling earth resounds his tread,
Clap in his walie nieve a blade,
He’ll make it whissle;
An’ legs, an’ arms, an’ heads will sned,
Like taps o’ thrissle.
Ye Pow’rs wha mak mankind your care,
And dish them out their bill o’ fare,
Auld Scotland wants nae skinking ware
That jaups in luggies;
But, if ye wish her gratefu’ prayer,
Gie her a Haggis!
(from Scottish Poetry Library)


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