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Victor HA-FW1000T 使用レビュー

2021年11月5日発売のビクターによるWOODシリーズの完全ワイヤレスイヤホン[HA-FW1000T]の使用レビューになります。

はじめに

音楽再生に関しては主にJPOPやアニメソングを中心に、aptX-Adaptiveコーデックで再生しました。
イヤーピースは純正ではなく、コンプライの製品を使用しています。
聞くジャンルがクラシック系であれば変わった感想となるかもしれません。

使用レビュー

感想としては、完全ワイヤレスイヤホンが出揃い、各社が価格や音質、機能性で争うこのご時世において時代遅れと言わざるを得ません。
音を鳴らすドライバが大きい為、たしかに音の空間を感じることはできますし、音の左右分離も良い感じです。

しかし、大きいが故に装着感は今一つでフィットというよりは無理矢理はめ込んでいる感覚が拭えません。
音の空間こそあれど、中央で鳴る音楽は繊細さがなく大雑把な印象を受けます。
なにより、ボーカルとバックミュージックが互いにぶつかり合って聞き取りづらくなってしまうのが正直なところです。
音量調整に関しても大きくすれば耳に刺さり、小さくすれば低音のみが強調され聞こえます。

また、ノイズキャンセリングに関しては他社の既製品からするとやや強めで中高音を中心にカットします。
ただ、これは音を楽しむ為ではなく現代の機能性を考えて防水性と合わせ、とりあえず搭載したといった表現がしっくりくるかもしれません。

収納ケースはマット加工が施してあり、汚れやすい湿り気のある作りとなっています。
高級感のある作りというのも価格帯を考えれば必要なのでしょうが、正直お手入れのしやすいプラスチックでも良かったです。

イヤーピースの構造も耳垢の非常に溜まりやすい、以前のWOODシリーズ有線イヤホンモデルと同じ形状を継承していて進化していません。
フィルターにすごい勢いで吸収されちゃうところが…ケースと合わせ、メンテナンス性がほしいところです。

まとめ

完全ワイヤレスイヤホンというジャンルの様々な製品を聞き比べてきましたが、音質は既製品における2万円以下のレベルであると思います。
それも、事前に知っていれば購入には至らないというのが正直なところです。

昔は各メーカーにこだわりがあって、その中でもビクターのWOODシリーズでは大変お世話になりました。
それ故にあの頃から何も進化していないと言いますか、約4万円という非常に高額な価格設定だけが独り歩きする結果となったのではないでしょうか。

SONYさんであれば最近WF-1000XM4を一時的に2万4000円ほどに、大幅な値下げをしましたし、ゼンハイザーさんであればコンシューマー部門は事業売却となり、現在では売却先で2万円以下のモデルに注力されています。
ではビクターさんは何かしら進化させてこのタイミングで強気の価格設定で登場したかと思えばあの頃の感覚が抜け切れていないのではないかなと思ってしまいます。
この価格でこの作りではコアなファン以外は認めないでしょう。
期待していただけに残念な結果となりました。

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