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たたらがようやくブラタモリに取り上げられました。

2022年8月28日。
天下のNHKで、しかも【泣く子も黙るかもしれない】ブラタモリで、鳥取県西部のたたらが紹介されました。
境港市から米子市にまたがる日本最大の砂州「弓ヶ浜半島」はたたらによって作られたと紹介がありました。
奥日野と呼ばれる山沿いには巨大な花崗岩帯があり、それが劣化して崩れ、真砂(まさ)となります。
この真砂には砂鉄が含まれます。
中国山地にはこの真砂が(文字通り)山ほどあったのです。

昔の人は、この砂鉄を延々と掘り続け、砂は川を流れて日本海に出ました。
これが浜に打ち上げられ、弓ヶ浜半島ができたのです。

それは想像を絶するほどの量の砂です。
中国山地沿いでは、山が削られて無くなり、田畑になっているほどです。

そして、山には砂鉄から鉄を抽出した後の残渣が今でも残っています。
鉄滓とかカナクソとか呼ばれる、この黒い塊は、中国山地沿いのいたるところに見られ、たたらの遺跡の存在を主張しています。

谷に残る鉄滓

私たちが、この残渣を辿って発見した遺跡は800を越えます。
それは、たたら生産遺跡調査報告書として集約され、出版されています。

土砂を流して、砂鉄を選別した水路跡(選鉱場)

ブラタモリでたたらに着眼していただけたのはうれしいですが、できればもう少したたら本体について語ってほしかったという思いが残ります。

まあ、ブラタモリは地質や地形を主眼としている番組なので、弓ヶ浜からのアプローチが精いっぱいであったのかもしれません。

私の住むところはこういった歴史が埋もれていて、それを再発見しようと12年足搔いています。
そしてようやくブラタモリ ……


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