読切作品『正しくない先輩』

※自殺というセンシティブな話題に主眼を置いた作品です。
閲覧には十分注意してください。

今回はがっつり感想?思ったこと?について書くので作品必読です。
先に読んできてください。


※意地でも先に本文を読ませないためのスペース



作品の中の感想

基本的に作品の中だけの描写では、先輩の意図することはわからない。
それは、社会に馴染めるほどには正しい後輩の観点から描かれているからでしょう。もう正しい側の人とは行動原理が異なっているという良い表現になっていると思います。

後半の後輩の独白にもありますが、あの日の後輩は決して正しくなかった。
ですが、正しく「自殺は良くない」なんて言ったところで先輩はその日のうちに長野で自殺していたのがオチでしょう。
正しくない方に歩み寄った後輩の行動が、先輩を一日というとてつもない時間生き延びさせた。奇跡に近い事でしょうね。

先輩の胸中

上司との電話の後のセリフからして、先輩の自殺願望の中に大きな一つの理由みたいなものはないのだと思います。社会の中で生きるうちに、社会に、未来に、何より自分に対して小さな絶望が重なっていった。
だからこそ、もう根本的な解決はできないと悟ったのではないのでしょうか。人はそう簡単には変われないから。

考察、感想は苦手

ここまでちょっと感想じみた事を書きましたが、こういうのは苦手なのでここらで切り上げたいと思います。いつもだったら読み終わってそれで終わりでいいやとなるのですが、今回はこの先を書こうと思いました。本題です。

この作品における"完成"

どこまで作者の方が意図されていたのかはわかりませんが、私はこの作品における完成は、物語の完結までではないように感じます。
その完成というのは、「コメ欄やツイッターで"正しい"ことを言う大人が出てくるまで」だと思っています。
自殺は良くないことだとか、作中で上司が言ったような「周りが悲しんで、迷惑がかかって」だとか、そんなこれまで正しく生きてこられた大人が正しくない人間に石を投げるところまで含めてこの作品であるように感じます。
それら全部に先輩が「うるせええええええええ」と言ったんだと思います。

正しいことだけで成り立つ世界じゃないってことさ

ちょっとだけ重ねて見てしまった

最後にちょっとだけ。
先輩の「仕事はできないし~」のところ、自分が抱えてた自己嫌悪と少し重ねてしまっていました。それもあってこれを書いたのかもしれません。
危ないね~
今はあんまり考えないようにしてるのでしばらくは死なないです。。
危ないね~
あと、読切ってこういうのやりやすいね。どんどんやるかも。
やっぱやらねぇか

読んで感じたことはそんなことでした。ではまた~




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