ヨミ推し目線でウィンヴルガ、7・8巻(天津之黄泉編)の感想書いてみた
*2023/11/18 加筆しました。以下の項目が加筆点です↓ 新しい項目以外は少量の加筆になってます。
分岐点 ヨミvsネクトゥ
胸糞バットエンド
ネクトゥ御都合主義問題
真白火花の発言
ヨミのための物語・描写がない←new 新しい項目追加
まとめ
*はてなブログにも同じ内容の記事を書きました。noteとはてなどちらが良いかなと迷ったんですが、結局どっちもって事で。↓
前置きはこの辺で。
まず、この感想を書こうと思った動機というか理由は5月にウィンヴルガ8巻を読み直してみて初見で気づかなかったクリフハンガーぽい描写?に気づいて色々沸き起こってきた感想をメモに書きTwitterでアウトプットしたのだけれど、まだヨミについての感想出しきれてないし推しキャラについて語りたいなぁという気持ちがあるのでノートに記してみようというのが動機です。なのでこの感想では主人公そっちのけでヨミを中心に語ります。
それと気づかないところで結構主観的な思い入れも入り込んでるかもしれません。
*ちなみに自分は単行本勢なので無印ウィンヴルガ10巻までの内容しか知らないというのが前提です。*ウィンヴルガ 叛逆編一巻読みました。
Q.ヨミってどんなキャラか。
ボイド天津之黄泉聖輪宮親衛隊、別名黒巫女ヨミ。3巻にて初登場しました。一応主人公真白ミューラーのメンター的ポジションキャラと言えるかも?(実は真白とは浅からぬ因縁がある)
黒巫女ヨミは今までの綱島作品の中でも今のところ一番好きかもしないというくらい、強くて高身長巨乳美女と個人的な性癖を揺さ振られるキャラです笑
しかしまさかこのヨミがあんなendを迎えるとは思ってなかった…今回はヨミの扱いと末路に関して批判的意見よりで感想を書きたいと思います。これはなんかもうヨミ推しとして書かねばならぬ気がする
今回中心として語るのは7・8巻です。ウィンヴルガ天津之黄泉編、3〜8巻までの内容なのですが、後存知の通りこれらの巻がヨミの運命が決定的となる巻だからです…
前置きはこのくらいにして。
初めにいうと全体的な感想は
端的にいえば胸糞悪い展開、結末で後味が悪く、わだかまりが残りまくってる。ヨミ推し視点で見ると天津之黄泉編実は鬱バットエンドです。
7巻のヨミの不幸が始まるまでの流れ
ヨミの決定的な不幸展開が起きるまでどういう流れか大まかな流れを追ってみると前巻からの続き、真白ら一行はマジコの天津之黄泉全体図を解説し作戦会議。天津之黄泉システムを探す流れでシステムの場所は隠されていてマジコ・ヨミは以前からの捜索も発見できてない。ここでゼインとともに青歌捕縛のため侵入してきたネクトゥ(カス)が一枚嚙んできます。ネクトゥの邪なを読んだ真白は心配するがヨミは余裕綽々。何やらシステムの場所を探す方法を知ってる風なのでヨミ・青歌はこの誘いに乗る展開。
う〜む、何というか、ヨミや真白はこの時点で青歌捕縛のために侵入してきた敵だという警戒が希薄。じゃね?
なによりもネクトゥの主導でヨミ・青歌が動くことになる時点で不穏な感じをビンビンに感じる。ゴミカスネクトゥ、こいつがどういうキャラかってのは2巻を読めばわかりますがアヴァンルージュの残党?らしき部隊狩りでの虐殺、真白への精子マーキング。等々変態凶悪殺人鬼のクズです。多分描写されてないだけで今までも拷問や殺人を繰り返してきたんだろうことは想像できる…
ゼインやドールマンなどとは違い生粋ドミネイターという感じか。つかもうコイツのニタニタした顔が神経に触るんですわ…
で、もちろんそんな奴が邪な企みをしないはずがなく、朱雷蛾の超音波を使い、システムの不壊疾隠という人機を引きずり出しますが、ここでヨミに目をつけたネクトゥが青歌の身を拘束し不壊疾隠をプロフェスに引き渡すのと引き換えに決闘を持ちかけ、ヨミは誘いに乗ります。なんかこの時点でやっぱり警戒心がないというかちょっとヨミと青歌に隙がある感じがするよね…それはヨミの絶対的な自信の裏返しと言えるかもしれません
分岐点 ヨミvsネクトゥ
ここで唐突にヨミvsネクトゥの決闘展開が。
いやもう第一印象からして最悪なクズキャラに推しが目をつけられるってだけで背筋がゾクゾクゥとしますよね。ただまぁヨミの戦闘が観れるという点ではまぁいいかと最初は思いましたね。ネクトゥが人機ではなく生身の戦闘を要求してきたのでヨミもミズノハ兵装を脱ぎ大剣を構える。
ここの大剣を構えるヨミはバッチリ決まっててかっこよかったですわ。7巻で一番好きなコマかもしれん。一方のネクトゥは勃起しながら薄汚い笑みを浮かべる、ホントコイツどこまでキメェんだよ…根室よりタチ悪い
ここで決闘展開が始まるわけですが前述の通り、まぁヨミの戦闘シーン見れるじゃん。ヨミの大剣の設定とか決めポーズ的構えカッコイイじゃねぇか!と。しかし、肝心の戦闘シーンは割と省略気味な描かれ方なんですよね。ま、並行して真白の人機戦を描いてるからという事でしょうけどう〜ん正直、不満足感ありますよねぇ、ヨミがかなりの強戦士であるという設定的にもここは魅せ場な筈だろうし、それを求めてた読者は多かったのでは?確かに主人公では無いですが天津之黄泉編のキャラとしては主要キャラなので、もっとじっくり描いて欲しいと思ってたんですよね。
一方この戦いではヨミ戦うことの喜び、青歌を守るという使命感をとある人物の姿に重ね合わせ笑みを浮かべる。のような心情描写が見られる部分もあった。そして、ここのヨミ回想で出てくる白銀?誰この赤子?と物語的に結構重要なシーン(8巻で明かされる)ですが。え?この話回想で終わっちゃうの?とあっさりしてる気もします。ただ、この話は後々に深く語られていくかもしれないなと思ったりもしましたね。
さて、戦いはヨミが圧倒しながらもギリギリで交わし徐々にタイミングを計るネクトゥ。無傷なヨミとボロボロで満身創痍のネクトゥ、しかしネクトゥは徐々に動きを掴みつつある様子。
ここで場面転換、断罪の間から逃げた長老の一人がシステムから装置の隠し部屋から不壊疾隠(感情を操作する人機)のモニター越しに青歌を発見、そこで隙をみて青歌を捕獲することを命じる長老。これでまた、雰囲気が怪しくなってく感じが…
シーンは戻り、ネクトゥはヨミを仕留めるべく最後の一撃に走り
両者がぶつかる。トドメの一撃。
その時、不壊疾隠が青歌に大きく口を開ける。
咄嗟に大剣を投げるヨミ。
そして、ネクトゥの一撃がヨミの腹を貫通…
え????????
いやいや、ちょっと待て、そんな展開アリ??てかテメェ青歌何で人機の近くで突っ立ってんだよ!危機管理能力ないのかとツッコミ不可避ですよこりゃあ…
ネクトゥ「そんな、こんな終わり方なんて…」
ここだけはコイツに共感してしまったのである。
しかしヨミはまだ倒れてはいない。
貫通したネクトゥの腕を鷲掴み、右拳を顔面にお見舞い。ネクトゥはダウン、崖へと吹っ飛び転落していった。
その際、衝撃の一言、「こんな、快感与えてくれた君を、ボクは愛してる…」
この…何ほざいてやがんだ。気持ち悪いぜマジで。ふざけるのも大概にしてほしいよなこのキャラ。どんだけこっちを不快にさせてくるんだ。
まぁ〜本当ネクトゥの不愉快さには読んでて本当に頭抱えましたね。粘着キモキャラとしてはキャラが立ってる気もするが。
それに、ここはヨミがこの最低最悪の気持ち悪いキャラを完膚なきまで叩きのめして終わるんじゃないのか。しかもまさかの横槍で…これ勝負としては事実上のヨミの負けですね。相手に致命傷を与えられ、しかも殺しきれてない。そして、ネクトゥはあそこから朱雷蛾を使うという手札もまだ残されている。あそこでネクトゥの意識が飛んだのが幸運だった。
やっぱりホイホイネクトゥについていったのが悪かったと言えるのかな…まぁでも朱雷蛾が無ければ発見できなかったとも思えるが、長老を追っかけて不壊疾隠の場所を吐かせた方が安全だったとも考えられる気がする。
ネクトゥはドミネイターで進行してるプロフェスの命令を受けてるんですからタダで教えるわけないもんね。そこはやはりヨミの自信過剰と安易な提案に乗ったミスなのかもしれない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
*ここの話をみると、ネクトゥの心情描写寄り視点で話が語られているなと、ヨミ視点も交互に挟まれたりはするがどちらかと言うとネクトゥ中心な語りに見える。ってことはこの戦いの中心人物はネクトゥという考えのもとに描かれていると言っても過言ではない。このキモい不都合キャラを描写の中心に据えてるということはこいつはヨミより優遇される可能性が高いよなと。8巻の結末を知っている完全な後付け目線でみると、そんな印象に。
しかし、これはまだ悲劇の序章に過ぎなかった
青歌にシステムを託し、重傷を負いながらもヨミは次なる目的へ向かう。
一方その頃主人公の真白ちゃんはというと、飛花と共にケンカオルナイトと応戦してましたが操られた父親ケンカオルナイトの幻惑作戦に見事に引っかかってなんと再び敵のドミネイターにとっ捕まえられてしまってました。
う〜んこのヒロイン何回捕まるんだよ…
悲観に暮れる飛花とウィンヴルガ、そこにヨミが合流してきます。
この惨状を見たヨミは呆れながらも、飛花とウィンブルガに傷の治療をするよう促します。飛花はスノゥからブライトスターを取り返した際の戦闘の傷でボロボロだったからね。で?読んだ当初の俺はまさか、もちろんここでヨミもウィンヴルガのメディカル治療受けるよね?だってはっきりいって飛花よりも重傷だし?そのままじゃ確実に死ぬし?と思っていた。
『しかしヨミは治療を受けなかった・・・』
なんと捕らえられた真白を治療も受けずに追ってやるとか言い出した訳ですよ。ハイハイ嫌な感じが始まりましたヨォォ。
いやね、傷を負った時点では大丈夫、まだウィンヴルガの治療でなんとかなると冷静に読めてましたけど、その傷で真白追ったら絶対死ぬやんけ…え?しかも一人で?何これ間違いなく確実にヨミが死ぬ展開じゃないか。と誰もが思ったことだろう。
もうこの選択が来た時点で「あ・・・これ終わった」と絶望したもの。
テンションダダ下がり。
な〜んでここでこんな展開になるんだと疑問が尽きないですよね。ここでこんなことになるって絶対この後碌でもないことがおきるに決まってる。その伏線にしか思えぬ。この後戦死するのか?と不安がよぎる。
一方その頃の真白
『真白は、ドミネイターのジオボーラ甲板で裸にひん剥かれる。
今にも犯されそうな雰囲気が漂う中、ドミネイターの一人が真白に手をかけようとした。その時、自我を取り戻そうとコントロールに抗ったケンによって助けられる。しかし抵抗むなしく完全にコントロールから脱せないケンは倒れ。泣き叫び塞ぎ込む真白・・・』
この時点で真白の精神はグロッキー状態のピークになってるんですよね。自分の中の影真白オルタがグロリア隊の3人を惨殺してから、オルタに支配されることに怯えきりオルタもそんな真白に漬け込むかのように、殺人衝動と生け贄を求めて煽ってくると。いまだに感情を制御できずにいる状態
特攻そして陵辱
ヨミは甲板に捕らえられた真白を追うべく、飛行するプロフェスを追跡
要するに特攻です。はい、でたよ特攻。もう死亡フラグでしかないよね。
まあロボットモノでもそうだが戦争アクションモノで戦況が追い詰められた時に相手を道ずれにしようとか、一矢報いようというとかよくある展開ですよ。基本的に有利な状況でそんな無謀な作戦をやるわけがない。普通に考えてまず、ヨミも治療して、ヨミ隊を集め、戦力を整えてからのはず。一人で行って何ができるのと言う話。
と、言う疑問も虚しく一人で特攻するヨミ、たった一騎で敵艦に奇襲を仕掛けたヨミは敵将プロフェスの人機がセイバーを弾くが実体の剣は弾けないことを見破りコックピットめがけて剣を突き刺が、間一髪で避けられ、間髪入れずに手榴弾を突っ込む。
しかし、手榴弾の威力がイマイチ効かず、そればかりかヨミの右手首は吹っ飛び甲板に倒れこむ。
う〜んいやちょっともう勘弁して・・・
そしてそれを見たプロフェスは甲板にいる兵士に命令する。「ヨミを犯せ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
やっぱりレイプ展開だった
どういう感じで陵辱されたとかいうことについては気分的な問題で省略
簡単に話を要約すると、ここからレイプされますと、そこでレイプされながらもヨミは塞ぎ込み項垂れる真白に語りかける。目を背けるな、世界は女の敵だ。自分の中にあるものくらい味方にしやがれ。と。自分の身を人身御供にすることで真白の覚醒を促す。
で、ここでようやく、真白オルタと噛み合った真白はついに覚醒する。ここまでが7巻の内容。
この展開を見て、ヨミというキャラは真白の覚醒展開に持ってくためのギミックにさせられたのではないか?ということを感じざるを得なかった。
まず、この陵辱展開のために真白が捕らえられて、ネクトゥ戦があってそこで負傷し、満身創痍な状態にさせそして特攻と言うプロットな訳ですが
これあまりにもヨミの行動に戦略的合理性が無さすぎないか?どう見てもウィンヴルガに治療をしてもらうべきだし、そもそもヨミはミズノハ兵装で戦うのであって人機を扱えない。たった一騎で圧倒的多数の敵陣に突っ込んでいっても勝つ見込みはゼロに近い訳ですよ。ま、ここの説得力のために真白が捕らえられて、ドミネイターに今にも犯されそうになるという危機的演出でそこに間一髪ヨミが登場するという構図。
真白が覚醒するためにヨミが負傷して犯される必要あるのか?どうもこの演出が上っ面の持り上がりのために用意されたものにしか思えず。それは自分がヨミ推しであるということから来るものなのかもしれないが。
真白と真白オルタ
ヨミのエロシーン!そして真白が覚醒した!というインパクトだけで語られてしまいなこのシーン。だがちょっと待って欲しい。もちろん個人的感情としては推しキャラ陵辱展開で「なんてこった・・信じられん」という心情ですわ。けど個人的感情とは別に客観的な視点に立ったとしても何か拭えきれない違和感ある気がする。覚醒に至るまでの経緯とその描写の説得力の無さというか、強引さ?が喉に小骨が引っかかったような感覚になる。
まずそもそも主人公側の枷といか問題として真白とオルタの対立軸というポイントがある訳ですが、そもそも何で真白オルタなるもう一人の自分、所謂邪心が具現化したのか?それはおそらく人機の影響によるものなのではないか?感情を食べ力を増大させるという力の影響を受け、自身の悪の感情が噴き出し具現化した。それは、一巻でマイが陵辱され殺された時に芽生えた強い憎しみが全ての始まり。それ以前の真白が二重人格に苦しむとかそういう描写はない。であるならば、一つとの展開として真白オルタを抑える、制御するにはウィンヴルガとの関係において解決するとか真相を探るという流れが必要じゃないか?
そもそも真白がオルタの暴走によって鬱ぎ込むきっかけになったのは3巻、この巻では初めてもう物語のもう一人のキーパーソンことグロリアと出会う訳ですが、暴走したオルタによってグロリア隊の3人を惨殺するという事件が発生。(しかも殺し方がエグい)この3人だけでなく、青歌の側仕え玖尾子もその生贄に。(そういえばこのシーンで元は人間ということが描写されてた←衝撃の事実)ここから真白は何度もオルタの心象風景に閉じ込められるというのが始まっていきますと。で、そこから根室に捕らわれた際にオルタに身体権限を奪われたり(そのおかげで助かったけど)ゼインの命を奪いそうになったり、内なる敵というか悪魔?としてオルタが真白を翻弄し続けるわけですよね。
で、先に引用した漫画の一コマの通りケンに捕縛される直前まで、真白オルタは真白を支配しようとしてました。そしてまんまと捕らえられるという失態を演じてしまう。そんなこんなでグロッキー真白が完成し、延々とメソメソしちゃうと。この辺のセンチメンタルさと言うかメソメソしちゃう感じがちょっと見ててストレスを感じてしまうところでもある。
まぁ、誰も慰めの言葉はかけてくれない。それは読んでる方としても真白に同情しないわけでもないが、ケンがマインドコントロールを振り切って正気を取り戻そうとして、なおもドミネイターに支配され苦しむ姿だったり、ヨミが自分のために重傷を負いながら無謀な特攻を仕掛け無念にも倒れ、陵辱される姿を目にしてもなおもメソメソして現実逃避しようと往生際の悪さというかナイーブさは流石にヒロインといえども、イラっとしてしまったというのが正直な感想かなと。
いや、ここで捕縛されるまではオルタに精神支配されながらもブチギレて真白オルタの支配を脱し感情を爆発させて戦うという姿勢があったのにも関わらず此処一番の一大事にそれが出せないというのは、ほんとうにお前しっかりセェよ💢と言いたくなる。ヨミが真白にかけた言葉だってメソメソする真白に発破をかける言葉だしね?
それからもう一つ思ったことは、なんかここのシーンだけ真白オルタ妙に聞き分けよくて大人しくないか?だ。
あのヨミの言葉でオルタは真白を受け入れ力を貸すならそれまでの態度は何だったの?という疑問だ。この陵辱と覚醒、イマイチ噛み合ってないというか。なんか説得力に欠ける気がするのはこの理由からじゃないか?と言うかこのオルタちゃんって結局何がしたかったの?となる。
それまでのオルタの行動からして、ここでヨミの生贄を求めるとか犠牲を求める代わりに力を貸してやるとか言い出しそうなもんだよね?
それは、これが陵辱ありきの覚醒シーンというプロット?なのでそこの疑問は回収せず。陵辱ありきでなければ、真白オルタと対峙する展開がもっとあるだろうし、何でオルタが生まれたのか、何で対立するのかもっとじっくり描いていくと思うんですよね。真白がオルタをヨミの言葉によって受け入れるシーンに一理あったとしてもオルタが受け入れる理由としては弱いと思う。だって明らかに彼女は女のために戦うとか正義より殺人衝動や悪意によって動いてきたのだから。それが単にもう一人の自分に受け入れてもらいたい。それが本心だったとか言われても、なんか納得がいかない気がする。
うん・・・・・・
そもそも、この陵辱プロットのお陰でヨミもヨミでなんか無謀かつ勢いだけの行動すぎて、何でお前そんな事しちゃうんだよ。って悲しいですよね。だってそもそもあんな一人で突っ込んだってプロフェスと相打ちになろうがならまいが結局多勢に無勢だし、相打ちで死んだとしても真白は救えないわけですよね?目的がプロフェスに一撃食らわす事なのか、真白を救うことのかチグハグしてるんですよ。真白を救出するという点だけにフォーカスすれば特攻しなくて良いし、陽動だけしてれば良い。それこそウィンヴルガと飛花が駆けつけるまでね。というかそれが最善策だと思うのだが。こういうところでもああやっぱ陵辱ありきのプロットじゃないかと思わざるを得ないですね。合理性がなさすぎる。まぁでも、あの状況ではもはやああするしかなく、ヨミは天津之黄泉の戦士として身を犠牲にした。と読解するのかなやっぱ。合理性のなさを見てたらヨミってもしかして自殺したかったのか?とかも思った。
さて、ここで一つ、他のキャラとその構図との比較をしてみようと思う。
飛花⇄アマガネとの比較
ウィンヴルガのもう一人のヒロインといっても良い飛花、真白の騎士みたいなものかもしれない。
アマガネは飛花初登場時から主に回想キャラとして登場してるアヴァンルージュのエース操主。飛花がまだ幼い頃から付き合いがあり飛花の憧れでもあり目標とも言えるキャラ。そんな飛花とアマガネ、5巻からのドミネイター奇襲で飛花にとって大きな分岐点となるプロットポイントがあった。それはドミネイターに連行された後のアマガネの行方が明かされた6巻。飛花の最後の記憶ではアマガネはドミネイターに人質として連行されていく姿、それがアマガネとの最後。
その彼女もまた、ドミネイターによって陵辱され、孕み袋にされていたのだった。(ウィンウルガのウリであるリョナシーンとしては見せ場かな…ボソ)だけど、一コマだけで完結…(多分編集の規制)
6巻では孕み袋にされていたことが示され、7巻で処刑されてしまう回想が登場します。しかもまたその処刑方法がかなりアレなやつで笑そしてこの処刑を仕切っていたのが、4巻のグロリア見せしめでも仕切っていたスノゥ。
そのスノゥがアマガネの人機ブライトスターを強奪し、飛花の前に現れる。こいつの底意地が悪く邪悪なのは、処刑の録画を飛花に見せつけるというクズっぷり。そこに映されていたのは火刑という最も苦しいと言われてる死に方でもがき苦しみ泣き叫ぶ、屈辱的な姿。結果的にこの姿は合成で、もう一人のボイドトウライの反乱組織セルグリーンのリーダーだったエラだったというオチなんですが。(てかこの反乱組織とエラもなんかめっちゃ気になる。)
このキャラここでしか出てこないという何とも扱いが可哀想なキャラなんですよね。そもそも、アマガネ含め旧アヴァンルージュは回想しか登場しない。何せ物語のスタート時点でアヴァンルージュ崩壊してるところからだし。孕み袋にされてたという衝撃の真実含め、ここもあっさりしてて勿体ない感じがするよなあ。エロゲーとかエロ漫画だったらじっくりやると思うけど。だって二コマでしか描かれてないからね。そこもまた衝撃。もしかして例の表現規制のあおりを食らって省略せざるを得なかったのかなとか妄想。
やや脱線したので元に戻すと
この最悪な経緯があって、飛花とスノゥは激突、見事飛花はブライトスターを奪還するという熱い展開になるがここは間違いなく見所の一つだと思う。
飛花とアマガネの関係は初登場時から回想という形式ではあるが一貫して描かれてきたわけだ。回想という形ではあるが、アマガネというキャラを表現するには十分な描き方をされてきたし、飛花のアマガネに対する思いも強い。ここのドラマとアマガネの死を乗り越えて成長する飛花はうまく表現されてるなという印象だった。それと比べるとヨミと真白の関係とかドラマはどうしても見劣りするし、かなり対照的であると思う。この飛花とアマガネの関係性と真白とヨミの関係性を比較した時にどうか?「なんかヨミと真白の関係ってそこまで深く無いよね。」と言う印象だ
余談だがあのアマガネから感じる危うさというか儚さというものを感じてなんか切ない。危うというと語弊があるかもしれない、アマガネはしっかりした性格の持ち主だし犯され孕み袋にされる恥辱を味わわされても目の輝きは失わなかった。でもその一件無抵抗にも見える受け入れ切って達観した感じが、ドミネイターにいいように扱われてたり、中にはアマガネに対し勘違い(何をしても反抗してこない)をするようなグロい奴も居そうな、いや絶対いただろうなぁとかそういう想像が膨らんじゃったりした。
処刑の時でさえも一切表情を崩さず、死んでったし。まぁ流石にそれは漫画的表現でありえないんだけどもね。普通はエラのようにもがき苦しむ。焼死は最も苦しい死に方と言われてるくらいだから。
以上のように、どうしてもこの飛花とアマガネの構図を見てしまうと、どうにもヨミのアレが曇るというか表層的に感じざるをえないんですよ。
やはり、飛花とアマガネのアレを見たら、この真白とヨミのそんなに距離感深くない関係性、少なくともお互い距離を縮めるような展開はなかったし、それなら別にヨミが陵辱されなくても良いじゃん。そもそも陵辱されるのがヨミである理由が特段ない気がする。どうだろう、これは自分がヨミ推しという贔屓目で見てるからそう感じるのか。
そもそもヨミと真白、特にヨミの側からは浅からぬ関係性のはずだよね。
しかし、事情により一切それを真白は知らないし、マジコでさえも前王女白銀の娘なんてにわかに信じがたいと触れようとはしなかった。それでもヨミは勘付いてたようだが。
陵辱シーンでのヨミの言葉、世界は女の敵だ!現実から目を背けるな。なら別にヨミじゃなくても言える。というかそんな話今更過ぎるだろう
しかも真白オルタがそれでいうことを聞く理由としても前述の通り協力する動機としては若干疑問が残るし。真白が覚醒した力はスピンドラー紡ぐものという姿で感情を操作したり、相手の感情を読み取る力だがこれも邪心のオルタと関連あるのだろうか
天津之黄泉編の主要キャラなのは間違いない、ならもっと活躍の場が欲しいし、真白との距離感や関係性を深める描写がもっと必要だっただろう。
これ、人気連載マンガなら、サブキャラでも人気キャラ、主要キャラの過去編をやったりするのかなぁ
ちなみにここの違和感、なんか既視感あるなぁと思ったらドラゴンボールzの人造人間・セル編で悟飯がブチギレ覚醒した直接的に覚醒した理由が人造人間16号というまさかのキャラクターだったというアレに似てる気がする。だってそんな関係性深く無いし絡みもないからねあの二人。人造人間編の主人公格は未来トランクスなんだからトランクスでいいじゃんと、実際その後セルに殺されちゃうし。(悟飯の潜在パワー発揮する時も怒りだったよね。悟飯が怒ってパワー発揮すれば主人公の孫悟空やエリートサイヤ人のベジータでさえもはるかに凌駕する力を秘めている。なんか真白とウィンヴルガの感情を力に、と同様だ)
そういえば、ベジータの場合は、自分への怒りでスーパーサイヤ人に目覚めたという理由だったね。ああでもこれは実は悟飯がスーパーサイヤ人に覚醒したきっかけは精神と時の部屋での修行の際自分への怒りで目覚めてた。
反対に孫悟空や未来トランクスは仲間が殺されたことへの怒り、悟空はクリリン、トランクスは未来悟飯の死によって覚醒
閑話休題。
まあでもドラゴンボールzなどバトル漫画の例のように、キャラの変化に、死や陵辱がキッカケになるのであればそのキャラ同士の間柄が重要ではないだろうか。
一方、怒りで覚醒するという場合、他者を蔑ろにし踏みにじる悪人に対し正義感でブチギレて覚醒という展開もある。
鬼滅の刃、遊郭編の炭治郎は罪のない町の人々を殺し、彼らに対する罪の意識がないどころか貶める堕姫の言動にキレて覚醒してましたね。炭治郎と町の人々に深い縁はないけれど、悪鬼を許せないという正義心によるものですよね。炭治郎も無惨によって家族を殺されてるし鬼への深い恨みも篭ってると読むことができる。
結局、真白の場合はオルタとの対話がなってなかったというのが理由だったし、あの描写はシーンの勢い、読者のテンションが乗り切れないという点でも弱い気がする。
結局、ヨミの活躍で印象に残ってしまうのってこの陵辱とかネクトゥ戦だったりするんじゃないか。というのがまた嫌なんだよなぁ。こんな不運の連続って読んでてなぜ?なぜ?と疑問が尽きないよね。
まぁでもね、アマガネの末路に比べたらマシと言えるのが救い???それこそアマガネ推しはヨミはまだマシだろ!と言うのかもしれない。いやでも俺アマガネも結構好きなんだけどね。見た目も性格も。間違いなくいい女じゃん?
一連の雑多なこの比較で触れてきたが
そもそもヨミの掘り下げ描写が少ないよね
というのをもっと掘り下げて考えたいと思う。そもそも天津之黄泉編自体ヨミや青歌が初登場してから天津之黄泉に帰るまでの道中の話がほとんどないようなもん。途中4巻の組手修行みたいなのはあったけれど、ほぼアレだけ。
そこからドミネイター。長老の奇襲に会うという急展開が始まっていくので、描くタイミングとしてはこの帰る道すがらが丁度いいタイミングになるのかな?掘り下げらしい描写と言ったら、ネクトゥ戦のヨミのちょっとした記憶回想くらいで、あそこで白銀や忌み子としてシステムに利用された赤子の真白という事実が示唆される重要なシーンだけど。
8巻に収録された番外編でここの真実が明かされてる。真白の実の母である白銀とは奈落で出会い、身体能力が並外れた野生児だったヨミは親衛隊に見初められた過去があったのだった。野生児なので読み書きも喋ることすらできない文盲。そこから白銀のお気に入りとして教育を受け仕える事になったというエピソードがあったがいや、マジでそれ本編でやって欲しいよね。だって超面白いエピソードじゃんそんな野生児からどうやってあの黒巫女ヨミになったんだよ!て気になるし、ヨミが白銀の失踪により旅立った時はまだ他の近衛兵みたいな服装だし。なんか勿体なくない????ヨミもアマガネと同様一巻あたりから登場することは出来なかったのかなぁ〜もっとこのキャラは扱いをよくしてもよかったんじゃないだろうか。グロリア並みにとはいかないのかもしれないがちょっとは彼女のように活躍の場を与えてほしかったという印象。
ヨミは個人的な内面だったり心情が見えづらいという面もあって、真白的にはヨミってちょっとぶっきらぼうで怖くて何考えてるのか分からないという感じでもあっただろうし。6巻でしぐれが犠牲になった際には怒りや悲しみといった感情を読み取ることはできたが。
読者視点的にもそこまでヨミ推し以外、陵辱ありきのキャラだったからか感情移入することは難しいのかもしれん。それを考えると、行き場のない悲しみが湧き上がるわね。
まぁという感じで悲劇的構図としては間違いなく
飛花・アマガネ>真白・ヨミだし、それで生まれるドラマにしたって飛花・アマガネペアと比べたら見劣りするよね。という。ヨミのアレはギャンブル劇みたいなもんでしょう。
どうにもこうして比較してみるとこの7・8巻で飛花の方があのエピソードと展開からして主人公っぽさがあるような気もしないでもないよね。飛花は真白と違って、聖域を守る戦士でもあるし真白を守る騎士でもあるし、見てて飛花の方がカッコよかったかな。
ここまでで結構冗長な文章というか感想になってしまった。苦笑
でもまだ、言いたい感想はあるのでもう少しお付き合いいただきたい、むしろこっからが本題。
ここから8巻の感想。問題はここと言ってもいいかも。そもそもこの感想を書こうと思ったのも8巻のあのコマがキッカケであるし。こっからヒートアップせねば。
謎めいた最後
真白覚醒で終わった7巻、8巻からは覚醒した真白のドミネイターとの戦いに移り変わっていくのですが。肝心のヨミはというと、覚醒した真白により陵辱から助けられるが、ヨミは自分に構わず戦え!と突き放す。
ウィンヴルガ・飛花・ゼインらも駆けつけ真白は最高指定にコントロールされたケン、プロフェスらと対峙する。はい、こっから人機線が展開していくわけですが、いやいやそれどころではない。ヨミはどうした、ヨミは一人だけ生身でジオボーラ甲板に転がってるということじゃないか!?!?
表のストーリーラインではここからメインの人機戦が展開していく見所の部分なのですが、全然頭に入ってこないんだよなぁこれが・・・
だってまだあの時点では死んだとは言い切れないし生きてる可能性だってあるわけでしょう?しかも最初ジオボーラーの甲板上で人機戦でドンパチやってるもんだからいや…ちょっと…それは…ここから一連のコマでなんか流れ弾食らってぐちゃぐちゃになるとか吹き飛ばされてジオボーラーから落ちていく描写とかまさかないだろうな?などと目を皿のようにして読んだよね。
真白が覚醒した力の正体、そのドミネイター最高司令によるとスピンドラー(紡ぐもの)らしい。紡ぐ?とは一体何を紡ぐのだろうか。
ケンカオルナイトの人機も大破させ、ケンを救出し、ケンを撃破した事でドミネイターからコントロールしていた最高司令の支配から解放される。最高司令は最早撤退の構えでプロフェス君をあっさり見捨てる流れに。
それでも最後の悪あがきで残りのジオボーラーで応戦し破壊光線を発射。ここはバリアで攻撃を凌ぐマジコの見せ場の場面描かれる。
そのころの青歌はシステムと接続しなんか歌い出していた。それに呼応し天津之黄泉、民間人含め総動員、でドミネイターに立ち向かう。そういえば歌の旋律は考えてあるのかな。マクロスみたい?だよね。
さて8巻の見せ場である。真白とウィンヴルガは合体、ロボットアクションとしては一番の盛り上がり。エネルギー砲を真正面から突き破りジオボーラーごとぶん投げて破壊!いや、いやちょっと待て(2度目)そのジオボーラーって2隻目のやつだよなぁ!もう絶対こいつらヨミのこと頭に入ってないだろうなぁというのがね笑。誰か救出に行ったよな?まさか。
という怒涛の反撃でプロフェス師団を退けることに成功、青歌は全ボイドにで呼びかけドミネイターに宣戦布告をすると。
*この時他のボイドがドミネイターに制圧される様子とか反抗するコマとか出てたけど、その中で西洋風の甲冑を着たボイドがあってそのデザインが中々に良かったんだよね。天津之黄泉が和風ならきっと西洋風のボイドだろうか。これから本編で登場してほしいけど出番あるかな。
胸糞バットエンド
最もこのnoteで触れたい部分はここからの展開、この感想を書く上で1番の動機となった部分でもあります。それはヨミの一連の扱いの酷さを決定づけたと言ってもいいくらいのシーン。では、このシーンは8巻の終盤で真白と火花が抱き合おうとするシーンだがこのページ上部に注目してもらいたい。
!!!!????
ォォィちょっと待ってくれ、なっんだよコレ、かなり受け入れがたい展開よ。り、理解不能すぎる(震)よりにもよって何故あのネクトゥに抱えられてるのか。驚きというか唖然としてまう。本当にこの場面だけは何回読んでも思考停止してしまう。
ではまず、トンデモカオスなこの状況を整理するためにまず順を追って色々この場面の描写に注目する。その前に、まず問題のコマの前ページを見てみないとこのコマで何が起きているかを理解できない。重要なのは前のコマとの連続性である。実際、初見ではこのページのコマだけではただヨミがカスネクトゥに抱えられてるコマしか目に入らなかったので混乱するだけだった。
このページの撤退シーンとヨミ隊の兵士たちが抱き合ってる隣のコマ、ゼインの人機戮王の左上にある飛行体、コレよく見てみると形状が朱雷蛾っぽくない?他で無傷なドミネイター側の人機は朱雷蛾しか残っていないし。そして次ページで例のコマになるわけだが、ゼインの視線に注目してみよう、ゼイン視点で右上を向いている。そのゼインのコマの隣にヨミ・ネクトゥのコマが配置されてるということは、この位置関係を考慮するとこういう推測が立てられる。当初このシーンはヨミがどこかに転がっていてそこにネクトゥがやってきて抱えているシーンだと勘違いしたが、そうではなく朱雷蛾のコックピットで抱えているのだと、つまりネクトゥは何と驚くことにヨミを略奪しお持ち帰りしているのだ。これに気づいた時、思わず脱力してしまった。しかもこんな事をホイホイ許してしまう天津之黄泉兵の無能っぷりにも呆れてしまう…お前ら一体何をしてたんだよ…
該当部のコマについて少し深堀して見てみたい、このページは時間と空間が異なる複数の登場人物が1pに個々の場面が集約されたクロスカッティング のような 構成になっている。このページ全体がコンティニュイティ編集のようなものかと思ったが、前後関係を考慮するとコンティニュイティ(連続性)を持っているのは飛行物体→戮王に乗ったゼイン→ヨミのコマだけである。そのほかの真白・火花・青歌・マジコらは場面の描写的な意味においても、ネクトゥとは立ち位置的にも異なる存在である。
そしてこのことがなんとも言えぬ違和感も醸し出している。敵に勝利して喜びを分かち合うというカタルシが達成されるシーンにひっそりと忍び込んでる異物感。前述した通りこのコマでは勝者側の天津之黄泉と真白達一向が勝利を分かち合ったり、青歌のように後ろ姿を見せシステムに利用されていた幼子や兵を失った悲しみ、コレから天津之黄泉を率いていく責任など読み手に想像させるような描き方がなされている。真白側のコマとネクトゥ側のコマの関連性や関係性的には高くは無い。前ページの流れ的にこのコマ構成にした可能性の方が高いかもしれない。
何よりこのシーンで読者がもっとも注目するのはこの天津之黄泉側と特に主人公たちである真白と火花の抱き合う瞬間のコマである。となると自ずとこのシークエンスを一つの全体としてみた時の印象はどうだろう?ハッピーエンド、主としてポジティブな感情を想起させられる筈だが、上のヨミが連れ去られるという意味不明な展開とその描写されたコマを入れてることによって、手放しでは喜べない後味の悪さ、悲劇性を感じられるようになっている。このコマ構成が意図したものなのかそうで無いのか、ただ前ページから続く連続性を意識してゼイン→ヨミのコマを上ふたコマに入れただけなのか。
意図して描いたものであるという見方も可能かもしれない。また前ページに戻ってみると、上からボイドの上空の壁、撤退していくドミネイター、その下にミズノハ兵装をした兵士の左手首と人機の腕、一瞬ヨミの腕??と思ったが、ヨミは右手首が飛んだので、恐らく名もなき兵士のものだろう。この映画でいうクロスカッティング のコマ構成を見るとどういう感じ方になるだろうか?恐らく相手を撤退させたが、此方の犠牲も出ている。戦場のリアリズム的描写で決して無傷な勝利では無いという意味と捉えることができるだろう。それと同様にこのゼイン・ヨミ・ネクトゥと真白ら一行の場面でも表現しているのかもしれない。他の読者はどう見たのだろうか気になるところだ。
さらに、この場面で表情が見えないキャラとコマが数カ所ある。読み手の想像・解釈の余地が大きくなる描き方をすることによって心理的な効果、読者の想像を惹起してそうだ。前述した戦場のリアリズム、立場によって別れた明暗を意識したページのコマ構成ならば、文脈的効果的にそれぞれ主要キャラが味わった栄光と悲運、ヨミは残酷な悲運、真白・火花は困難を乗り越えた先に掴んだ勝利、青歌は両方とそれぞれ別場面のコマの組み合わせでそうした意味を提示していると読める。このページではこうした心理的な効果と文脈による意味により、何やら劇的な場面としてこのページの印象付けがされる効果を発揮してるんじゃないかと。最初、クレショフ効果?と思ったがそれだとコマとコマの一対一の関係でないといけないのかなとも思い、複数のコマが並んでるこのページはクレショフ効果と似た効果で文脈効果という読み方をしてます。違ったらすいません。笑
で、仮にそうした演出意図があったとして、それならコンティニュイティ 的にこのページじゃなくて前ページにコマを配置した方が連続性がはっきりして良いのでは?と思った。コレが前述したモンタージュ心理効果を狙うのだとしたら別だが。しかし、しかしだ、それならヨミが一人で倒れているという絵でよくね?なんなのだ?この異物感というか大きな違和感。いや、ヨミがネクトゥに抱えられてしまってるというだけでものすごい不快な事案なのだがこのコマの演出がまたその不快な気分を一層強くしてる印象。ここでただネクトゥだけが描かれているというのでも問題ない。ゼインとネクトゥで別れた明暗という納得できる十分な説明描写になるのだから。
*皆さんはこのコマについて、どう読解しただろうか?
と言うかそもそも、瀕死状態で無抵抗のヨミがネクトゥに連れ去られるという展開自体が全くの意味不明で受け入れ難い展開であるという大前提で話さなければならないし触れないといいけない。この鬱展開を精一杯理解するとなると、ヨミに殴られてネクトゥが崖から落ちる際、「君を愛している」鳥肌が立つ台詞があった。なので、ヨミを愛している?ネクトゥくんは必死にヨミを探して持ち去りましたとさ。
!!??いや誰が受け入れるんだそんな恐ろしい展開…しかもだ、この台詞をもとにもう一度このページを見てみると?説明した劇的な心理的な効果により、ネクトゥが愛する女を喪った悲しみにくれているみたいに見えてこないだろうか?God damn it!!!!それトンデモなく恐ろしい描写じゃないか!!一体いつからヨミはネクトゥの恋人になったというのだ。ヨミがそんなこと望んだのか?そんな展開じゃなかっただろう。無理矢理すぎてついていけない。いや、細かい描写があっても気持ち悪い、無理だけれど。だって根室と真白がいい感じになったらキモいってみんな思うだろ?そもそもネクトゥというキャラはそんなことが許されていいわけがないのだ。例えば、根室が負傷して今にも死にそうな真白を抱えて連れ去っていったとほぼ同じような展開・出来事なのである。
振り返ってみると。7巻におけるヨミの作劇はほとほと残念なものであったが、前に触れた通り、レイプされただけならまだ持ち直せよう、身体はウィンヴルガ の機能で治せるのだし。でもコレはダメだろタダでさえ生死不明の危険な状態なのに、今まで半端な描写しかないちょい悪役のストーカー殺人鬼キャラに連れ去られましたなんて、考えられうる最悪の展開じゃないか。そもそも全く唐突に何の脈絡もなくこんなクソ展開がオッパじまりしかももう話の結末で。どうしてそんな、しかもたった一コマで…大混乱必至である…しかも今まさに最悪な行為が行われている中、誰もそれを気に留めていない喜んではしゃいでいるのだから。何という孤独。登場人物の中でいったい誰がこの悪行を理解しているのだろうか?否、誰も知らない。ではいったい誰がこの悪事を暴いてくれるというのだ?コレじゃネクトゥの一人勝ちでは?だってこいつ任務放り出してストーカー根性爆発させ、ヨミとの死闘という独りよがりな行動を実現させ、挙げ句の果てにはそのヨミの遺体を持ち去ります?トンデモ御都合主義にもほどがある。この展開を挟むだけで全てが台無しになってるのでは?天津之黄泉編はネクトゥの都合のいいように終わりました。と総括しても大げさではない。マジで一体ヨミが何をしたと言うのか…この天津之黄泉編、これではヨミの一人負けで不幸を一身に受けた被害者にしか見えないのだ…
しっかしこのページ、発売から3年経った今でも心理的ダメージを喰らうよね。これ完全にどう見ても無抵抗のヨミを連れ去ってるということでしょ?同意の上なんですか??クライマックスの人機戦繰り広げられる中ヨミは一体どうなったんだよとヤキモキしてたらコレですよ。しかも結局生死不明扱いだし。いやもしこの時点で死んでたとしたらそれ遺体略奪じゃねーか。ヨミ踏んだり蹴ったりどころの話じゃない。なんだ陵辱された挙句遺体略奪って。しかもあのネクトゥに?流石に扱いが酷過ぎて開いた口が塞がらん状態。これではドミネイター陣営ではネクトゥの独り勝ちという事になる。
ネクトゥ御都合主義?問題
Q.ネクトゥってどんなキャラですか?
A.一言で表現すると実力がある根室。
扱いがヘボ根室とは違ってサブキャラで敵側の中心キャラということだけでこの二人は似た人物。
お気づきだろうかネクトゥと根室のやってる行動とその行動原理がほぼ一緒なことを。というかこの二人、元々真白狙いだったしね。被るから変更されたのかもしれない。(まぁドミネイターなのでどれも似たり寄ったりの人物なのはあるにしても。)強化版なので、実力がある分タチの悪さは上だ、しかもエイトラウンズという敵側の主要グループで、ドールマン隊に所属なので色々と作劇的な扱いも根室とは一線を画しているがストーカー殺人鬼なのには変わりない。そしてこのネクトゥがドールマン隊所属ということを踏まえてみると、色々ネクトゥだけ異質である。ドールマン・グロリアは男女の愛と愛する子供を産むというテーマに沿った作劇がなされ、ゼインはドミネイターでありながら、女を強姦するのでも、虐殺するわけでもなくあくまでも任務で戦うという軍人的姿勢で、必要以上に女をいたぶらない誠実な少年だ。そして真白に惚れて、真白側につきドミネイターと戦うという道を選ぶというある意味男側の主人公とも言える。じゃあネクトゥは?こいつだけは生粋のドミネイター的人格だ。初登場時、快楽殺人を楽しんでいるシーンがあった。欲求不満を抱えながら。それが天津之黄泉編でなぜかいきなりヨミに目をつけ始める。まぁコレはヨミが強いからだろう、強い女と戦う快楽が欲しかったからという理由で一応は理解できる。しかし、このキャラの描写や掘り下げが根本的に不足していないだろうか。こいつだけキモい動機でちょこちょこ動かれても単なる負け役という立ち位置にしかならないしそんな状態でヨミとの戦い展開をやられてもやはり強引だし、しかもあの結末だ、無理矢理やっつけてしまった感が半端ない。ドールマン・グロリア・ゼインと比較するとコイツだけなんの心情描写の深堀り、過去の体験とかが全くない。扱い的にモブなのである。ちゃんとした悪役、ドールマン隊とは対立する存在として先ず描かれるべきだったのでは?それが目立った対立もなく、というかゼインとネクトゥの仲が良好な時点でちょっと謎なのだ。どう考えても対立するべき敵同士だろ。真白を巡って、女を巡って対立するべきライバル同士じゃないのか????
強い女に執着する理由とはきっかけとは何かとか、抑圧的な不満を抱える描写とかも必要だったろう。過去に強い女にボコボコにされ実はマゾに目覚め、故に強い女、全力をぶつけられる骨のある女を求めるとか。強い女に滅茶苦茶に拒否され、より一層手に入れたいという執着心が生まれたとか。これってヨミじゃなくて同じドールマン隊のグロリアが相手役としては適役ではないか???しかし多分こっちは作者のお気に入りな気がするのでその線から外れたのかだろうか。
まぁ、他に色々あるだろう。アマガネでもいいし。それもないので安直な動きに見えてしまうのではないか?しかもゼインと比較すると物語上のコンフリクトだとか、達成要件が軽すぎるというか安易に達成されすぎてる。悪役としてきちんと描ききれていないのだ。いや、作者は悪役として認識してなかった説があるかもしれない。その唐突な展開のためにネクトゥの誘い水に乗っかってしまうというヨミの脇の甘さという印象にもなってる。
そして普通に考えればこの戦いで殺されるべきではないか?それがヨミに殺されたわけでもなく、ヨミに圧倒されることで一人SMプレイを演じ、ラッキーで事実上の勝ちを得て、ちゃっかり目当ての女を痛めつけるという快楽を達成し、歪んだ劣情を発露させ、生き残り、反省するでもなく、改心するでもなく、力尽き倒れている無抵抗なヨミを略奪し一丁前に悲壮感を漂わせている。なんじゃあそりゃ…なんかキャラとして成長したのか?いやしてない。いや、仮に成長したからヨミに近づき手に入れるというのが許されるわけでは断じて無い。行いからして手遅れだし、しっかり殺されるべき、なんの愛も与えられず、後悔の念を抱きながら退場するべきキャラなのだコイツは。一つ懸念というか、ウィンヴルガ では愛がテーマの一つだ。まさかだが、ネクトゥはヨミとの戦いで愛を知りました。なのでヨミを持ち帰ったのです。という結論か?え?その可能性は高そう?いや、もしそうならというかそれにしか見えんのだが、もうかなり歪んだものだよ。それ、根室と何が違うのだ?同じ穴の狢だよ。こっちは否定されて、なぜネクトゥは肯定されるのだ?謎である。もしこのまま作品自体終了してしまえば、ウィンヴルガ の評価が落ちる一つの指標になるだろう。
これが、ネクトゥというキャラと与えられた展開が御都合主義に満ちているという理由。まぁネクトゥがしっかり描写され、ヨミとのカップリングを成立させられてもはっきり言ってクソだしそんなのは断じで必要ないのだが。
それがなんの描写もなしに一方的なカップリング成立風にしました、みたいなのはただただ酷いというしかないよなぁと。どういう気持ちで見ればいいか分からん。
そして問題はこれだけでは終わらない。
真白・火花の発言
8巻40話にて、居なくなったヨミを捜索し、残念ながら見つからない。もどかしいシーンがある。その際の真白・火花の一言。
???「真白、そこに愛はあるんか?」
ここで言う愛というのは異性愛・同性愛などの愛ではない。敬愛・友愛の感情だ。もし、これが真白にとって大事な人なら軽い捜索だけで諦めるなんてするか?真白の為に無謀な特攻をし、成長を促してくれた人に対して、あっさりし過ぎているだろう。しかもヨミの怪我の状態を知っているのにも関わらずだ。
こいつらさぁ…本当頭痛くなってくるよ。自分の身体を犠牲にして女のために戦った功労者ヨミに対してこの扱い。なんかヨミが報われなさ過ぎて泣ける。飛花もまだヨミとは反りが合わんのじゃみたいな態度を見せるし、お前この期に及んでそれかよ…ここら辺の問題はヨミの描写と真白との因縁があるにも関わらず繋がりがそこまで深められなかった故の言動であると見做せるかもしれない。真白、ヨミに対しての愛はあるんか??
これでは、あの場でヨミに対して愛(歪んだ)、もしくは執着があったのはネクトゥ只一人だったという事になってしまうのでは??それがまたなんとも言えない後味の悪さを感じる要因なのである。
しかも真白・火花らヒロインsの発言だけでなく、ヨミ隊のお前らまで何納得してんだアホかもうヨミを探すと言う行動を期待はこの無神経な発言により絶たれたようなもん。自分らの隊長もっと血眼で探さんかい!!!
ヨミは味方側からもぞんざいな扱いを受けてるのである。ヨミは敵の陵辱ストーカーに連れ去られたという一大事にこの無神経発言にヨミ隊の兵士は同意してるのである。お前ら、4巻冒頭でヨミに鉄串刑やレイプから助けて貰ったよな?ならその恩を果たしに行ってくれ。なんか真白だけが救ったみたいな話になってるけど違うぞ。ヨミだって、犯されて処女を失い行き場を失った敗残兵を隊に引き入れてくれたじゃないか。
この最終決戦におけるヨミの働きと貢献度って計り知れないもの、それがなんの弔いもなく、英雄として語られるわけでもなく、放置。しかも真相は敵側のストーカー殺人鬼に誘拐されたという最悪。間抜け以外の何物でもない。ごめん、君たちやっぱ断罪の間で鉄串刑を受けた方がいいぞ。いや本当そのくらい態とらしさを感じざるを得ないのだ
しかもこの火花、わざと真白の気をヨミから逸らそうとしてないか??
味方側から誰も心配されない、助けにも来てくれない、こんな悲劇、圧倒的鬱エンドとしか言いようがない。誰がヨミの苦労、屈辱、孤独を分かってやれるんだ?誰が彼女を気にかけてくれるんだ?誰も居ないのである。
しかもまたこの花火バンバンが間抜けっぷりをさらに引き出しているのだからどうしようもない。そんなことやってる場合ではないだろ。
敵側だけでなく味方側からも屈辱を受けるとは、見てるこっちの感情の置きどころがない。もしヨミがヒロインだったらコレからヨミを助けに行く展開になっていくだろう、しかしヨミはサブキャラで、しかもその末路は誰も知らないし興味も持たれてない。最悪である。それに、この表のストーリーライン、主人公たちの認識から外れてしまったと言うことは完全に隠れた、誰からも、読者の認識からも外れてしまったようなもんだ。
コレがアマガネだったらどうか?火花は「自分でなんとかしたはずだ」なんて言い出し、真白もそれに安易にそうだねとか軽佻浮薄な言動に同調するだろうか?絶対そんなことはないはず。実際ずっとアマガネが捕らえられた姿は目に焼き付いていただろ。それがヨミだとこの調子だ。コレは、7巻の感想で書いたヨミのキャラ描写が足らない、主人公たちとの繋がりが薄いという話に戻るかもしれない。でも真白にとってのヨミ、ヨミにとっての真白は決して関係が浅いわけではない。それは8巻の番外編のヨミの過去を見ればわかる。なのだが、それが本編では明かされず、真白も結局知らずじまい、ヨミもヨミで別に〜という態度に終始してしまったのだ。かなり悲しいし作劇としてもなんか薄味気味だ。
ところでこの連れ去り、見ようによっちゃなんか含みがある終わり方、描き方だとは思わないか?実は自分も半年前はそう思ってツイートしたりした。
まぁこの後ネクトゥは登場してないんですよね。いや、まあネクトゥが死んでないのは明らかなので完全に作品から退場したわけではないのだろう。いやこのまま退場されたらたまったもんじゃないんだけどね。だからもうこれに関しては宙ぶらりん状態なんですよ。で、これが次の展開の伏線なのかどうかですよ。演出的にはなんかクリフハンガーっぽいじゃないですか?これ以上ヨミをどうにかしてくれるなよと怒り状態なんですけどこのまま作品が終わられたら最悪なので伏線であってくれと願いたい所なのだが。
ここでふと思い出したことがあった。そういや3年前くらいに作者の綱島先生のツイッターでヨミの落書きがあったな。う〜んどれどれ検索してみようか。
ヨミ現代転生してヒモになるという落書きを思い出す。
完全に忘れてたそういえば作者がこんな落書きネタを投稿していた。じゃあヨミ死亡確定じゃん。もうますます感情が乱れるのである笑
あんな、含みのある終わり方してこれなんです??やっぱ支離滅裂だしやっつけじゃん…まさかの公式によって希望をへし折られていたのだ。
もうこれじゃあ批判的意見というか感想にしかならないよね。それにしてもなんか雑であるという感想だ。この落書きがなければ伏線のままで入られたのに公式があえてそれを破りにくるとは…もうヨミを扱う気はないのか。はっきり言って作者に冷遇されてしまったキャラという結論になる。今からでも無かったことにできませんかねコレ…今なら気が変わったとか、いやコレフェイクだからとかいくらでもやりようはある。それに、まだネクトゥは生きれてるしあのまま退場は不自然極まりないのだから叛逆編での登場はあるはずだ。ただし、この落書きが正式なヨミの末路なら、ヨミは死んで、その遺体をネクトゥが所持していると言う話になるのだから益々気持ちが悪い話だ。勘弁してけれぇ…泣 死ぬ気で真白や天津之黄泉兵達がヨミを取り返しに行く話でも展開してくれないと胸糞悪いままで終わりそうよね。てかドールマン、お前の隊の問題児をネクトゥをなんとかしてくれ。グロリアを孕ませて満足してる場合ではない。お前の信念と相対する様なのがお前の身近にいるんだわ。
ヨミの為の物語・描写がない
これは飛花⇄アマガネ、そもそも掘り下げ描写が少ないと言う話は前項目でも述べたけど、天津之黄泉編を通してヨミ視点の話が希薄な感じはやはり否めないと思う。終始不都合なストーリーに動かされてしまっているように見える。真白の母、前女王シロガネとの関係があり主人公とは浅からぬ因縁があるし、黒巫女という異名を持つ最強キャラという設定もあるがこの両方ともさして活かせてない。それは天津之黄泉がやや性急な展開で進んだこともある。真白や青歌、そしてネクトゥに振り回され、大した見せ場もなく終わってしまった。ネクトゥとの対決もある意味見せ場であったが、この決闘はネクトゥ目線の視点で物語られているので、ヨミにとっては良くない結末になった。しかもこの場面、ネクトゥに戦いの楽しみを気付かされるという描写になっていて、きっかけをネクトゥが与えたみたいになってて、なんかキモい。そんな変態殺人鬼に粘着され、その言動により戦闘の喜びに気づきましたとかなんか疑問が残るよなと。それに、ヨミの喜びは主人に仕え、そのために命を賭して戦うことであってネクトゥの笑みとヨミの笑みとはまるで違うものだ。逆に純粋に戦うことが好きだ、というならもっと他に描写を見せる必要があるんじゃないのか?とも思う。しかも肝心の戦闘もあまり描写量的に多くもないし、ネクトゥのアレだって良いところがなく終えてしまったし。
で、主人のために戦うというところでじゃあ真白母のシロガネの事はどう思ってたのかなとか色々知りたい部分もある。なぜ真白に対して素っ気ない態度をとってるのか?とか。何か心の葛藤を抱えていたならそれを見せて欲しかった。もっとヨミを知りたいんだ。ヨミをストーリーの都合上だけで、しかも結構不都合感ありの、で動かしただけのキャラにするには勿体なさすぎるのでは?繰り返すが主人公らの過去の因果がありながら関係を深められてないし、ヨミの視点でどう見てるのか。というのも語られてないし、成長的描写もよりにもよってネクトゥ絡み。これではちょっと納得はできない。さらに結末がそのネクトゥに良いようにやられましたならなおさらだ。
それに、ビジュアル的にも綱島作品の中で上位を争うキャラデザだと思うんだよなぁ。萌とか可愛い系じゃない、ジンキのメルJやグロリアとも違う系統のキリッとして男勝りでクールな美女。ストーリー上の都合に合わせて雑に扱われました的なキャラで終わるには勿体なさすぎる。
*結局ヨミが生きてる可能性についてはラクガキネタや、思念体(幽体)として真白とウィンヴルガ の周囲に他の死亡キャラと共に現れているので限りなく0に近いと見るのがまぁ妥当か…ただネクトゥが持ち去ったあの謎描写については今後の叛逆編での登場を待つしかないし、その際あの後どうなったのかが語られると思うがやはりヨミは死んでるものとして扱われそう…個人的には作者の気が変わることを願うしかない。それに、名前がヨミだからきっと甦るはずだ(?)
ェロシーンについて
エロシーンについても少し感想を。ここの天津之黄泉編、4巻以降多分作者が言うようにチャンピオンREDから規制の圧がかかり、大分描写もおとなしくなってる方だとは思う。やはりその分展開的な派手さで補ったり、短縮せざるを得なくなり、アマガネの陵辱シーンを削ったり、ヨミの強引な陵辱展開になったりしてるのかなとかも思ったりする。アマガネのシーンも正直もっとエロは欲しいし、ヨミもヨミであの展開じゃなくてもエロは作れたのではとかも思う。まぁレイプも最小限度なのは救いかもしれないけどもっとエロシーン見たいなとか言う正直な思いもあったりする…笑全羅コックピットならぬ全裸殺陣シーンとか??四肢拘束機械とかもね。まぁでも7、8巻について、その時その時エロがあればクソ展開でも受け流しちゃうみたいな感じに大多数の読者がなってそうだなぁとかも思う。
*この感想で書ききれなかったこと
生きてるヨミを持ち去るのともう既に冷たくなってるヨミを持ち去るのでは訳が違うのだが、どうも後者の方がより一層気持ち悪さや、胸糞悪さを感じるのは何故だろうか。いや、勿論瀕死の状態で持ち去っていたとしても腹立たしいのだが、やっぱり死体をどうこう辱めるというのは人間感情的に最も許し難いものに感じられるからだろうか?これについて深掘りする時間や考えがつかなかったのでまた別の機会に考えたい。皆さんはどう感じるだろうか
そろそろまとめ
いやぁあのコマ改めてみるとマジで気分が最悪になるよなぁと。やっぱり出来るだけこのコマは見返したくないそんな気持ちにならざるを得ない。
なんでテメェがヨミを抱えて持ち去ってんだよと、どう考えてもそれ略奪じゃないか。この時点で死んでるのか生きてのか不明のやばい状況だし一刻も早く救出されることを期待してたのにだ。(生きてるに賭ける)落書きが正史だとすればこのヨミの末路に最低最悪なことになぜかネクトゥがヨミの今際の際にいたというのがマジで許せないし、こうなってくると周りの兵士は何をしてたんだよという怒りも湧いてくるんですよ。戦場で仲間、というかヨミは将軍みたいなもんだが負傷して倒れてたら普通は救助しに行くだろ?それがなぜかあの時ぶっ飛ばされて崖に転落していったネクトゥが回収しにいってるとか不可解すぎて頭がバグっちゃうよね。まぁと言うことでヨミ推しとしては勿論バッドエンドだし、ヨミ視点で見ても報われない最後を迎えた鬱エンドだったねと。まぁ真白が覚醒したし、ドミネイターも一旦退けたしそれでいいさとヨミは言うのかもしれないけどね。それこそ意味を与えなきゃいけない。でもその孤独とか侘しさにもしっかり目を向ける必要があるんじゃないかなと思います。表のストーリーではなんかヨミが最後残念だったけど、まぁハッピーエンドでよかったね。みたいな認識では居心地が悪い。
この感想を見て、いや単なるハッピーエンドじゃない。ひっそり鬱エンドじゃんという視点が増えれば、ヨミの悲惨さを認識してくれれば、ヨミ推しとしては嬉しい。
ところで、このヨミの末路がウィンヴルガ の結末の象徴したシーンだったら?つまり他の主要キャラも多かれ少なかれバッドエンドを迎えるのではないかと。あんなあからさまな不自然なヨミの行方をくらました終わり方を主人公たちが、それをしたばっかりに痛い目を見るとか。まぁ後悔とか反省はしてほしいよなと思いますね。あれじゃただの無神経で悪い印象が残ったままよ。本当は真白と一緒に、シロガネを探しに、救出しに行って欲しかったよね。ヨミの主人は青歌だけじゃないでしょ?
結び
この7.8巻、3年前に読んでそれきりで、今年の春に入ってあのコマのシーンに気づき、テンションが上がって、落書きネタでまた下がってみたいな感じになってました。それだけだとモヤモヤするし、行き場がないので批判よりの感想を書こうとなって訳です。
というわけで、7・8巻はヨミ鬱バッドエンド論として感想を書いてきました。感想を書くのが不慣れで未熟で、いろいろ冗長になってしまったのは否めず拙い文(同じ様なこと繰り返してる気もするし)ですがヨミ推しだったよと言う人にぜひ読んで欲しいです。この感想を読んだ感想、批判、もあるかもしれない。色々反応いただければ嬉しいかも。終
*公開してから3日も経たないうちに加筆修正笑。Xで共有リンク貼ったところ、なんとまさかの作者の綱島先生からRTいただいたおかげで想定より多くの人の目にとまってる様子。ありがたや〜。
他にも無印ウィンヴルガは10巻までの内容含め真白についての感想とか叛逆編1巻の軽い感想とか書こうかなと思います。
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