【SS】コロコロ変わる名探偵

金田一かねだ はじめは、その名前からみんなに『名探偵』と呼ばれている。

ある日、クラスメイトの消しゴムが無くなった。
「消しゴムは、この中にいる！」と言い、クラス全員の筆箱を片っ端から開きまくって名探偵モードに突入だ。
「もう、やめてよ。一はじめちゃん。」幼馴染の工藤ミユキは、そんなトンチンカンな名探偵に、ブレーキをかける役割だ。
「せやかて工藤…」服部平次？
「やめられるかよ。真相を解き明かすのが探偵の性なんでね。」今度は毛利小五郎か？毎回誰かにコロコロ変わるのがねぇ…
「消しゴムは見つかったの？」ミユキが尋ねると
「君に一つ助言させてもらうぜ。世の中には謎のままにしておいた方がいいこともあるってな！」
「それは怪盗キットのセリフでしょ？もう探さないの？」
「Need not to know. 僕はただの小学生さ。」

真実はいつもひとつ。迷探偵ってこんなもん。

#ショートショートnote杯
#コロコロ変わる名探偵