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市議会議員の定数が19から18へ

令和6年6月21日 第2回 定例会最終日に会派を代表し福生市議会議員の定数を19人から18人に改める議案を提出しました。正和会ほか生活者ネットワークと維新の会の10名が賛成し可決されました。

定数を17名とする議員提出議案第2号も出され、提案理由が述べられましたが、1号議案が可決されたことで一事不再議の原則※により議決不要となりました。

※一事不再議の原則: 議会で議決された案件は、原則として同じ会期の中で再提出できないというもの。

<提案理由> 議員提出議案第1 号福生市議会議員定数条例の一部を改正する条例

御指名をいただきましたので、議員提出議案第1号、福生市議会議員定数条例の一部を改正する条例につきまして、提案理由を述べさせていただきます。

本件は、市議会議員の定数を、現行の19名から18名に改正するものです。

議会改革について、今期は、令和5年10月16日の議会運営員会におきまして、議会改革の検討項目を決め、その中で、12月より福生市特別職報酬等審議会の開催が予定されていることから、議員定数削減について、最優先で検討すべき、ということで、これまで議論を重ねてきました。

「地方分権が進み、市議会の役割と責任が増している。また、社会経済の急速な構造変化を背景に、市議会には、多様化する民意の、市政への反映と集約が期待されている」。

これは、令和4年5月25日に出された、全国市議会議長会の「多様な人材の市議会への参画促進に関する決議」の一節です。議会において多様性を反映させることは、議会が形式だけではなく、その中身において、より良く機能するために、最も重要な要素の一つであると考えます。

市議会議員は、もちろん選挙を通じて選出されます。市民の期待を受けて、選ばれます。そして、その活動は、その一議員の「人格」全てをかけて行われるものです。

ここでいう「人格」とは、一人の議員の、知能、感情、意思など、個人に宿る固有の側面を持つ特性であり、心身の成長の過程で得たもの、関わった仕事、環境、人々との交流、子育てなどなど、諸事百般から得た、経験、知識、知恵、感性、スキル、意思の力、志など。。

こうしたものが、いわゆる多様性につながるものだと考えます。このような個人に属する、固有のもの、他者が代替できないものが、定数を1 名削減することで、そこに宿る多様性が失われるわけです。

これは大変大きなことであり、それはもう、ほとんどと取り返しがつかないものです。

さて、私の活動のなかでも、「市議会議員の人数なんかもっと減らせよ、もっとできるだろう」ですとか、「自分が選挙で落ちると困るからできないんだろう」、といった意見を頂くことがあります。

議員定数を決めるための決定的な判断基準はありません。そして人口を基準に定数を考えていくことは、その判断基準の一つです。しかしながら、そうした物差しをあまりにも重視し、減らせるところまで減らせばいい、というのは、削減しなければあったはずもの、そして、そこから紡ぎ出される言葉、そこから生まれる可能性のあった深い議論などが失われるのです。

さて、平成30 年度福生市特別職報酬等審議会の答申に応えるべく、これまで、われわれは、様々な議会改革を行ってきました。タブレット端末の導入やSNS による情報発信など議員活動の透明性を図る取り組み等々、19 人全員が議会改革を推し進めているところでした。

そして、令和5 年度福生市特別職報酬等審議会の答申が出されました。平成30 年度の答申内容に加え、付帯意見として「議員定数削減の検討を望みます」とありました。また今回は議事録も公開していただいています。議員の様々な現状を踏まえていただいたと思っています。

議員報酬の改定の議論の一方で、議員定数削減を促すご議論がほとんどでございました。大変率直な形でご議論いただいたことに、深く感謝しております。

私ども、正和会は、審議委員の皆様のご意見を真摯に受け止めさせていただきました。議論を重ね、答申の内容と、先に述べました定数を削減することにより、失ってしまうものと、そこから生じるリスク等とを勘案し、議員定数1 名削減の18 名という形で結論づけさせていただきました。

何とぞ、当条例案に対し御理解を賜り、議員各位の御賛同をいただきますよう、お願いしまして、提案理由の説明とさせていただきます。

議員提出議案第1号 賛成討論 山崎貴裕議員

地方分権一括法により、地方自治体は、国からの権限移譲が推進されていることへの対応や、多種・多様化が進む市民ニーズへの対応がもとめられていると思います。行政の仕事の幅が拡がれば、議会の果たすべき役割も大きくなって当然であると考えます。

削減は、議会全体でみると、二元代表制の一翼を担う議会の機能低下につながり、政策を含む市政全体の意思決定にも影響が生じるものであると考えます。議会運営委員会での議会改革の議論において、正和会は当初、定数の削減については慎重な意見が多く、削減には反対の意見を述べさせていただきました。人口減少が進んでいたとしても、それだけをとらえて行うべきでない等の理由からです。

このような中ではありますが、議員定数を1人削減し、定数を18人とする議案が提出されたわけですが、議員定数に対する基準は存在しておりません。しかし福生市の財政状況を考えますと、厳しい状況であることは承知しており、議員定数を削減することは微々たるものかもしれませんが、一つの策であると思ったところです。

また、市長が諮問した「福生市特別職報酬等審議会」の答申には、付帯意見として「市議会の議員の報酬を増額するに当たっては、市民負担軽減の観点から、市議会において議員定数の削減を検討することを望みます。」とございました。市民から選ばれた審議委員の意見についても重く受け止める必要を感じました。

なぜ、1名減の18人が良いのか。これは常任委員会の委員数から適正であると判断しました。参加者が多ければ、多様な意見が出され、意思決定が遅れたり、結論に至らない場合も起こり得ます。一方参加者が少なければ、意見が限定されてしまう懸念が生じます。

福生市では福生市議会委員会条例の規定により、3つの常任委員会について、総務文教委員会7人、建設環境委員会6人、市民厚生委員会6人として、所管事項の審査を行っています。議員定数1人の削減に伴い、委員数は各委員会同一の6人となることが見込まれますが、6人で行われている常任委員会での現状を鑑みると、十分な委員会審査が行われており、適正な委員数であるとも考えられるところです。

1人減となっても、議員一人一人が今まで以上にしっかりと責任感を持って議員活動を行っていくことで、議会の機能を高めていくことが出来ると考えることから、議員提出議案第一号について正和会を代表いたしましての賛成討論とさせていただきます。

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