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壬寅(みずのえとら)年

2022年の潮流

 暦の上では2022年2月3日までは旧暦に従って2021年 令和3年「辛丑(かのと・うし)」です。2022年2月4日から新年になります。2022年、令和4年の干支は「寅(とら)」です。より専門的に言うと「壬寅(みずのえ・とら)」です。

「壬(みずのえ)」は中国五行説の水行の陽です。「任」に通じ、任は物を載せ、長時間にわたって保つ意味であり、そのことから「責任を担う」や「任務を受ける」などの意味が生じます。また「説文解字」という書物には、「壬は北を指し、陰気が極まって陽気が生じてくる。この陽気によって大地に万物をはらみ始める」とあり、壬は女偏をつけると、女性が胎児を体内に抱く形状を表し「妊」となります。

「寅(とら)」は矢を両手で引っ張る形象であり、ひっぱる、のばす、すすむなどの意味があり「演」という文字に通じます。また古代人が矢を両手に挟んで誓いをしたことから、つつしむ意で、寅畏(いんい)は、慎み、恐れることを意味します。さらに「寅」は五行では木行。季節でいうと春のはじめで、陽気が発動する準備は整っていいて、まさに出でようと一触即発の態勢にあるものの、謹んで膝端で伸びている象意です。

 また「壬寅」は金箔の金(きんぱくのきん)とも言われ、非常に微量の金を意味し、素質はいいが本来の金の性質を発揮できない状態を示します。

「壬寅」の年は「誰に任せるか」人材の見極めとその登用がポイントです。多種多様な課題が一層増大していく、すすんでいく、そうした中でこれを一刻も早く解決していくための任務、任命を果たしていく人材が求められます。善良な人材がともに心を一つにし、誓い合い、つつしみ、油断することなくその「任」を果たしていくことが必要です。

 多くの有能な人材が求められますが、なかには「任」を果たせない力不足の者もいます。名声だけに固執する上べだけの者、人任せにしつつ利を得ようとする者も台頭しようとします。

 金箔を本物の金にする、本来の力を発揮するためには、自分の経験だけではなく、広く学び新しい知識と技術を自分のものにしていく必要があります。慎み深さ、謙虚、素直さをもって学ぶことが大きな「任」を果たすことに繋がります。

 慣習や伝統に縛られず、果断に適材適所の人事を行う必要があります。問題の本質を見極め、課題解決のために必要な改革の「任」を担うことができる人物、自ら進んで知恵を絞り、汗をかこうとする人物、よくよく見極めていくことが肝要です。

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