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夢に縋る

 私は地元を去ってかれこれ15年以上の歳月を今の場所で過ごしている。それも高校までの付き合いのあった人の連絡先を全て消して。それでもこっちにで出来た大学時代の友人や、中学の頃の友達がこちらへ越してきたこともあり、付き合いを続けていた人は基本的に関係が続くことになり、何だかんだ不満はなかった。

 しかし、年を取り、結婚をする人も出始め、そうなると今までのように過ごすことは出来ない。そうなってからもう何年経ったか分からないが、私の空白は未だに埋まらずに居る。

 必要なパーツはずっと抜けたまま今もこうしてノートを執筆しているのである。

 そんな私の夢の中に、時々色々な人が訪問してくる。その中でも特に親友の存在は大きい。空白を埋めていた割合としては8割と言っていいのではないだろうか?その時の友人との付き合いや彼女等、比率の変動は当然あるが、人生思い返せばその親友との付き合いが一番私にとっては何も気を遣わずに接する事の出来た存在だったような気がする。

 だからこそ、一緒に過ごせる環境ではなくなってしまった事による影響はどんな人よりも今の所、一番影響を受けてしまっている。

 年に1度東京で遊ぶことはあったものの、それも世の中が混乱して随分と機会を奪われてしまっている。それが結構辛い。

 思い返せば結婚をして、この場所を離れるその時まで一緒に過ごすことが多く、最後の方は本当に週1で一緒に居るような間柄であった。一体彼は彼女といつ付き合いを持っていたのだろうか?時間はあったのだろうが、時間が明らかに少ない気がする。マジで。

 本当に過ごす頻度が多い相手が離れてしまうと、空白も大きいし埋まる訳がない。この年でこの空白を埋めきるには、よほどの関係がないと厳しいだろう。

 振り返れば当たり前ではあるものの、中学の頃から付き合いが続いているので、お互いずっと変わらずにいるようなそんな感覚に陥る。確実に年を取り、確実に老いているにも関わらず、一緒に居る時間が長い人であればある程、お互いの老いというのは認識出来ないものである。

 付き合いの長い友達を思い浮かべてほしい。そいつは老けているか?と聞いてしまうと答えはイエスと返ってくる率も高いのだろうけども....

 長きにわたり過ごしてきたので今まで変化というものを感じなくなってしまっているが、今はもう2年、3年目か。3年合わないと流石にお互い最後に会った頃と比べると老けて見えるようになっているだろう。

 これからはお互い会う度に老けを認識するのだろう。それぐらいの頻度でしかもう接する事が出来ないのだから。

 それでも、私の夢に出会いに来る人たちは誰もがその時一番輝いていた頃の姿で現れる。もし私が誰かの夢に現れるその時は、一番万全な私であってほしい。

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