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お金が無くなった者の末路(1)

 ネットカフェで仕事をしていると、本当に色々な人と出会うことが出来る。普通の学生の人から、刑務所に入っていたようなアウトロー系な方まで。女性のお客様も勿論来店される。

 忘れた頃にこの書き出しで始めて見る。タイトルを書いた時点では現場で起きたとある事を書こうと思ったのだが、書いてから(1),(2)と続けていけるぐらいのパターンがある事に気づいてしまった。それだけ現場ではお金が無くなったお客様の末路を見届けているのだから。

 今回は書こうとしていた事案の方を書こうと思う。

 皆様はパチンコをやったり、スロットを打ったりするだろうか?私はどちらもやらないし、日本から全パチンコ、スロットを排除してほしいと心から願っている。景観が滅茶苦茶汚い。日本を出ていきたいとは思わないものの、これを見ると出ていきたくなるぐらいには嫌いである。

 そんなパチンコ施設に行くお客がやはり私のお店にも多く、幾ら負けたという話が出てくる。どの人も基本的には負けて帰ってくるので、やはり基本的に期限が悪い。

 しかし、今回お店を出て行ってしまうお客様が居た。話を聞くと、パチンコに負けてしまったそうなのだが、肝心のブースの更新代までパチンコに投入してしまったそうだ。結局負けてしまったものの、次の更新代が払えなくなる為、結果お店を出なければならないという状態になってしまったのだ。

 所持金(財産含む)をすべて費やしてしまう気持ちが私には理解が出来ない。それらを食費に回せたら色々良いものを食べることが出来るのに。衣類だって買えるのにと。

 何より、宿泊費として残しておかなければならないお金を、突っ込んでしまう気持ちが理解出来ない。

 去る前に私にお金を貸してほしいと強請る始末である。信用云々以前に、相手は店員である。それも仮にも店長を任されている立場のスタッフである。そんなスタッフにお金を強請るお客。お金を取っても、与えることなどある訳がないのである。何より職務中なのだから、NO以外の回答は出てくるはずがない。プライベートではないのだから。

 プライベートでも、お金を貸すのは無理である。なぜなら残さなければならないお金を使ってしまうような管理能力なのに、返ってくる保証なんて抱けないというのが本音である。

 と、ここまで書くと、お金を貸すケースというのは基本的に存在しないなと。借りないと辛くなる人のお金の管理能力は、一般の人より欠如しているという結論になった。ではしっかりした人になら貸せるのか?という話だが、そうなるとそもそも借りるようなケースなんてまず発生しないだろう。カードを持っているだろうから。

 持ち合わせがなくてすぐ卸すというパターンか、カードを忘れてしまっていて、立て替えという程度ではないだろうか?せいぜい。

 となると、たとえそれが事業資金の調達だとしても、ある程度はやはりお金を用意出来ないと、そりゃ貸してくれるわけがないよねという結論に達する。

 結局お金を借りられるかどうかというのは、回収見込みが立っているかどうかである。

 尤も、そもそもスタッフとお客という関係である以上、そのやりとりをしてしまう事は、トラブルを生み出す要因でしかないので、本社からはNGなのである。ストレートに貸してほしいと、本気のお願いを受けたのはこれが最初である。ふざけてお小遣い頂戴と言ってくるふざけたお客様が実はいるのだが、字のごとくあくまでもふざけているだけなら被害なんてゼロである。適当に聞き流せばそれで終わりである。

 しかし、本気のおねだりは営業妨害である。

 厳しいような意見ではあるが、お店でのやりとりは等価交換の下に、お互いの利害関係、取引条件が満たされて初めて成立するものである。その条件を満たせない人は、例え警察だろうと、社長だろうと、そして総理大臣だろうと、お店のゲートを通すわけにはいかないのだ。

 残念ながら、今回のお客様は取引を対等に行える相手ではなくなってしまったというだけのことである。

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