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【らいむ回顧】ラップでレースを振り返る!【皐月賞/アーリントンC】

こんばんは!碧馬らいむです🍀🐴

今回は皐月賞アーリントンC回顧です!🐎
力を発揮できた子とできなかった子、そしてダービーで巻き返しを期待したい子は…!?どんなレースだったのか一緒に振り返っていきましょうー!

※この回顧にはボク自身の主観も含まれています。ボクの考えが全て合っているとは思いませんし、見る人によっては違う見解になると思います。ラップとレース映像を照らし合わせてボク自身が感じたことを書き記していますので少しでも振り返りの参考になれば嬉しいです。



🍀皐月賞🍀

【中山芝2000mコース図】

【コースの特徴】

中山芝2000mはスタート後とゴール前と急坂を2回上るコースで、他場の2000m戦と比較してもパワーが必要なタフなコースです。
スタート後は急坂を上り1コーナーも上り坂となるため前半はペースが落ち着き、2コーナーから下り坂となるため徐々にペースが上がる流れになりやすく、最後までバテずに走りきる持続力やコーナーで加速する器用さも求められるコースです。
皐月賞はGIということもあり、前半のペースが速くなりやすく追走力も必要となるレースです。



【レースラップ】

12.6-11.0-11.6-12.2-12.8-12.3-12.3-12.0-11.4-11.5
前半3F35.2-後半3F34.9(後傾0.3秒)
前半4F47.4-後半4F47.2(後傾0.2秒)
勝ちタイム1.59.7-ややスロー〜平均ペース

※平均ラップは過去5年のもの

中山は週中に降雨があり土曜は重馬場、日曜は稍重馬場でのスタート。日曜5レース前に良馬場に回復しましたが、速い時計が出るコンディションではありませんでした

今回のレースラップを見てみると、中盤で12.8と大きく緩み後半のペースアップも遅く例年よりゆったりした流れとなっています。速い流れになりやすく道中の追走力も求められる皐月賞にしては異例とも言える流れでした(その要因についてはレース展開の項目で後述します)。

また、この週の中山は馬場傾向に大きな特徴が見られました。そちらを確認してからレースを詳しく見ていきましょう。



【馬場状態について】

この週の中山は雨で馬場が傷んだ影響もあってか外枠の好走が目立ち、道中も外を追走した子の好走が目立っていました。
そこで皐月賞までの中山芝レースで、4コーナー出口から直線にかけての各馬の進路を表にまとめました。それがこちらです。

※5着馬までは馬番の背景を赤くしています(濃い赤は1着馬)。


〜4月16日(土)〜
○中山5R 3歳未勝利(芝1600m)
1着 9番ベストフィーリング
2着 13番クインズステラ
3着 10番スペースシャワー
4着 11番ソレントフレイバー
5着 16番ウィンソフィー


○中山6R 3歳1勝クラス(芝1200m)
1着 7番ブレスレスリー
2着 6番ブランデーロック
3着 8番スマイルアップ
4着 5番メイショウグラニー
5着 15番スウィートプロミス


○中山7R 4歳上1勝クラス(芝2200m)
1着 10番エトワールマタン
2着 11番マイネルヒッツェ
3着 8番ボンベール
4着 3番カトゥルスフェリス
5着 5番マイネルマーティン


○中山9R 山藤賞(芝2000m)
1着 8番ローシャムパーク
2着 5番レッドランメルト
3着 9番サンストックトン
4着 4番マイネルクリソーラ
5着 3番ルークスヘリオス


〜4月17日(日)〜
○中山4R 3歳未勝利(芝2200m)
1着 14番キングズパレス
2着 12番フィレンツェ
3着 15番デザートスター
4着 16番マイネルキング
5着 17番スピアヘッド


○中山8R 袖ヶ浦特別(芝1200m)
1着 12番マウンテンムスメ
2着 7番ラストリージョ
3着 9番ショウナンラスボス
4着 10番サイヤダンサー
5着 14番クムシラコ


○中山9R 野島崎特別(芝2000m)
1着 6番パープルレディー
2着 8番ヒューマンコメディ
3着 5番ブルームスベリー
4着 2番アトミカ
5着 12番エンジェルサークル


と、このように外を回した子の好走が目立ち、直線でも最内を走り続けた子は一頭も馬券に絡んでいませんでした。
4月16日〜17日の中山芝の枠順別成績を見てみると…


内枠(1〜3枠)
1-1-0-38/40
勝率2.5% 連対率5.0% 複勝率5.0%
単勝回収率7 複勝回収率10

中枠(4〜5枠)
3-2-4-22/31
勝率9.7% 連対率16.1% 複勝率29.0%
単勝回収率49 複勝回収率303

外枠(6〜8枠)
5-6-5-40/56
勝率8.9% 連対率19.6% 複勝率28.6%
単勝回収率68 複勝回収率139


と、内枠の成績が極端に悪くなっており内枠不利・外枠有利が顕著な馬場状態でした。
土曜中山9R山藤賞では、1枠に入ったデムーロ騎手騎乗のエンギダルマがスタート後早々に外に出し終始外を走らせる競馬をしており、ルメール騎手騎乗のローシャムパークは道中早めに先頭に立つと内数頭分を空けて走り更に直線では大外まで持ち出すなど馬場状態を意識した騎乗が見られました。
日曜中山9R野島崎特別でも逃げたアオイゴールドは直線で内を避けており、後半のレースでは特に内を避けて走るレースが目立っていました。

ここで先に皐月賞での各馬の進路も確認しておきましょう。

4コーナーから直線入口にかけて


直線で馬群が広がった後の各馬の進路

1着 14番ジオグリフ
2着 18番イクイノックス
3着 12番ドウデュース
4着 1番ダノンベルーガ
5着 2番アスクビクターモア

例年よりゆったりとしたペースとなったことと、外が伸びる馬場となり内枠不利・外枠不利が顕著となったことを踏まえた上でレースを詳しく見ていきましょう。



【レース展開】

キラーアビリティ、ジャスティンロック、ジャスティンパレスが出遅れて後方から。更にデシエルトは躓くアクシデントがありました。
内からアスクビクターモアがハナを奪うと、ボーンディスウェイ、ビーアストニッシドが続き遅れて外からデシエルトがポジションを上げていきます。その後ろのグループに有力馬が集まり内にダノンベルーガ、外にジオグリフ、イクイノックスと続きます。中盤でペースが緩んだ要因がここの逃げ争いにありました。

デシエルトは逃げ宣言をしていましたが、躓いたことにより先頭集団につけるまで時間がかかってしまい逃げるアスクビクターモアに追いついたところが1コーナーの入口でした。
ただでさえ先行するために脚を使っているなか、コーナーで外を回しながらアスクビクターモアを交わしてハナを奪うとなると更に脚を使う必要があり前半に大きく消耗してしまいます。1コーナーに入ったところでデシエルトの鞍上の岩田騎手が手綱を引っ張っており、無理をする選択は避けたのではないでしょうか。

それによりペースを握ったのがアスクビクターモアと田辺騎手
アスクビクターモアの前走は中盤が緩んだスローペースの弥生賞、2走前はさらにペースが緩んだレースで自ら速いペースを刻むタイプではありません
そして田辺騎手もスロー逃げを好む騎手。芝中距離戦で彼が逃げた時はペースが緩むことが多いのが特徴です。
このコンビが逃げたことにより、中盤で12.2-12.8-12.3…と緩む流れが形成されました。

レースに戻り、アスクビクターモアが先頭で1コーナーへ。ここで動きを見せたのがイクイノックスとルメール騎手。ペースが緩んだタイミングで外から徐々にポジションを上げていき、向正面に入る頃にはジオグリフを交わし3番手グループの外まで進出しています。
この動きにより1コーナー入口ではオニャンコポンが、2コーナーではサトノヘリオスの進路が狭くなる不利があり、サトノヘリオスはその後終始折り合いを欠いてしまいました(ここの動きについては各馬の短評で詳しく触れます)。

向正面では隊列に大きな変化がなく、残り800mを切りレースは3コーナーへ。ここでもまだペースは上がらず12.3-12.0とゆったりした流れを刻みます。ここで後方勢も徐々に進出を開始、2番手にいたデシエルトが先頭に並びかけると外からイクイノックス、さらにその外からジオグリフが進出し、ここで一気に馬群が凝縮します。外有利な馬場に加え、ここでペースが上がらなかったことで外からポジションを押し上げる負荷が小さくなりより外有利なレースとなりました。

アスクビクターモアが先頭で直線へ。内を突いてダノンベルーガが先頭に並びかけますが、外からイクイノックスとジオグリフ、その後ろからはドウデュースも末脚を伸ばします。
残り200mを切ったところでイクイノックスとジオグリフの叩き合いに。一旦先頭に立ったイクイノックスを最後はジオグリフが勢いよく伸び1馬身差をつけ先頭でゴール。クラシック一冠目を掴み取りました。




【各馬の短評&次走以降注目馬】

1着:ジオグリフ

スタートを決めて外の好位グループにつけると、4コーナーでは外から徐々にポジションを押し上げて差し切りと外有利な馬場を上手く活かしました。
一気に加速する瞬発力よりもバテずに長く脚を使う持続力に長けた子で、札幌2歳Sでも外から押し上げて行く競馬をしておりこの子の特性も活かした鞍上の好騎乗でした。レースラップのラスト2Fは11.4-11.5と減速のない流れのなか先に抜け出したイクイノックスの差し切っており、地力の高さを改めて証明した一戦でした。

日本ダービーに向けての話をすると、ボクは東京替わりで大きく評価を下げる必要はないと考えています。
その理由が2走前の共同通信杯。このレースは
12.7-11.3-12.1-12.5-12.5-12.5-11.3-11.2-11.8
と、ラスト4F→3F目で1.2秒の加速が入り、ラスト2F目でレース最速となる11.2を刻んでいます。ラップから一気に加速する瞬発力・速い末脚が求められる流れだったことがわかり、これは先程述べたジオグリフの得意なレースには一致しないパターンのレースです。更に他馬より重い斤量57kgを背負っており、そのなかでダノンベルーガと0.2秒差は強い内容でまだ勝負付けは済んでいないのではないでしょうか。
共同通信杯は少頭数の前哨戦でスローペースになりやすいレースですが、本番となるダービーは多頭数のGI。道中のペースが流れたり、昨年のような早めにペースアップする持続力戦になることも十分に考えられます。そうなればジオグリフが東京替わりでも大きくパフォーマンスを落とすとは考えづらく、それよりも他馬が東京替わりでどこまでパフォーマンスを上げてくるかの比較が大事になると考えています。

距離延長については皐月賞のレースぶりを見る限りそこまで心配していません。ダービーが行われる週はCコース替わりで時計の出るコンディションになりやすく、高速馬場の世代限定戦ならばこなせても不思議ではないと思います。むしろマイルでは追走に苦労してしまうため短縮よりは延長の方がいいのでは…と思っています。
当日馬場のコンディションが悪くスタミナが求められそうな馬場ならば考え直す必要はあるかもしれませんが、現段階ではダービーでも重い印を打ちたいと考えている一頭です。



2着:イクイノックス

道中徐々に外からポジションを上げていき、4コーナーで先頭集団に並びかけ直線では一旦抜け出しましたが最後に差されてしまいました。
道中1コーナーから向正面にかけてポジションを上げており、ペースが思ったより流れていないとみて鞍上のルメール騎手が早めにポジションを上げていったのかと最初は思いましたが、レース後に外枠で馬の後ろで我慢させることが出来なかった旨のコメントをしていました。このことから本当は我慢させたかったが前に壁が作れなかったためイクイノックスの行く気に任せたレース運びを選択したのではないでしょうか。
また、直線ではルメール騎手の左鞭に反応して馬場の荒れた内にヨレてしまい、そこが最後の伸びに影響したのかもしれません。

ダービーについてですが、ここはパフォーマンスを上げてくるタイプだと思っています。
イクイノックスは疲れが溜まりやすく、東スポ杯2歳Sから皐月賞への直行ローテを選びました。そのためここで100%仕上げてしまうとダービーで反動が来てしまうのでは?とみており、恐らく次は今回以上に勝負をかけてくるのではないでしょうか。ジオグリフ同様ダービーでも重い印を打ちたいと考えている一頭です。



3着:ドウデュース

道中は下げて後方から、直線では上がり33.8とメンバー最速の末脚を見せたものの道中ペースが緩んだことにより前も止まらず3着まででした。
ドウデュースはジオグリフとは逆のタイプで一瞬で加速できる瞬発力に長けたタイプの子です。そのため早めに動くと最後に脚が鈍ってしまうリスクがあり、今の中山で早めに動くとなるとコーナーで大外を回さなければいけないためより脚を使わされてしまいます。
鞍上の武豊騎手がレース後にポジションが結果的に後ろだった、もっと流れるかと思ったが流れなかった旨のコメントをしており、デシエルトが躓き逃げられなかったことで作戦が噛み合わなかった印象です。
前走の弥生賞では不利がありながら2着、今回も大外から伸びてきているように地力は高い一方で、過去のレースを見ても仕掛けるタイミングが難しそうに感じる面もあります。
また、次走は春3戦目となるため他の間隔を空けて走っている上位馬と比較すると状態面も少し不安に感じています。


4着:ダノンベルーガ

1枠だったため馬場の悪い内を走らされてしまい、4コーナーから直線にかけても内目を通っての4着でした。直線では少しでも外に出そうとしていましたが、上位3頭は外をスムーズに回していただけに敗れたとはいえ強い内容だったと思います。
ダービーでも上位争い可能な一頭だとみており巻き返しに期待したいです。
(過剰に人気しそうで怖いねってちょっと思ってる)



7着:ジャスティンロック

スタートが苦手なのはいつものことですが、今回も出遅れて後方から。不利な内枠を引いたことで道中は馬場の悪い内を走らされてしまい、バテずに長く脚を使える持続力を活かすことも出来ず噛み合わない競馬になってしまいました。
自分の得意としている競馬が出来ず、馬場の不利を受けながらも7着まで追い上げてきており能力の高さは見せたレースだったと感じました。
出遅れ癖があるため好走条件に注文はつきますが、小回りコースで外から押し上げていけるようなレースで狙いたいです。



13着:キラーアビリティ

出遅れて後方からのレースとなってしまいました。
更にスタート後、道中、直線とずっと荒れた最内を通っており終始きつい進路取りでの競馬完全に度外視可能な内容だったとみています。
小倉の未勝利戦でレコードを記録し、速い末脚も見せているように荒れた馬場よりも高速馬場でこその子だと思いますし、今回は様々な苦しい要素が重なってしまったレースでした。

また、ボクが現段階で上位3頭以外からダービーで期待したい子を挙げるならキラーアビリティです。
ホープフルSのレベルが低いのでは?という意見も見かけるようになりましたが、キラーアビリティは高速馬場への適性が高い子だと思っているのでホープフルSの勝利は着差以上に価値のあるものだったと思っています。
萩Sでは折り合いを欠きながらスローペースの末脚勝負にも対応し朝日杯FSで3着だったダノンスコーピオンとタイム差なしの走りを見せており、小回りコースも広いコースもこなせて異なるペースにも対応できる弱点の少ない万能タイプとみています。それ故に東京替わりがマイナスになるとは感じませんし、むしろCコース替わりで時計が速くなりやすいダービーはプラスに働くのではないでしょうか。
今回の敗戦で人気を落とすようなら狙いたい一頭です。



16着:デシエルト

スタートで躓いてしまいダッシュがつかず、先頭集団に取りついたときには既に1コーナーに入ってしまうタイミングだったため自分のペースで運ぶことが出来ませんでした。
コーナーに入ってからは鞍上の岩田騎手が抑えていましたし、今回は度外視可能な一戦として次走以降の巻き返しに期待したいです。
また、ダートで見せたパフォーマンスも高くダート戻りでも注目しておきたいです。



17着:サトノヘリオス

2コーナー手前で外からイクイノックスに被され進路が狭くなるシーンがあり、そこから終始折り合いを欠いてしまいました
折り合いを欠いてしまった面が大きいと思いますが、ホープフルSでも間隔空けで好走→間隔詰めの遠征で凡走と今回と同じ流れで敗れているため、精神的にフレッシュな状態で臨むレースの方が力を発揮できるのかもしれません。
今回は噛み合わないレースとなってしまいましたが、器用なタイプなので改めて小回りコースで見直したいです。



🍀皐月賞の次走以降注目馬ダノンベルーガジャスティンロックキラーアビリティデシエルトサトノヘリオス


最後に改めて各馬の進路取りを確認しておきます。

4コーナーから直線入口にかけて


直線で馬群が広がった後の各馬の進路


(内を突いて敗れた差し馬は特に巻き返しに注意しておきたいです…!)






🍀アーリントンC🍀

【阪神芝1600mコース図】

【コースの特徴】

阪神芝1600mは直線の長い外回りコースを使用するコースで、中盤は長い直線を意識してペースが緩み残り600m付近から下り坂となるためラスト3Fの末脚勝負になりやすいコースです。
そのため後半で一気に加速できる瞬発力や、直線の末脚のスピードが求められるコースです。



【レースラップ】

12.1-10.6-11.6-12.0-12.2-11.3-11.1-11.8
前半3F34.3-後半3F34.2(後傾0.1秒)
前半4F46.3-後半4F46.4(前傾0.1秒)
勝ちタイム1.32.7-平均ペース

※平均ラップは過去5年のもの

週中に降雨こそあったものの阪神芝は良馬場でスタート。9Rの千種川特別(芝1400m)では勝ちタイム1.20.3が計時されるなど速い時計が出る馬場でした。
また、この日の阪神は直線向かい風で、風の音が競馬中継に入るほどの強風でした。その影響もあってか内を通った子、前目のポジションにつけた子の好走が目立ち外を回した差し馬は届かないレースが目立ちました。

今回のレースラップを見てみると、このコースらしい中盤で緩み直線で加速する流れとなり、一気に加速する瞬発力速い末脚が求められる展開となりました。

それらを踏まえた上でレースを詳しく見ていきましょう。



【レース展開】

好スタートを切ったのはキングエルメス、反対にニシノスーベニア、ウナギノボリ、ドンフランキー、ジュンブロッサムは遅れ気味のスタートとなります。

そのキングエルメスを外からジャスパークローネが交わし先頭に立つと、その外にかかり気味でメイケイバートンがつけキングエルメスは控えて内の3番手集団へ。外から押してポジションを上げてきたカワキタレブリー、ヒルノショパンと続きますが逃げ争いは激化せず徐々にペースは落ち着きます。人気のダノンスコーピオンは中団、ジュンブロッサムは最後方からレースを進めます。

隊列が落ち着いたかと思われましたが、道中キングエルメスが突然驚くような素振りを見せ内にヨレてしまいます。それによりポジションを下げてしまいますが、この影響を受けたのが後ろにいたトゥードジボン。キングエルメスが下がってきたことにより一緒にポジションを下げてしまいました。更に3コーナー入口ではキングエルメスとヒルノショパンの間にいたアスクコンナモンダの進路が狭くなり後退するなど内はごちゃつくシーンが目立ちました。

その後は道中大きな隊列の変化はなく、ジャスパークローネが先頭のまま最後の直線へ。
外からメイケイバートン、カワキタレブリーが先頭を捉えにかかりますが、その外のタイセイディバインが勢いよく伸び先頭へ。一方内では狭いスペースを割ってキングエルメスが抜けてきます。残り200mでタイセイディバインとキングエルメスが抜け出しますが、タイセイディバインの後ろにいたダノンスコーピオンが外から末脚を伸ばしゴール直前で前を捉え先頭でゴール。GI3着の実績馬が実力を発揮し重賞初制覇を飾りました。

このレース単体で見ると外差し決着に見えますが、直線でも内がごちゃつき不利を受けた子がいました。
この日は強風の影響もあり内有利傾向が目立った阪神芝でしたが、外差しが決まりにくいとわかると逃げ先行馬は内を手放さず、差し馬もロスなく立ち回り上手く内を突こうとするなど騎手の内意識も高まります。その結果、馬群が密集し内の子は外に出すのも難しくなるため内の差し馬は詰まってしまうなどスムーズなレースが出来ないケースも多くなります。実際今回のレースでもキングエルメス、トゥードジボン、ディオが内を突く競馬となりました。

キングエルメスはジャスパークローネとメイケイバートンの間を狙い進路が開きましたが、そのキングエルメスとジャスパークローネの後ろにいたトゥードジボンとディオは進路がなく、追い出しが遅れたりブレーキを踏まざるを得ない不利がありました。

この不利に繋がった要因が先ほど記述した内への騎手心理に加え逃げ先行馬のキャラです。
逃げたジャスパークローネはここまで1200mで2勝、1600m戦は初めてで短距離色の強い子。番手につけたメイケイバートンは中距離実績こそあるものの、1400mで勝ち上がり今回は距離延長。道中は折り合いを欠いてしまい直線でも伸びを欠いてしまいました。つまりマイルでの末脚勝負が得意ではない2頭が内の先頭グループを走っていました
内の差し馬からすると、前を走る子が伸びないのでスピードに乗せることが出来ない、外に出そうにも内有利な傾向が強く出てる今の阪神では馬群がばらけずスペースがないため完全に行き場を無くしてしまっています
本来有利である内がごちゃついたことにより、外を回しスムーズに加速出来た子が恵まれる形となりました。




【各馬の短評&次走以降注目馬】

1着:ダノンスコーピオン

道中は中団、直線では外からスムーズに抜け出したタイセイディバインの後ろをついていくことでスムーズなレースが出来ました。
前走の共同通信杯では鞍上の川田騎手が状態面が間に合っていない旨のコメントをしていましたが、今回が本来の実力を発揮できたレースだと思います。
後半の末脚が求められる展開では萩Sでキラーアビリティに勝利しているように高いパフォーマンスを発揮できる条件ではないでしょうか。
朝日杯FSでは中盤こそ緩んだものの速いペースにも対応できており、NHKマイルCでも有力な一頭ではないでしょうか。



2着:タイセイディバイン

スタートから押して中団〜やや前目のポジションを確保すると、直線では外から抜け出すスムーズな競馬が出来ました。元々中距離路線でもレベルの高いメンバーと走ってきていましたが、距離を短縮してから連続で重賞連対と速いペースにも対応し良い走りを見せています。
スムーズな走りが出来たとはいえダノンスコーピオンとクビ差の走りが出来たのは評価したいです。



3着:キングエルメス

骨折休養明けの一戦でしたが、次に繋がる一戦だったとみています。内で立ち回り直線も上手くスペースが空いて追い出すことが出来ましたが、道中は内にヨレたりキョロキョロして冷静さを欠くなど気性面に幼い部分が見られました。特にキングエルメスにとっては馬群での競馬(内で包まれる競馬)が初めてであり、恐らくそこに戸惑ったのではないでしょうか。
GIに向けて馬群での経験を積むことが出来たのは大きいと思いますし、短距離で実績を残してきているようにマイルのスローペースからの末脚勝負は本質的に向いていないようにも感じます。
NHKマイルCでも楽しみな存在になると思いますし、上位二頭との逆転もあり得るとみています。


4着:ジュンブロッサム

スタートが遅く後方から、道中押してポジションを上げようとしましたが外からデュガに被され進路を失い詰まるシーンがありました。結果後ろ過ぎて届かないレースとなってしまいましたが、最後は勢いよく外から伸びており高い能力は持っていると感じさせる内容の走りでした。
ただ、最初の行き脚の遅さも含めて高速馬場の1600mでは距離が短いと思います。距離延長で見直したいです。(1勝クラスのレースなら地力の高さで勝ち上がれそうですが…)



5着:ディオ

直線で最内を突くも詰まってしまい、進路が狭くなる不利もあり残り200m付近まで追い出すことができませんでした。
スムーズなら上位との差も縮められたとみて次走以降の巻き返しに期待したいです。



6着:トゥードジボン

ディオ同様内を突くも詰まってしまいスムーズに追い出すことが出来ませんでした。道中はキングエルメスが後退した影響で位置取りを下げる不利もあり、スムーズなら上位との差は縮まっていたとみて次走以降の巻き返しに期待したいです。



9着:アスクコンナモンダ

道中進路が狭くなり後退する不利がありました。
未勝利戦では
12.3-10.9-11.7-11.6-11.7-11.8-12.0-12.3
と中盤が緩まない流れを先行して押し切る強い走りを見せており、今回のような中盤緩んで末脚が求められる展開は不向きなタイプではないでしょうか。今回は先行馬が多かったことに加え不利もありポジションを取ることができず、この子の強みを活かすことが出来なかったレース度外視して考えたい一戦です。
1400m質のレースが合っていそうなタイプで、ペースの緩みにくいコース距離短縮で見直したいです。



12着:ドンフランキー

前走は逃げ切って勝利していましたが、出遅れてしまい後方からのレースとなってしまいました。
前走は逃げ切りとはいえ同日古馬2勝クラスを上回る好タイムで勝利しており、自分の走りができれば強いタイプで芝ダート問わずペースの緩みにくいコース距離短縮など1400m質の強いレースで見直したいです。



16着:ストロングウィル

きさらぎ賞の次走以降注目馬で名前を挙げた子ですが、引き続き注目馬とします。
そのきさらぎ賞、前走の若葉Sは稍重馬場で度外視可能な一戦。今回は距離短縮でしたが、スタートから押して先行するも外のカワキタレブリーに被されてしまい折り合いを欠いてしまいました。外から被されて折り合いを欠いたのはきさらぎ賞と同じパターンで、直線での末脚勝負も向いていない印象ですし今回も度外視可能な一戦として追いかけたいです。
マイルよりは中距離小回りコースでバテずに長く脚を使える持続力を活かす競馬が合っている印象距離延長且つ良馬場で見直したいです(包まれにくい枠順なら尚良いと思います)。



🍀アーリントンCの次走以降注目馬ジュンブロッサムディオトゥードジボンアスクコンナモンダドンフランキーストロングウィル





以上、皐月賞とアーリントンCの回顧でした!

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最後まで読んでくださりありがとうございました✨











(推し馬ちゃんのGI勝利は格別…っ!)






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