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コースを学ぼう!-part12-【東京芝2400m】

こんばんは!限界化競馬Vの碧馬らいむです🍀🐴

ここでは競馬場のコース毎の特徴押さえておきたいポイントについて記載しています!普段何気なく見ているレースも、コース形態や特徴を把握して見ていると面白い部分があったり、レースの振り返りや馬券購入のヒントに繋げられる部分もあります✏️📖
「ここはこんな特徴があるんだ!」と思っていただければ嬉しいです✨


さて、今回は日本ダービージャパンカップの舞台でもある東京芝2400mについてまとめました✍🏻
過去のデータについても記載していますので、競馬に詳しい方も競馬初心者の方も少しでも参考になれば嬉しいです…!


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🟢コースの概要🟢

コースの全体像

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東京芝2400mは観客席側からスタートし、一周してゴールを迎える中距離コースです。最後の直線は525.9mと新潟競馬場外回りコースに次ぐ2番目の長さとなっており、ゴールまで激しい攻防が繰り広げられます。
春にはオークスや日本ダービーといった世代の頂点を決めるGIが行われるコースで、秋には国際GIジャパンカップが開催されます。



🔴押さえておきたいポイント🔴

直線が長く末脚も重要なコース!
東京競馬場は直線が525.9mと長く、JRA全10場のなかでも新潟外回りコースに次ぐ2番目の長さです。
そのため中盤でペースが緩みスローペースになりやすく、直線での速い末脚が問われるコースです。
東京コースはコーナーが緩やかで器用さは求められないため、コーナーでの加速が苦手な不器用なタイプの子が小回りコースで差しきれず東京コースに替わって巻き返し…など、直線での末脚を武器としている子が走りやすい舞台ですので、近走どこでどんな走りしているかに注目です…!


GIレースはそれぞれ求められる適性が変化する…!?レース毎の背景にも注目!
このコースはオークス、日本ダービー、ジャパンカップと3つのGIが行われるコースですが、レースによって重視するポイントは変化します。
オークスや日本ダービーは中盤でペースが緩み直線での末脚が求められる点は同じですが、オークスは3歳牝馬限定戦で特にタフな条件となっています。3歳牝馬路線は主要レースが1600mで開催されるため、牝馬限定の中距離レース自体が多くありません。そのため殆どの子が初めて2400mを経験することとなります。
一方3歳牡馬路線は中距離レースの開催も多く、日本ダービーが開催される週に仮柵が移動しCコース替わりとなるため馬場が高速化しスタミナだけでなくスピードも必要となります。
詳しくは各レースのポイントで後述しますが、レースによって重視するポイントが異なる点は意識しておきたいです…!




📊データ編📊

データは2017年1月〜2022年5月8日の期間に行われた東京芝2400mの結果を集計しました!✏️
(集計時に単勝50倍を超えるオッズのお馬さんは除外して集計させていただきました。理由は一頭馬券内に絡むだけで回収率の数字に大きな変化が現れ、正確さに欠けると思ったためです。)


🐴枠順別成績🐴

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14頭立て以上

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内枠の好走が目立っているように見えますが、外枠の成績が大きく下がっているわけではなく全体的に好走ゾーンはバラけており枠順の有利不利が少ないコースです。
広いコースでコーナーが緩やかなこと、中盤はペースが落ち着きやすくコーナーでペースアップしないため、外を回す負荷が小さくなりやすく外を回すデメリットが他の競馬場よりも少ないコースです。

しかし、枠順の差が大きくないコース形態ということは馬場の影響を受けやすいということにも繋がります。
特に日本ダービーが開催される週は仮柵が移動しCコース替わりとなるため注意が必要です。
内を通った方が有利な馬場ならば内枠を重視する、馬場が荒れて外を通った方が有利な馬場ならば外枠の子を狙うなど、開催毎に馬場のコンディションを見極めることも大事なコースです…!




🐴脚質別成績🐴

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14頭立て以上

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逃げ馬の回収率は高いものの、他場と比較すると差し追込の好走率が高くなっています。その分先行馬の回収率は低めの数字となっており差しが届きやすいコースです。

直線が長くコーナーが緩やかな東京とは反対の特徴を持つ中山芝2000mと比較してみましょう。

〜4コーナーでの位置取り・東京芝2400m〜

14頭立て未満

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14頭立て以上

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〜4コーナーでの位置取り・中山芝2000m〜

14頭立て未満

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14頭立て以上

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中山は東京よりも直線が短く、コーナー角もきついコースです。
その中山と東京を比較すると、逃げ先行馬は中山が、差し追込馬は東京が好成績となっていることがわかります。
このことからも東京は最後の末脚が求められやすく、反対に中山は前で立ち回れる力が必要ということがわかりますね…!

(東京芝1600mのコース解説で記載したことと重なりますが、これを応用すると東京で先行して差されてしまった子を中山で狙う、反対に中山で差し損ねた子を東京で狙う、といった考え方ができますね…!)




🐴種牡馬別成績🐴

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勝利数1位はディープインパクト、2位はルーラーシップ、3位はハーツクライとなっており、ランキング内はリーディング上位の種牡馬、そして中長距離での活躍が目立つ種牡馬が並びました。

1位のディープインパクトは高い好走率だけでなく回収率も優秀で、末脚を活かしやすいこの舞台が合っていることが成績からもわかります。
産駒は重賞でも活躍が目立ち、今年の青葉賞ではプラダリアが4人気1着、ロードレゼルが2人気2着とワンツーを決めたほか、昨年のジャパンカップではコントレイルが1人気1着、シャフリヤールが2人気3着、ダービーではシャフリヤールが4人気1着、オークスではアカイトリノムスメが2人気2着と好走しています。

ディープインパクト産駒は今後少なくなってしまいますが、これからは母父ディープインパクトに注目しておきたいです。
今年の青葉賞ではエターナルビクトリが6人気3着、昨年のダービーではステラヴェローチェが9人気3着と人気薄で好走しています。

ただ注意したいのは出走機会自体が多いためベタ買いではプラスにならない点です。
ディープインパクトの血を持っているから!と闇雲に買うのではなく、能力や他のポイントも重視した上で判断していきたいです。


2位のルーラーシップは好走率が高く、単勝回収率も優秀な成績となっています。
産駒は青葉賞で好成績を残しており、今年はエターナルビクトリが6人気3着、昨年はワンダフルタウンが3人気1着、2019年はリオンリオンが5人気1着と好走しており、GIでは2018年のジャパンカップでキセキが2着と好走しています。
ルーラーシップ産駒は中距離で長く脚を使える産駒が多い反面、速い末脚が求められた時にキレ負けしてしまう面もありスピードが求められる日本ダービーよりもスタミナや総合力が問われる青葉賞やジャパンカップで好走する傾向にあるのも特徴です。


8位のロードカナロアは5勝をあげ高い単勝回収率となっていますが、このうちの3勝はアーモンドアイ、2勝はゴールドギアが挙げているもの。
ロードカナロアは短距離での活躍が目立つ種牡馬でこのコースは出走機会自体多くありませんが、この距離をこなせるかどうかは慎重に判断したいです。


これからの活躍に期待したい種牡馬はゴールドシップ
昨年のオークスではユーバーレーベンが3人気1着とGIでも好走し、産駒全体としても高い好走率を残しています。
ゴールドシップ産駒は平坦コースを得意(急坂コースを苦手)とする子が多く、この舞台は得意としている産駒が多い印象です。


🍀注目種牡馬ディープインパクトルーラーシップゴールドシップ




🐴平均ラップ🐴

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参考として古馬1勝クラスオークス日本ダービージャパンカップ、そして全レースの平均ラップをグラフにしました。

グラフを見ると、ジャパンカップ以外は中盤でペースが緩み、後半3Fの末脚勝負になっていることがわかります。
そのため基本は直線で一気に加速する瞬発力末脚のスピードが求められるレースとなっています。
また、中盤でペースが落ち着くため折り合いも大事な要素です。

ジャパンカップは中盤も緩みないラップとなっていますが、これはキセキがペースを緩めず大逃げをした影響もあり実際はもっと中盤が緩むレースです。
しかし古馬混合のGIということもあり、オークスや日本ダービーほどペースは緩まず総合的な能力の高さが求められるレースとなっています。

先程押さえておきたいポイントで述べたことと重なりますが、レースによって微妙に重視するポイントが変化する点は意識しておきたいです。




🐎人気薄の好走例🐎

これらを踏まえて実際に人気薄の子が穴をあけた例を見ていきましょう。

穴をあけた例①
2022年4月30日(土)
東京11R 青葉賞
エターナルビクトリ 6人気3着(単勝10.1倍,複勝3.2倍)

本馬は未勝利戦を勝ち上がるのに4戦を要しましたが、どれも速い上がりを見せており末脚は安定しているタイプでした。
前走は小回りコースの中山で差し切って勝利しており、今回はより末脚を活かしやすい東京コース替わり。後方から上がり最速の末脚で追い込み3着と好走しました。
また、父はこのコース&レースと相性のいいルーラーシップ、母父はディープインパクトでした。

-買い要素-
・デビューから速い上がりを計時し続けている
・前走小回りコースで差し切り→広いコース替わり
・ルーラーシップ産駒
・母父ディープインパクト



穴をあけた例②
2021年5月30日(日)
東京11R 日本ダービー
ステラヴェローチェ 9人気3着(単勝40.2倍,複勝5.5倍)

本馬は皐月賞3着馬で、東京コースに替わる今回は大きく人気を落としていましたが、過去には速い上がりも使えており2歳時には高速馬場の朝日杯FSでも好走とマイルにも対応できるスピードを持っている子でした。日本ダービーはCコース替わりで馬場が高速化する影響もあり、スピードも問われるレースです。
また、皐月賞3着を筆頭に世代トップレベルの相手と戦ってきており、能力の裏付けもありました。
また、母父はこのコースで注目のディープインパクトでした。

-買い要素-
・速い上がりを使えるタイプ
・重馬場だけでなく高速馬場での実績あり
・ハイレベルなレースを経由
・母父ディープインパクト




〜まとめ〜

長い直線が特徴のコース!坂もあるものの、他場の急坂コースほどの勾配ではないため、パワーよりもスピードが求められるコース!

○直線が長くコーナーも緩やかなため、枠の有利不利が少ないコース!そのため馬場の影響を受けやすく、馬場状態の変化に注目!

○直線が長く差しが決まりやすいコース!他のコース、特に差しが届きにくいコースで差し損ねている子に注目!

○直線の長い末脚が求められるコースで、ディープインパクト産駒の好走率は高い!これからは母父ディープインパクトにも注目も、出走機会自体が多いため取捨は慎重に!

○注目種牡馬はルーラーシップ、これからの活躍に期待したいのはゴールドシップ

○基本は中盤でペースが緩み直線の末脚勝負になるため、速い末脚が問われるコース!ただしレースによって問われる適性が変化する点に注意!


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🍀青葉賞のポイント🍀

このレースで問われる能力・要素・傾向
最後までバテずに走り切る持続力
直線でのトップスピード
内枠有利
やや差し追込有利
人気馬が強い
能力重視

東京芝2400mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースの緩みがないと最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、どちらも速い上がりが求められるため直線でのトップスピードが重要となります。


最初のポイントは内枠有利です。

1〜4枠
【4-3-4-25/36】
勝率11.1% 連対率19.4% 複勝率30.6%
単勝回収率74 複勝回収率95

5〜8枠
【1-2-1-40/44】
勝率2.3% 連対率6.8% 複勝率9.1%
単勝回収率3 複勝回収率17

このレースは開催2週目に行われるため、まだ芝は荒れておらず内の優位性がある馬場コンディションになりやすいのが特徴です。外枠の馬はロスが大きくなりやすいため、内枠の活躍が目立つレースとなっています。
特に7〜8枠は鬼門となっており、2023年はアサカラキングが4人気14着。2022年はレヴァンジルが1人気5着、ジャスティンスカイが3人気11着。2020年はフライライクバードが2人気8着と、外枠は人気を裏切るケースも目立ちます。
基本は外すぎない枠を引いた馬を狙いたいレースです。


続いてのポイントはやや差し追込有利です。

初角5番手以内
【3-2-0-25/30】
勝率10.0% 連対率16.7% 複勝率16.7%
単勝回収率72 複勝回収率34

初角6〜9番手
【1-0-3-14/18】
勝率5.6% 連対率5.6% 複勝率22.2%
単勝回収率27 複勝回収率53

初角10番手以下
【1-3-2-26/32】
勝率3.1% 連対率12.5% 複勝率18.8%
単勝回収率5 複勝回収率69

前走1勝クラス以上のレースで、初角4番手以下から上がり最速で3着以内に好走
【2-1-3-9/15】
勝率13.3% 連対率20.0% 複勝率40.0%
単勝回収率44 複勝回収率156

このレースは主に皐月賞に出走できなかった馬や、2000mでも距離が短いようなタイプの馬が集まるレースとなります。レースの流れ自体はスローペースになりますが、早めに加速していきたい馬も多くなりやすいため、後半のペースアップが早くなりやすく差し追込馬の活躍が目立つのもこのレースの特徴です。世代限定戦ではレースへの経験値も強みとなるため、前走控える競馬で速い上がりを使えていた馬には要注目です。


続いてのポイントは人気馬が強い点です。

1〜5人気
【5-5-2-13/25】
勝率20.0% 連対率40.0% 複勝率48.0%
単勝回収率113 複勝回収率90

6〜9人気
【0-0-2-18/20】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率10.0%
単勝回収率0 複勝回収率36

10人気〜
【0-0-1-34/35】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率2.9%
単勝回収率0 複勝回収率35

このレースは直線の長い東京コース・高速馬場・差しが決まりやすいという条件で行われるため、現在の日本競馬における主流条件となります。そのため強い馬が強い走りをしやすい舞台であり、人気馬の好走が目立つレースです。


最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つ。今後重賞〜GI戦線で活躍する子もいれば、条件戦をなかなか勝ち上がれない子も一緒に走ることとなります。そのため戦ってきた相手やレース内容を精査し、能力を見極めるのも大切な要素です。




🍀オークスのポイント🍀

このレースで問われる能力・要素・傾向
最後までバテずに走り切る持続力
長い距離をこなすスタミナ
やや内枠有利
差し追込有利

東京芝2400mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースの緩みがないと最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、どちらも速い上がりが求められるため直線でのトップスピードが重要となります。
そしてオークスでの大きな特徴は、牝馬限定戦のレースのなかでも最も距離が長いレースという点です。更にこの時期の3歳牝馬は2400mを経験する機会がほとんどなく、多くの馬が初めて経験する距離です。有力馬は桜花賞からのローテーションとなることも多く1600m→2400mの大幅な距離延長で臨むため、距離延長に対応するスタミナや最後までバテずに走り切る持続力が求められるタフなレースとなります。


最初のポイントはやや内枠有利です。

1〜4枠
【2-2-4-31/39】
勝率5.1% 連対率10.3% 複勝率20.5%
単勝回収率7 複勝回収率136

5〜8枠
【3-3-1-43/50】
勝率6.0% 連対率12.0% 複勝率14.0%
単勝回収率38 複勝回収率75

このレースは3歳牝馬にとってスタミナが強く求められる過酷な条件です。そのため内でロスなく立ち回ることの恩恵が強く、外を回しすぎなかった馬が穴をあけるパターンも目立ちます。
しかし、雨などで馬場の傷みが進行していた場合は必ずしも内有利になるとは限らないため、当日の馬場コンディションにも注意しておきましょう。


続いてのポイントは差し追込有利です。

初角5番手以内
【0-4-1-25/30】
勝率0.0% 連対率13.3% 複勝率16.7%
単勝回収率0 複勝回収率97

初角6~9番手
【3-1-2-16/22】
勝率13.6% 連対率18.2% 複勝率27.3%
単勝回収率54 複勝回収率85

初角10番手以下
【2-0-2-33/37】
勝率5.4% 連対率5.4% 複勝率10.8%
単勝回収率28 複勝回収率115

前走初角6番手以下+3着以内
【5-1-2-10/18】
勝率27.8% 連対率33.3% 複勝率44.4%
単勝回収率124 複勝回収率295

繰り返しになりますが、このレースは3歳牝馬にとってスタミナが強く求められる過酷な条件です。そのため逃げ先行策で粘り込むのは難易度が高く、差し追込馬の活躍が目立つレースとなっています。
特に桜花賞で先行して好走した馬は苦戦を強いられやすく、2023年にコナコーストが3人気7着。2022年はウォーターナビレラが7人気13着。2021年はソダシが1人気8着。2020年はミヤマザクラが4人気7着、スマイルカナが9人気16着。2019年はダノンファンタジーが4人気5着と、人気を裏切るケースが目立つ結果となっています。反対に桜花賞を差して好走した馬はオークスでも好成績となっており、条件が変わることで求められる適性も変化する点に注意が必要です。

そして一緒に覚えておきたいのが、このレースで先行して好走した馬のその後です。
○オークスを初角5番手以内の先行策で3着以内に好走した馬
・2022年 スタニングローズ  
→後に秋華賞を勝利
・2021年 アカイトリノムスメ 
→後に秋華賞を勝利
・2020年 ウインマリリン 
→後に香港ヴァーズを勝利
・2019年 カレンブーケドール 
→後に秋華賞2着、ジャパンカップ2着など
・2019年 クロノジェネシス 
→後にGIを4勝

オークスで先行して馬券内に絡んだ馬は、その後もGIで馬券になっていることがわかります。このレースで先行して好走するにはGI級の能力が必要であり、ここで好走できればその後も活躍が期待できる裏付けとなるため要注目のポイントです。


最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つです。今後重賞〜GI戦線で活躍する子もいれば、条件戦をなかなか勝ち上がれない子も一緒に走ることとなります。そのため戦ってきた相手やレース内容を精査し、能力を見極めるのも大切な要素です。




🍀日本ダービーのポイント🍀

このレースで問われる能力・要素・傾向
直線でのトップスピード
高速馬場適性
主流血統有利
(データは2018〜2022年の過去5年)

-プラスαデータ・近2年は特に傾向が変化-
差し追込有利+持続力重視
やや外枠有利
当日の馬場傾向に注目
能力重視

このコースは中盤でペースが緩み、最後の長い直線での末脚勝負になりやすいコースです。
速い上がりが求められるため、基本は一気に加速できる瞬発力トップスピードが求められます。
しかし、レースによって求められる適性が変化するのがこのコースの特徴です。

日本ダービーはCコース替わりの週に開催されるため、時計が速くなりやすいのが特徴です。更に最後の直線では速い上がりが求められるため、高速馬場適性の高い子や直線でのトップスピードに長けた子を狙いたいレースです。
また、コース替わりの影響で内有利・外有利など極端なバイアスが出ることもあるため、馬場傾向にも注意が必要です。


このレースは速い末脚が求められることから、直線の長いコース勝利した経験のある子が走りやすいレースとなっています。
※直線の長いコース…ここでは最後の直線が400m以上あるコースのことを指します、東京や阪神外回り、京都外回りや中京など。

直線が長いOPクラス以上のレースで勝利経験あり
【4-4-3-27/38】
勝率10.5% 連対率21.1% 複勝率28.9%
単勝回収率78 複勝回収率165

上記の条件+前走が皐月賞
【3-4-2-10/19】
勝率15.8% 連対率36.8% 複勝率47.4%
単勝回収率95 複勝回収率124

上記の条件+前走が皐月賞で9着以内
【3-4-2-5/14】
勝率21.4% 連対率50.0% 複勝率64.3%
単勝回収率129 複勝回収率169


最後の直線での末脚が求められることから広いコースでの実績が既にある子は好走率が高く、更に前走皐月賞を使っていた子はレベルの高いレースを経験することとなるため、ここで大きく負けていなかった子は堅実な走りを見せています。
直線が長いコースでの実績があった子は、2021年にステラヴェローチェが9人気3着、2020年にヴェルトライゼンデが10人気3着、ワグネリアンが5人気1着と人気薄での好走馬も出ており、ヴェルトライゼンデは皐月賞8着、ワグネリアンは皐月賞7着から巻き返しての好走でした。

皐月賞で敗れていても、広いコースでの実績を持っている実力馬は巻き返しに注意が必要です。



そしてこのレースのポイントは主流血統有利な点です。

父ディープインパクト系
【4-1-1-22/28】
勝率14.3% 連対率17.9% 複勝率21.4%
単勝回収率423 複勝回収率83

父ディープインパクト以外のサンデーサイレンス系
【1-3-2-21/27】
勝率3.7% 連対率14.8% 複勝率22.2%
単勝回収率15 複勝回収率57

父キングカメハメハ系
【0-0-1-14/15】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率6.7%
単勝回収率0 複勝回収率242

父が上記以外
【0-1-1-17/19】
勝率0.0% 連対率5.3% 複勝率10.5%
単勝回収率0 複勝回収率35

父も母父も非サンデー・非キンカメ系
【0-0-0-11/11】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率0.0%
単勝回収率0 複勝回収率0


競馬には『ダービー馬はダービー馬から』という格言があります。これはダービーを勝つ馬はダービーを勝利した馬から生まれる、ダービーを勝つためには実際にダービーを勝利した馬を父に迎えるのがいい、といった意味合いであり、多くのホースマンが目指す夢でもあります。
ダービーの舞台を目指して生産、そして結果を出した子が血を繋いでいくため、主流条件となるこのコースでは血統傾向も主流となっている種牡馬の産駒が活躍しています。

そのため、このレースは現在の日本競馬で繁栄しているキングカメハメハ系・サンデーサイレンス系の活躍が際立つレースとなっています。
(キングカメハメハ系は過去5年での好走馬が少ないものの、遡るとドゥラメンテ、レイデオロがこのレースを勝利しています。)



-プラスαデータ・近2年は特に傾向が変化-

ここからはプラスαデータとして、近2年は傾向に変化が見られるという点にスポットを当てて見ていきます。
近2年の特徴はやや外枠有利な点、そして差し追込有利な点です。近2年とそれ以前で成績を比べて確認してみましょう。

-2021〜2022年-
1〜4枠
【0-1-1-14/16】
勝率0.0% 連対率6.3% 複勝率12.5%
単勝回収率0 複勝回収率33

5〜8枠
【2-1-1-15/19】
勝率10.5% 連対率15.8% 複勝率21.1%
単勝回収率83 複勝回収率59


-2016〜2020年-
1〜4枠
【3-3-3-31/40】
勝率7.5% 連対率15.0% 複勝率22.5%
単勝回収率246 複勝回収率150

5〜8枠
【2-2-2-44/50】
勝率4.0% 連対率8.0% 複勝率12.0%
単勝回収率35 複勝回収率29


-2011年〜2020年-
1〜4枠
【6-5-6-62/79】
勝率7.6% 連対率13.9% 複勝率21.5%
単勝回収率139 複勝回収率127

5〜8枠
【4-5-4-87/100】
勝率4.0% 連対率9.0% 複勝率13.0%
単勝回収率28 複勝回収率33


日本ダービーはCコース替わりの週に開催されます。そのためこのレースは時計が速い+内が有利な馬場コンディションになることが多く、2020年は3枠を引いたヴェルトライゼンデが10人気3着、2019年は1枠を引いたロジャーバローズが12人気1着、2018年は4枠を引いたコズミックフォースが16人気3着と、内枠を引いた人気薄馬が頻繁に好走しており、2016年は内枠勢が1〜4着を占めるなど、とにかく内有利なレースでした。

しかし近2年をみると、内枠から好走したのは2022年7人気3着のアスクビクターモア、2021年1人気2着のエフフォーリアのみであり、実際にレースを見ても近年は内有利な馬場にはなっておらず、外差しが届く馬場になっています。

これは馬場の造りが影響していると考えており、2023年春開催の東京、そして2022年,2021年の秋開催の東京では、開幕週から外差しが決まる柔らかい高速馬場となっています。
柔らかい高速馬場では直線での速い上がりが求められ、末脚が発揮しやすい馬場となります。これにより、内有利馬場を活かした立ち回りや先行力よりも、外からスムーズに加速し末脚を発揮できるかが重要となっており、この馬場の変化が近年の傾向の変化にも繋がっているのではないか、と考えています。


そしてこれらとセットで考えたいのが、近年は差し追込有利なレースになっている点です。

-2022〜2021年-
4角5番手以内
【0-0-1-14/15】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率6.7%
単勝回収率0 複勝回収率27

4角6番手以下
【2-2-1-15/20】
勝率10.0% 連対率20.0% 複勝回収率25.0%
単勝回収率79 複勝回収率62


-2020〜2016年-
4角5番手以内
【4-3-1-23/31】
勝率12.9% 連対率22.6% 複勝率25.8%
単勝回収率362 複勝回収率195

4角6番手以下
【1-2-4-52/59】
勝率1.7% 連対率5.1% 複勝率11.9%
単勝回収率6 複勝回収率23


-2020〜2011年-
4角5番手以内
【6-4-4-45/59】
勝率10.2% 連対率16.9% 複勝率23.7%
単勝回収率214 複勝回収率145

4角6番手以下
【4-6-6-102/118】
勝率3.4% 連対率8.5% 複勝率13.6%
単勝回収率10 複勝回収率41


以前の日本ダービーはCコース替わりで内有利な馬場になる影響もあり、前に行き内をロスなく立ち回った子が穴をあけるパターンが多く見られました。代表的なのが2019年12人気1着のロジャーバローズ、2018年16人気3着のコズミックフォース、2013年8人気3着のアポロソニックなどです。

しかし近年は、前述した通り外差しが届く馬場になっていることから末脚が求められるようになり、逃げ先行馬が粘りにくくなっている傾向が見られます。
2022年は上位を差し追込馬が独占。唯一前でレースをして3着に好走したアスクビクターモアはその後菊花賞を勝利しており、元々GI級の能力を秘めていた子。
2021年も1〜4着まで差し追込馬が独占。前でレースをして5着に粘ったサトノレイナスはその後故障により引退してしまったもののGI2着2回の実績馬で、6着のタイトルホルダーはその後GIを3勝しており、近年はGI級の実力を持つ先行馬しか好走できていないことがわかります。

過去の日本ダービーは、能力で見劣る子が馬場の恩恵を味方につけて人気薄で好走する、というのが穴をあけるパターンでした。
しかし近2年は傾向が変化しており、Cコース替わりでどのような傾向が現れるか当日の馬場傾向には要注目です。
近2年のような内有利が薄い外差しが決まる馬場であれば実力馬が力を発揮しやすく、反対に内有利傾向が強まるならば、2021年以前のように内有利馬場の恩恵を味方につけた人気薄馬が穴をあけるパターンに期待できるでしょう。


最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つであり、レベルの高いレースを経験している子や強い内容の走りを見せている子は素直に評価したいです。
特に近2年の末脚が発揮しやすい馬場では実力馬が力を発揮しやすく、人気薄で好走したアスクビクターモアやステラヴェローチェもその後GI戦線で上位争いを続けている実力馬でした。




🍀ジャパンカップのポイント🍀

このレースで問われる能力・要素・傾向
一気に加速する瞬発力or最後までバテずに走り切る持続力
直線でのトップスピード
内枠有利
人気馬が強い
前走好走馬が強い

東京芝2400mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースの緩みがないと最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、どちらも速い上がりが求められるため直線でのトップスピードが重要となります。

近年のレースの流れを見ていくと

-2022年-
レースラップ
12.8-11.2-12.3-12.5-12.3-12.2-12.4-12.1-11.7-11.4-11.3-11.5
前半3F36.3-後半3F34.2(後傾2.1秒)
前半4F48.8-後半4F45.9(後傾2.9秒)

-2021年-
レースラップ
12.7-11.5-12.8-12.6-12.6-12.3-11.6-11.6-11.7-11.6-11.5-12.2
前半3F37.0-後半3F35.3(後傾1.7秒)
前半4F49.6-後半4F47.0(後傾2.6秒)

-2020年-
レースラップ
12.7-10.8-11.8-11.3-11.3-11.5-11.8-11.9-12.1-12.3-13.2-12.3
前半3F35.3-後半3F37.8(前傾2.5秒)
前半4F46.6-後半4F49.9(前傾3.3秒)
※キセキの大逃げによるハイペース

-2019年-
レースラップ
12.8-11.3-12.3-12.2-11.7-12.2-12.1-12.0-12.1-12.4-12.2-12.6
前半3F36.4-後半3F37.2(前傾0.8秒)
前半4F48.6-後半4F49.3(前傾0.7秒)

-2018年-
レースラップ
12.9-10.8-12.2-12.3-11.7-11.8-11.7-11.4-11.4-11.0-11.4-12.0
前半3F35.9-後半3F34.4(後傾1.5秒)
前半4F48.2-後半4F45.8(後傾2.4秒)

その年によってペースは様々であり、直線だけ速い上がりを問われる年もあれば早めにペースが上がって持続力勝負になっている年もあります。
特に近年早めにペースが上がっているのはキセキの逃げによる影響が大きいため、逃げ馬のタイプを考えた上で展開を組み立てたいレースです。


続いてのポイントは内枠有利です。

1〜4枠
【5-3-4-24/36】
勝率13.9% 連対率22.2% 複勝率33.3%
単勝回収率41 複勝回収率51

5〜8枠
【0-2-1-41/44】
勝率0.0% 連対率4.5% 複勝率6.8%
単勝回収率0 複勝回収率10

東京芝はコーナー角が緩く最後の直線も長いため、基本は内外の有利不利が少ないコースですが、ジャパンカップはCコース替わり2週目に行われることや、近年は開催後半の方が内有利にに傾きやすく内枠有利・外枠不利なレースとなっています。
そのため当日の馬場傾向もチェックしつつ、枠の並びも意識しておきたいレースです。


続いてのポイントは人気馬が強い点です。

1〜3人気
【5-3-4-3/15】
勝率33.3% 連対率53.3% 複勝率80.0%
単勝回収率98 複勝回収率108

4〜6人気
【0-2-1-12/15】
勝率0.0% 連対率13.3% 複勝率20.0%
単勝回収率0 複勝回収率45

7人気〜
【0-0-0-50/50】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率0.0%
単勝回収率0 複勝回収率0

ジャパンカップが行われる東京芝2400mはスローペース・長い直線での末脚勝負・高速馬場と現在の日本における主流条件で行われるレースであるため、人気馬が走りやすい傾向があります。
近5年の勝ち馬は全て3人気以内であり、7人気以下の人気薄は一頭に馬券に絡むことができていません。そのため能力の裏付けがある人気馬は素直に信頼したいレースです。


最後は前走好走馬が強い点です。
これは前述した人気馬が強い点にも関連しています。

前走GIIで1着、もしくは前走GIで9着以内&勝ち馬から0.9秒差以内
【5-5-2-12/24】
勝率20.8% 連対率41.7% 複勝率50.0%
単勝回収率61 複勝回収率74

上記の条件+当日1〜3人気
【5-3-2-2/12】
勝率41.7% 連対率66.7% 複勝率83.3%
単勝回収率123 複勝回収率112

前走格の高いレースで好走している人気馬は基本崩れておらず、馬券外に敗れたのはサトノダイヤモンドと外枠を引いたダノンベルーガのみとなっています。
前走好走×人気馬×内枠の組み合わせは特に要注目です。




以上、東京芝2400mの特徴についてでした!
今後も気がついた事があれば随時更新していきます!

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最後まで読んでくださりありがとうございました✨









(オークスもダービーも楽しみ…!)



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