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【オークス回顧】レースの振り返りは大事!反省は次に活かす…!

こんばんは!碧馬らいむです🍀🐴

史上初となる白毛馬のGI制覇&クラシック制覇、そして更なる偉業達成へ挑むソダシが1.9倍の1人気、親娘制覇がかかるアカイトリノムスメが4.5倍の2人気に推されて迎えたオークス。様々な想いが入り乱れるなか直線で突き抜けたのはユーバーレーベンとデムーロ騎手。阪神JFでソダシの3着に敗れた後は体調面のこともあり予定していたローテーションを変更するアクシデントもあったものの、見事この大舞台でリベンジ。鞍上のデムーロ騎手からも喜びが伝わってきましたね。

さて、今回はそのオークスを振り返ります!
レースのポイントとなったのは?ソダシはなぜ敗れてしまったのか?ラップ映像から紐解いていきます!


【着順とコーナー通過順】

1着 ユーバーレーベン (12-13-10-8)
2着 アカイトリノムスメ(5-7-10-10)
3着 ハギノピリナ(17-17-15-12)
4着 タガノパッション(16-16-17-16)
5着 アールドヴィーヴル(13-13-13-12)
6着 ミヤビハイディ(18-17-17-16)
7着 ククナ(4-2-3-6)
8着 ソダシ(2-4-5-6)
9着 スルーセブンシーズ(13-12-12-12)
10着 パープルレディー(15-15-15-16)
11着 ファインルージュ(9-9-13-15)
12着 スライリー(9-11-8-2)
13着 ステラリア(2-2-2-2)
14着 クールキャット(1-1-1-1)
15着 ウインアグライア(7-4-5-8)
16着 ニーナドレス(9-9-5-2)
17着 ストライプ(5-4-3-2)
18着 エンスージアズム(7-7-8-10)

通過順位を見返すと、3〜4角で二桁位置取りに控えていた子が上位を占めているのがわかります。一方で先行組は1人気のソダシが8着と敗れたように、前にいた子は上位に残ることができませんでした。では次にレースラップを見ながら紐解いていきましょう。



【レースラップ】

12.5-11.1-11.8-12.3-12.2-12.6-12.6-12.4-12.1-11.3-11.7-11.9
前半3F35.4-後半3F34.9(後傾0.5秒)
前半5F59.9-後半5F59.4(後傾0.5秒)

過去5年のオークスのレースラップ比較

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今年のオークスのレースラップを大まかに分けると
前半速い中盤緩むラスト3F目で一気に加速
という流れになりました。
それぞれ大きなポイントがあるので順番に見ていきましょう。まずは前半部分から。
(映像があるとよりわかりやすいと思いますので、JRAホームページのリンクを掲載しています。レース結果→優駿牝馬→からレース映像及びパトロールビデオの確認ができますので、お時間があれば是非noteを読み終わった後にでもご覧ください…!)



レース前半
スタートは全体的に揃ったスタート。逃げ馬不在のメンバーでしたが内からククナ、クールキャット、外からはソダシ、そしてステラリアが前に行く構えを見せます。ここまで差す競馬で結果を残してきたステラリアが大外枠から先行した、というのがまず一つ目の大きなポイントとなりました。
1コーナーでソダシの隣にピッタリと付け外からプレッシャーをかけると、2コーナーではソダシの前にポジション確保し更にプレッシャーをかけているのがパトロールビデオで確認できます。この部分でソダシは行きたがる仕草に加え頭を大きく上げて進路を切り替えており、折り合いを欠いて通常よりも体力を消耗していることがわかります(パトロールビデオ0:29〜0:58の部分です)。
これはボクの推測ですが、ステラリアの鞍上川田騎手の視点から考えると
・逃げ先行馬が少なく、前が楽なペースで運ばれるとソダシを負かせる可能性が低くなる。自身が大外枠に入ったこともあり後方からでは必然的にポジションは後ろになるためいつもの競馬では勝ちを狙いにくい
・先行することで自らソダシにプレッシャーをかけることができ、楽な競馬をさせないようにすることができる。
・逃げ馬不在、先行馬も少ない今回のメンバーなら先行してポジション利を活かす競馬が可能と判断した。

といった思惑があったのではないか、と映像を見返して感じました。ここまで無敗のソダシに勝つにはどうすべきかを考えた上で、GIの大舞台でこのような騎乗ができるのはトップジョッキーである川田騎手だからこその判断であると思いました(レース結果としてこの判断は裏目に出てしまった感はありますが、それはあくまでも結果論ですしこの後の流れ次第で結果は変わっていたかもしれません。詳しくは後述します)。川田騎手は先行意識も強く、予想時点である程度前目の勝負になるポジションを取りに行くだろうと考えることも必要だったと学ぶレースでした。
また、ここで影響を受けたのが逃げたクールキャットです。外からステラリアが上がってきたことによりスタート後の3F目も11秒台を刻むラップとなり、息を入れるタイミングがワンテンポ遅れる形となっています。ここが前が苦しくなった一つの要因でもあると考えています。


レース中盤
向正面へと入った中盤、600m〜1600mのレースラップは12.3-12.2-12.6-12.6-12.4と明確にペースが緩んでいることがわかります。ここで大きなポイントとなったのは緩んだペースのなかで後続が外から馬群を詰めていったという部分です。映像を見ると、残り1000mを切ったタイミングでニーナドレス、スライリー、ユーバーレーベン、その後ろにいたアールドヴィーヴル、ハギノピリナが外から進出を開始し、内に進路を取っていた後続の各馬も前との差を詰めていることが確認できます。ペースが緩む=前が楽になる=逃げ先行有利というイメージがあるかもしれませんが、基本的に中盤が緩みすぎたレースは差し有利な展開になる傾向があります(前半が速い場合は特にその傾向が顕著になります)。その理由としては、前半無理をして逃げ先行馬が作ったリードを後続は楽なペースで詰めることができるからです。つまりこのレースの場合、クールキャットがステラリアに絡まれながら作ったリードを中盤のペースが緩んだタイミングで後続は体力を温存して差を詰めることができたのです。ここが前が苦しくなった二つ目の要因であると考えています。


レース終盤〜最後の直線
残り1000m付近から後続が動いていったことによりレースは大きく動きます。外から進出を開始したニーナドレスとスライリーが残り800mから先頭集団に並びかけていったことにより、全体的に仕掛けのタイミングが早くなったのです。レースラップを見るとラスト3F目で一気に加速し11.3を刻んだ後は11.7-11.9と減速するラップを刻んでおり、他の年と比較するとここの減速幅が大きいことがわかります。つまり早い段階でラストスパートをかける展開となり、例年よりもタフな展開になったのです。ここが前が苦しくなった三つ目の要因です。
4コーナーから直線の動きを見ていくと、外から各馬が動いたことにより馬群にいたソダシやアカイトリノムスメは動くことができず、コーナー通過順が示す通りソダシは2-4-5-6、アカイトリノムスメは5-7-10-10と後半でポジションを落としています。しかし、前が苦しい展開となったためここで動かず脚を溜めることができたのはプラスになったのではないでしょうか(末脚で勝負するタイプではないソダシにとっては、アカイトリノムスメほどプラスではなかったと思っています)。
直線に向くと逃げるクールキャットをククナ、ソダシ、スライリー、ユーバーレーベンが捉えに差を詰めていきます。残り200m付近でユーバーレーベンが先頭に立つと、内からアカイトリノムスメ、外からハギノピリナ、その後ろからはタガノパッションやアールドヴィーヴルら後方に待機していた子が殺到し差し決着となりました。
ソダシは8着に敗れたものの直線にむいて残り200m付近までは先頭に立つ勢いの伸びを見せており、前半のロスや展開を考えると強い競馬をしているのではないでしょうか。大崩れしてもおかしくない展開だったと思いますし、勝ち馬から0.6秒差に粘ったのはこの子の能力の高さではないでしょうか。折り合いは今後課題になるかもしれませんが、今回の走りを見る限り秋華賞でも有力な一頭であることに変わりはないと思います。
次の項目でボクの気になった子について触れていきます。



【次走以降注目馬】

○ハギノピリナ(3着)…展開自体は向いたものの3〜4角で一番外を回しており(内から6〜7頭目)、他馬よりもかなりロスの大きいレースでした。大穴での激走でしたがこのロスがありながら勝ち馬と0.1秒差、アカイトリノムスメとハナ差の走りは強い内容ですしフロックではないと思います。今後の走りにも注目です。

○アールドヴィーヴル(5着)…展開自体は向いたものの、やはりマイルよりもペースが緩む中距離が向いていると思います。近親にはアリストテレスやエスポワール、フランツなど3歳夏以降の活躍が目立つ成長力のある牝系で、今後の成長次第では秋華賞でも楽しみな存在です。

○ククナ(7着)…先行策をとったものの、結果的に前が厳しい展開となり裏目に出てしまいました。それでも勝ち馬と0.5秒差の7着に残しているのは能力の高さではないでしょうか。クイーンCではアカイトリノムスメと僅差のレース、アルテミスSではソダシの2着と世代トップの相手に善戦してきた子ですし、人気ほど上位馬との実力差は無いと思います。

○ソダシ(8着)…前半はステラリアに被され折り合いを欠いてしまい、展開にも恵まれないなか直線では一瞬先頭に立つほどの伸びを見せました。負けはしたものの高い能力の持ち主であることを改めて感じるレース内容で、今後の巻き返しに期待したいです。距離自体は折り合いがつけば問題ないように感じますが、ペースの緩急がつきやすい中距離戦よりも同じようなペースを刻むマイル戦が最も合っている舞台であると感じます。

○ファインルージュ(11着)…今回の展開で伸びきれなかったのは距離の壁だと思います。お母さんのパシオンルージュは短距離馬なので距離短縮で見直したいです。

○スライリー(12着)…先行できず早めに動くも展開向かずの敗戦。前走はスローペースを先行しての好走と恵まれた面もあり、より今回の展開はきつかったのではないでしょうか。フローラSの時のように先行してポジション利を活かす競馬ができれば今後どこかでまた穴をあける可能性がありそうです。

○ステラリア(13着)…大外枠から先行策をとったものの前が厳しい展開となってしまいました。前走の走りは強い内容でしたし、今回の敗戦はノーカウントとしてもいいと思います。個人的には秋華賞で楽しみな一頭です。

○クールキャット(14着)…他に逃げ馬がおらず逃げる形となりましたが、展開にも恵まれませんでした。スライリー同様前走はスローペースを先行しての好走でより今回のレースはきつかったと思いますし、今回の敗戦はノーカウントでもいいのではないでしょうか。



以上、オークスの回顧でした!🐎
秋華賞はユーバーレーベンが二冠達成となるのか、ソダシが巻き返すのか、それとも新たな女王が誕生するのか…どの子が先頭で駆け抜けるのか楽しみですね!

最後まで読んでくださりありがとうございます🍀✨










(最近虫さんの羽音にビクビクしながら過ごしてます)


いつもボクの記事を読んでくださりありがとうございます! これからも根拠のある記事、面白い記事を作成していけるよう努力します!