灯結び展の複製原画を飾るために額縁を購入した話

題名のとおりの内容です。100均以外の場所で額縁を購入するという経験が初めてだったので、備忘録代わりに残しておきます。

2021年の年末、我が家に灯結び展の複製原画(歌仙兼定)が届きました。
あまりの美しさに感嘆する傍ら、飾る方法についてまったく考えていなかったことにやっと思い至りました。
どうすれば良いのか慌てて検索してみると、こんなツイートが目に止まりました。

「なるほど、額装か!」と膝を打ちました。
しかも、こちらのツイートには、パネル実寸が若干小さいことが書かれています。
私も手元のものを測ってみると、417×295×21でした。
つまり、既製品の購入は無理だということが分かりました。

さて、ツリーには別のツイートが繋がっていました。

画像があれば額装イメージも見られるということで、写真を撮ってから、リンク先にアクセスしてみました。
額縁のタカハシさんのオーダーフレームのページです。(ちゃんとパネル用のオーダーページに繋がるようになっているという細やかさ)

先ほど測った寸法を入力し、手が止まりました。マット材って何?
幸い、「マット材とは?」という項目があったため、そちらをクリックしてみました。麻ライナーとLT面金と、他にも色々あるらしい?
やっぱりよく分からないと思い、他のページを見ていくと「額装マットとは?」(https://www.gakubuti.net/user_data/15.php#main)というページを発見しました。

読んでいくと、フレームと飾る作品の間の部分のことだということが分かりました。遠い昔、祖父母宅に飾られていた賞状にも、余白の部分があったことを思い出しました。

額装マットがどの部分を指すのか理解したところで、先ほどのページに戻ります。
改めて読むと、額装マットにも材質に色々な種類があることが分かりました。
この時点では何が良いのかもまったく分からないまま、オーダーフレームのページに戻りました。
とりあえず、麻ライナー金を選び、いくつかの額を見てみました。その後、マット材を変え、額を変え、気の済むまで額装イメージを見続けました。

結果的に私は今回、額装に対して、絵の外に広がっているであろう夜を求めているということを認識しました。
要するに、フレームは黒系統、マット材はLT面金か暗色の布貼りライナーだという結論が出ました。

ここで、またしても手が止まりました。実物を見られないのに、購入に進んでしまって大丈夫なのだろうかと。
複製原画に比べれば安価ではありますが、中々に高額のお買い物です。
とはいえ、実店舗にあてがあるわけでもなく、あったところで行けるタイミングが限定されている私にとって、オンラインでの購入が最も現実的でした。

念のため、他店もざっと検討しましたが、最終的に額縁のタカハシさんに帰ってきました。
フレームの種類が豊富だったということもありますが、額装実例集を見ると、アニメや漫画作品の額装も数多く手がけていることが分かったためです。
思い返せば、ここに辿り着いたきっかけのツイートでも、「時間遡行」や「審神者」など刀剣乱舞を知らなければ使わないであろう単語が使われていました。
少なくとも一定の理解はあるだろうことが窺えます。

私にとって初期刀の歌仙さんは思い入れのあるキャラクターであり、彼の絵は宗教画と同義です。
たかがゲームという扱いをされることだけは、どうしても避けたかったのです。
所謂オタクコンテンツの額装の実績がかなりあり、SNSでの評判も悪くなかったことから、そこまでひどいことにはならないと判断しました。(結果を言えば、私が思っていたよりずっと理解のある方に担当していただき、とても良い額縁を手に入れることができました。)

そう決まれば善は急げ、早速、お問い合わせページに進みました。
フォームの作りが丁寧なので、それにそって入力するだけで、ある程度のことは伝えられると思います。
要望や連絡方法については「その他ご要望」欄があったので、以下について記載しました。

①メールでのやり取りを希望すること
②(灯結び展を簡単に説明したうえで)夜をイメージしているため、フレームは黒系、マット材はLT面金か暗色の布貼りライナーを希望すること
③フレームはできれば細めの方が良いこと

①は単純に、営業時間中に私が電話に出られる見込みがなかったためです。お願いしたとおり、最初から最後までメールで対応していただけました。

②は絶対に外したくない内容のため、自分の希望をしっかり書きました。マット材については、LTゴールドかLTシルバー、もしくは黒の布貼りライナーだろうかとも思っていましたが、自分の判断に自信が持てなかったため、少し広めに希望を書きました。(麻ライナーは避けてほしいこともやんわりと書きました。)

③は自室に飾ることを考えたとき、使用可能な壁の面積を考慮してのことです。また、歌仙さんは色味が華やかなタイプなので、額縁も華やかすぎると全体的に重い印象になるのではないかという懸念もありました。

年末近くのお問い合わせだったので、時間がかかるかと思いきや、早々にお返事をいただけました。
マット材についてはLTゴールド(一部LTシルバー)、フレームについては4種類ほどご提案をいただきました。
これが本当に素晴らしい内容でした。

いずれのフレームも印象は違えど、夜のイメージにぴったりで、どれを選んでも満足できるだろうと感じました。
また、額のサイズが大きくなるため、布貼りライナーではなくLT面金の方が良いこと、歌仙さんの衣装を見たうえでLTゴールド(フレームによってはLTシルバー)がおすすめであることが補足されていました。
LTゴールドをおすすめいただいた理由に、私も大きく頷きました。
レスポンスの早さに加えて、こちらの希望を汲み取る精度に、これがプロのお仕事かと感動しました。

幸いなことにどのフレームも予算内だっため、提案していただいた内容で、オーダーフレームのページで額装イメージを作成してみました。
スクショを撮って何度も見比べ、各フレームのページも散々読み、悩みに悩んで今回の額を選びました。
それほどまでに優劣つけがたかったです。

最終的に選んだのは、線の模様が入っているフレームでした。
もう一つ、木目のないフレームと最後まで迷いました。そちらは、黒らしい黒とでも言いましょうか、恐らくモダンな印象になるのではないかと推察されました。
私が額装に求めたのは、絵の外に広がっているであろう夜なので、漆黒のフレームも魅力的ではありました。
しかし、絵の背景の星空を見ていると、闇のような漆黒よりも、線の模様が幾重にも重なった黒の方が、私の望む夜に近しいものだと感じました。(あくまで個人の見解です。)

また、私は不器用なので額装までしていただくことを希望していたのですが、見積りにあわせて、自分で簡単に額装できることを教えていただきました。
セット方法の動画(https://www.gakubuti.net/user_data/setting.php#oil)のご案内もいただき、確かにこれなら自分でもできそうだと思えました。

心が決まれば善は急げということで、希望する内容について返信しました。
年末にも関わらず、さくさくと話は進み、あっという間に購入まで完了しました。
年末年始のお休みを挟むため、出来上がりは1月中旬の日程が提示されました。
グッズ収集をしていると、待つことには否応なしに慣れてしまうので、ちゃんと発送予定日を教えてくれるなんて親切だなと思いながら到着を待ちました。

そして、予定どおりに額が到着しました。動画で見たとおり、簡単にセットすることができました。
期待以上の美しさに言葉を失いました。
セットしてから、下記のツイートをするまで1時間以上かかったほどです。

今もなお、美しい以外の言葉が出て来ず、もどかしい気持ちです。

ところで、私はここに至るまで額縁を飾るということを理解していませんでした。
つまり、壁に飾るための専用金具が必要だということに思い至っていなかったのです。

調べてみると、Jフックというものが良いということが分かりました。
色々と種類はあるようですが、額縁の後ろに隠れてしまうものなので、あまり拘らずにシングル(留めるところが1か所のもの)のホワイトを選びました。

私は自分の不器用に自信があるので、プッシュマジックという釘を押すための工具も同時に購入しました。
Jフックの説明自体には、釘はコイン等で押すと書いてありましたが、留めるところ1か所に釘を3本、フックは2つ設置するので、計6本の釘を押し込む必要があります。
不器用かつ非力な自分がコインで上手くいくわけがないと、半ば確信していました。(大当たりでした。)

なお、設置に当たっては、マスキングテープとメジャー、30cm定規も活用したことを申し添えておきます。
特にマスキングテープでフックを固定してから作業すると、ずれなくて良いと思いました。

そして飾った結果がこちらです。(隣にあるのは本丸博ポストカードを入れた掛け軸たとうです。これはこれで外せない。)

眠る前に見る景色が、目覚めたときに見る景色が、あまりに美しくて、QOLが爆上がりです。

灯結び展の感動が忘れられず、複製原画を購入しました。
そんな私が、納得できる額縁を手に入れられたことは本当に幸運でした。

なお、額縁のタカハシさんでは、様々なものの額装に対応してくれるようです。(新聞広告や立体物なども額装できるらしい。)
自室の壁の面積には限りがあるので、そう頻繁には利用できませんが、額装という手段があることが分かったのも今回の収穫でした。

私のように額装で悩んでいる方の参考になればと思い、簡単な備忘録を記しました。どなたかのお役に立てれば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。