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仮面ライダーシリーズ新プロジェクト「ライドカメンズ」の情報公開に驚かされた毎日

はじめに

間もなく、5月30日(木)にリリースが決定した仮面ライダーシリーズの新プロジェクト「ライドカメンズ」

アプリゲームを起点とし、歴代ライダーをモチーフとしたと推測される(※過去のライダーをモチーフにしている事は現時点では公式にはあまり大々的に明言されず)二次元のイケメンキャラが顔の見えたビジュアルの全く新しい形の仮面ライダーに変身するという衝撃的なこのプロジェクトが、いよいよ幕を開けるのだ。
これまでも仮面ライダーシリーズは古くは平成ライダー初期のイケメンライダーブームから始まり、2007年の「仮面ライダー電王」におけるイマジンを起点とした声優人気、最近では2.5次元の舞台によく出演している舞台俳優の方を現行作にお招きする等、様々な角度から新規顧客に向けたアプローチが行われてきたが、本家ニチアサから離れて完全に独自の二次元コンテンツとして発表されたこのライドカメンズは、仮面ライダーの歴史における大きな挑戦の一つと言えるのではないだろうか。
そんなライドカメンズにワクワクが止まらない筆者だが、この記事ではそんなライドカメンズがリリースまでに公式Xアカウントで行ってきた「情報公開」について語りたいと思う。
なんせこのライドカメンズ公式垢、リリースまでほぼ毎日必ず一回は何かしらポストして公式としての供給を絶やさなかった事に加え、情報公開の手順が抜群に上手い。
子供の頃より長年仮面ライダーシリーズを追いかけている筆者の視点から見ても、どう言った情報で、どのタイミングで新情報を公開すれば盛り上がるのかを明らかに熟知しているプロの手腕だったと個人的に感じた。
そこで、本記事では時系列順に、ライドカメンズ公式垢がどの様に本作の各情報を公開してファンを盛り上げて来たかを一部抜粋する事で、リリース前にどの様に盛り上がっていたのかを記録する備忘録としたい。

なお、情報公開時の反応や盛り上がりはあくまでも本記事筆者の目線から感じた物である事をご了承頂きたい。


※この記事を読みに来ている人の9割が仮面ライダーファンだと想定して執筆していますが、もしも「あまり仮面ライダーに詳しくない」という方がいらっしゃれば「なんかオタクが興奮してんな~」位の適当さで最後の方まで流し読みして頂いて構いません。また、「ライドカメンズ」に関する詳しい紹介や設定の解説等はどうしても解説が必要な場合を除いて基本的にはしないので、あくまで出された情報とそれに対する自分や自分のXアカウントで観測した周囲の反応を主に記していきます。

最初期:タイトル公開と初期PV

始まりは今年1月11日、突如としてこのタイトルロゴが公開された。
当初は「仮面ライダーシリーズをモチーフにしたアパレルか何か?」といまいち何が始まるのか予想が付かなかったが、この告知ポストを「仮面ライダーエグゼイド」「仮面ライダーゼロワン」「仮面ライダーギーツ」でお馴染みの脚本家・高橋悠也 氏がリポストした事で流れは一気に変わる。
「東映特撮ファンクラブで配信する新しいスピンオフ!?」「新作アプリとか?」「いや、高橋先生は過去に服屋を経営していた経歴があるらしいし高橋先生とバンダイアパレルがコラボするんじゃないか…!?」等の様々な憶測が飛びかい始めた。
そんな中、筆者が印象に残っているのが、一部のファンが言及していた「ライドカ"メンズ"って付いてるし、仮面ライダーのイケメン擬人化とかやるんじゃない???」という物。
筆者はこの予想を目にした瞬間、「と、東映なら…そういうダジャレやる!!!!!!」と長年の仮面ライダー公式のダジャレ大好きなネーミングセンスならそういう事をやりかねないとビビッと来たのを強く覚えている。

数日後の1月19日、何とアニメイベントであるAnime Japan2024のステージにライドカメンズが参加する事が判明。
この時点でタイトル以外何も明かされていなかったが、少なくとも何かしら「二次元のコンテンツ」である事は確定し、インターネットは大いに衝撃に包まれた。
「仮面ライダーシリーズで何かアニメを作るって事?」「仮面ライダーWの続編漫画『風都探偵』がアニメ化したように、既存のライダー作品がアニメ化するのでは!?」「やっぱり仮面ライダーのイケメン擬人化来るだろこれ!!!」「いや、美少女擬人化かもしれんぞ!?」と様々な予想が立てられる中、2月6日、ついにライドカメンズのベールが一部剥がされる。

な……、何じゃぁこりゃぁ!?!?!?

突如として解禁された、初代ライダーを思わせる装備を身に着けた青年のビジュアル。
そして先述の高橋悠也先生がメインシナリオを執筆する事に加え、「仮面ライダーキバ」「仮面ライダーオーズ」「仮面ライダー鎧武」「仮面ライダーギーツ」等でお馴染みの東映の武部直美 Pがプロデューサーとして参加する新作アプリという情報。
この発表には筆者の近辺のSNSアカウントでも賛否含め、大きな話題になった。
そんな中、筆者はと言うと「ほ、本当に予想されてた通り仮面ライダーのイケメン擬人化じゃん!!!マジで言ってんの!?」という思いと「本家ライダーのスタッフが関わるイケメン擬人化モノ、楽しみすぎ!!!!!!」という思いが両立。
一刻も早く3日後の情報解禁が見たくなった。

カウントダウンでチラ見せされたキャラデザから「これは○○の擬人化なのか…!?」「いや、そもそも擬人化では無いオリキャラ?」と色々予想しながら待つ事3日。

ついに解禁された詳細情報。
アクション・ポーズ制作協力に、クウガと響鬼を除くすべての平成仮面ライダー作品で主人公のスーツアクターを務めたレジェンド・高岩成二 さんが携わっている事に大きな注目が集まる中、悪の組織に改造された改造人間という仮面ライダーの原点的な設定と、本作に登場する仮面ライダー達が記憶を失っている事、「ジャスティスライド」「マッドガイ」「スラムデイズ」「ウィズダムシンクス」「タワーエンブレム」という5つの"クラス"と呼ばれるチームに所属している16人の仮面ライダーが発表された。
この「複数のチームに分かれて舞台となる町の至る所に分散している」という設定に、あまり詳しくない身ながら「ヒプノシスマイク」等を始めとした様々な人気女性向けコンテンツへのオマージュを感じた筆者。
仮面ライダーシリーズ(というか東映)はこれまでにも流行りモノや人気作品の要素をオマージュし、作品に取り入れて来たが、ついに二次元のイケメン系コンテンツの要素にも同じ様にオマージュし作品に取り入れて挑戦したい、というスタッフ陣の熱い思いを受け取り、俄然楽しみになった。
ちなみに、この時点では変身後の姿がキービジュアルにも映っている上記の一つ目のクラス「ジャスティスライド」所属の青年・魅上才悟の物しか発表されていなかった(※仮面ライダー才悟という変身後の名前は後日公開された)ため、各登場人物にオマージュ元があるのかどうか明確にはわからなかった。
才悟の変身態は1号ライダーの意匠に似てはいるものの、1号のデザインはこれまでの仮面ライダーでも数えきれないほど何度もオマージュされてきたため、このデザインだけでは「明確なモチーフ元がいるのか」、それとも「"仮面ライダー"の概念を表すオリジナルデザインが1号に近かっただけなのか」、一概に他の登場ライダーの方向性が当時は見えなかったのだ。

中期:怒涛のキャラクター紹介ラッシュ

上記の一番最初のPVが公開された2月9日から、毎日夕方5時に必ず一つ以上公式X垢でポストが更新されるようになった。
最初に紹介が始まったのが、上記PVで発表された5人のキャラクターの変身後の姿。
一日一人ずつ、毎日夕方5時にキャラクターPVと公式HPのキャラ紹介が解禁されて行く、という物。
才悟以外の4人の変身後の姿はこのキャラクター紹介が初お披露目であった。
この才悟以外の最初の4人の発表はそれぞれ非常に大きな衝撃を我々に与えてくれたため、ここでは4人分全員発表時の反応を振り返って紹介したい。

荒鬼狂介/仮面ライダー荒鬼

二つ目のクラス「マッドガイ」所属の荒鬼狂介が変身する仮面ライダー荒鬼は、「仮面ライダー電王」に登場するモモタロスにそっくりな外見だった!
ここで初期PVの公開時点ではまだ確定していなかった「歴代ライダーをモチーフにした姿に変身する」という要素が完全に確定したのである。
しかし、上記の動画や公式HPでのキャラ紹介ページを見ても、この荒鬼の紹介に電王の字やモモタロスの存在はただの一文字も登場していない。
この事から、「ライドカメンズに登場するキャラクター設定・及び変身後の姿は歴代ライダーに登場したキャラクターを強くオマージュした物ではあるが、あくまでもモチーフであり歴代キャラクターが直接ストーリーや設定に絡むわけではない」と思われる本作のコンセプトが荒鬼の発表で窺い知る事が出来た。
ちなみに、この時点では才悟と荒鬼しかライダーデザインが明らかでなかったため、この荒鬼のデザインが「仮面ライダー電王その物をモチーフにしたデザイン」なのか、それとも「モモタロス単独をモチーフにしたデザインなのか」を判別する事が出来なかった事も記しておきたい。
そのため、発表当時は「ライダー名の最後に"鬼"と付いている事からモモタロスだけでなく仮面ライダー響鬼の要素も入っているのではないか?」と推測されていた事も記憶に新しい。
※後に荒鬼と同じクラス「マッドガイ」に所属する仮面ライダー響鬼をモチーフにしたと思われるキャラ、「仮面ライダー阿形」が登場した事でこの説は自動的に無くなった。

ランス天堂&Q/仮面ライダーLOQ

三つ目のクラス「スラムデイズ」所属のQ。
上記の初期PVでは"Q"のみの紹介だったが、実は彼は二重人格であり、ランス天堂という表側の人格がある事が明かされた。
そして彼らが変身するLOQの外見は…、明らかに「仮面ライダーW」を思わせる物。
二人で一人の仮面ライダーに変身するWを、「一人の二重人格者が変身し人格によって戦い方が変わる仮面ライダー」として再解釈したその設定に筆者は思わず膝を打った。
かつて「仮面ライダーディケイド」においてクウガ~キバまでの平成ライダーの世界観や設定を再解釈したリ・イマジネーションの息吹を本作に感じ取ったのだ。
筆者はこのリ・イマジネーションという試みを非常に好いており、あわよくばディケイドでは見られなかったそれ以降の後輩ライダーの作品でもリ・イマジネーションを見てみたかったと思っていたため、このライドカメンズにおいてそれと似た要素を楽しめるのではないかという事実にワクワクが止まらなかった。
ちなみに、筆者の周囲のアカウントの反応としては、前日発表の荒鬼が電王、LOQがW、と仮面ライダーシリーズでもかなり人気の高い作品群からモチーフ元が選出されていたため、「あ~やっぱりねw」「まぁ人気だしね~」といささか冷ややかなものだった事を覚えている。

…しかし、そんな反応は翌日の情報解禁で見事に吹っ飛んだ。

颯/仮面ライダー颯

四つ目のクラス「ウィズダムシンクス」所属の颯が変身する仮面ライダー颯のモチーフだと思われるキャラクターは…、何と「仮面ライダーゼロワン」に登場する「仮面ライダー迅」!!!
迅はゼロワンのメインキャラクターではあるのだが、敵組織に所属するキャラという事もあり主人公や所謂2号・3号ライダーよりもメインキャラクターの順番としては後ろの立ち位置に置かれる事が多い印象だ。
キャラクター人気自体は確かに高いのだが、それでも「1号→電王→W」という作品人気的にある種王道の順番で発表されてきたところに突然主人公でも2号ライダーでもない仮面ライダー迅をモチーフにしたと思われる颯が発表された事には、筆者を含め多くのライダーファンが腰を抜かした。
しかも、出身作品の主人公であるゼロワンを差し置いての選出である。
この颯の発表により、ネット上では「主人公縛りじゃなかったの!?」「サブライダーからも選出されるんだ…」「じゃあ次に誰モチーフのキャラが来るのかもう予想出来ないじゃん!!!」と大いに盛り上がった。

高塔戴天/仮面ライダー塔天

そして大トリを飾る五つ目のクラス「タワーエンブレム」所属の高塔戴天が変身する仮面ライダー塔天は、恐らく「仮面ライダージオウ」に登場する3号ライダー、「仮面ライダーウォズ」がモチーフ。
前日の颯に続き「人気キャラではあるものの主人公ではない」ポジションのキャラからの選出であり、このライドカメンズというコンテンツがモチーフ対象として選出するキャラクターの範囲が如何に広いかを改めて知らしめた。

と、このように最初に発表された5人のキャラクターの詳細が発表されてひと段落…付いたかと思いきや。

ライドカメンズ公式、すかさず残り11人の仮面ライダーの情報解禁を順次行う事を発表しシルエットを公開した。(※正確に言えば、このシルエット自体は発表済みの5人もシルエットになった状態で初期PV発表時点で既に解禁済み)

そして、何と残り11人の仮面ライダーが変身する際に変身ベルト「カオスドライバー」に灯る光の色、そして変身ボイスを先見せ。
このベルトに灯る光の色は、一部を除き概ねモチーフとなった仮面ライダーの配色に準じている。
つまり、ベルトの色と上記の各キャラのシルエットを組み合わせる事で、「残り11人の仮面ライダーが誰をモチーフにしているのかを考察する」事が可能だった!!!
これには筆者も含め大興奮、こぞって残り11人のモチーフ元を考察し、毎日情報解禁される度に答え合わせを行うというライダーファンにとって最高に楽しい日々が幕を開けたのである。

流石に残り11人の発表時の反応を全て紹介する事は大変なので、ここからは筆者の主観で「特に大きな反響を呼んだ」キャラクターを一部ご紹介する。

深水紫苑/仮面ライダー紫苑

才悟と同じ「ジャスティスライド」所属の深水紫苑が変身する仮面ライダー紫苑。
その変身後ビジュアルが公開された瞬間、我々仮面ライダーファンは最上級の衝撃を受ける事になった。
何故かと言われれば、そのモチーフ元と推測されるキャラクターが仮面ライダーではなく怪人…、「仮面ライダー555」に登場する「ホースオルフェノク」だったからである。
ホースオルフェノクは555に登場する非常に重要なポジションのキャラクターであり、実質的にもう一人の主人公とも呼べるポジションだった事もあり確かに人気は非常に高い。
しかし、原点におけるホースオルフェノクの変身者である「木場勇治」というキャラクターは確かに劇中に置いて仮面ライダーに変身した事はあるのだが、その事実とは別に、紫苑のデザインモチーフだとしか思えない「ホースオルフェノク」という存在はあくまでも怪人なのである。
そんなホースオルフェノクをライドカメンズにおける「仮面ライダー」のデザインモチーフとして(恐らく)採用した事に、筆者も、周囲のアカウントも、それはそれは大いに驚かざるを得なかった。
「こんなの予想出来るわけないだろ!!!」
嬉しい悲鳴が次々と筆者のタイムラインを駆け巡る。
しかし、ここで我々は気が付く。
「あれ、そう言えば仮面ライダー荒鬼って…多分モモタロスがモチーフだよな?」
そう、モモタロスもホースオルフェノクとはキャラクターの属性は全く異なるもののカテゴリとしては同じ怪人の人気キャラクター。
モモタロスが既にモチーフ元に選ばれている時点で、ホースオルフェノクの選出は決して予想不可能では無かったのである。(ちなみに、ホースオルフェノクのモチーフ選出によって電王なのかモモタロスなのかわからなかった荒鬼のモチーフが恐らくモモタロスであろうと逆説的に確定した)

浄/仮面ライダー浄

ウィズダムシンクス所属の仮面ライダー浄のモチーフと思わしきキャラクターは、何と「仮面ライダービルド」に登場する「ブラッドスターク」!!!
一応コウモリの羽もあるのでデザイン上では同じくビルドに登場するナイトローグの要素も含んでいそうだが、少なくともキャラクターの全体的なモチーフは恐らくブラッドスタークだろう。
この記事を読んでいる人の9割はライダーファンだと思うのでネタバレに配慮する必要は無いとは思うが、一応少し濁しつつ、このブラッドスタークというキャラクターは原点のビルドにおいてとんでもなくトリッキーな動きで作中のキャラクターや視聴者を翻弄した有名キャラクターだ。
ちなみにこのブラッドスタークも仮面ライダーではなく、所謂「疑似ライダー」と呼ばれる怪人と仮面ライダーの中間的な存在である。
そのためモモタロス、ホースオルフェノクと並ぶ怪人モチーフ枠と言っても過言ではない。
原点において数多の人間を苦しめ翻弄したブラッドスタークをモチーフにしたキャラクターである「浄」が、まるで原点のブラッドスタークを思わせるような怪しく信用出来ない性格をしている事に、筆者のタイムライン上の多くのライダーファンは大いに恐怖していた。
このライドカメンズには他にも"悪"側の存在をモチーフとした仮面ライダーが登場しているのだが、モチーフにはなっていても基本的には性格は原点のキャラと大きく離れている印象が強い。
しかしそこに行くと浄は作中のキャラからも「信用出来ない」と言われ、つかみどころの無い煙の様なキャラクター性をしているため、果たしてプレイヤーはこんな怪しく胡散臭いキャラクターを味方として信用して良いものか、疑心に駆られながらプレイする事になるのだ。
正に、オマージュ元となるキャラクターの属性を落とし込んだキャラクターである。

宗雲/仮面ライダー宗雲 & 高塔雨竜/仮面ライダー塔竜

この欄のみ二人の仮面ライダーを同時に取り上げる特殊な形式での紹介となる。
まずは上のウィズダムシンクス所属・宗雲が変身する「仮面ライダー宗雲」のモチーフ元は、恐らく「仮面ライダー鎧武」に登場する「仮面ライダー斬月」。
そして下のタワーエンブレムに所属する戴天の弟・高塔雨竜が変身する「仮面ライダー塔竜」は、同じく「仮面ライダー鎧武」登場の「仮面ライダー龍玄」がモチーフと思われる。
実はこの斬月と龍玄、オマージュ元の鎧武においては兄の「呉島貴虎」と弟の「呉島光実」という実の兄弟が変身する仮面ライダーだ。
しかし、ライドカメンズにおいて龍玄のオマージュが籠められていると思われる仮面ライダー塔竜の変身者・雨竜は、何と全く別作品である「仮面ライダージオウ」に登場の仮面ライダーウォズのオマージュキャラ・高塔戴天/仮面ライダー塔天を兄としている。
そう、わざわざ同じ作品から兄弟キャラをモチーフにしていながらも所属するクラスも家族関係も異なる宗雲と雨竜。
この謎の捻じれ現象に、原点の鎧武を知るライダーファンは衝撃を受けた。
そして、実はよく見てみると、宗雲と雨竜は髪色が同じ紫系統。
一方で戴天は全く異なる白金の髪。
…もちろん、これだけでは原点のキャラクターの関係性で下手な勘繰りを行う当て擦りオタクと言われても仕方がない。
しかし、時系列は少し前後してしまうのだが、先日5月16日と17日に公開されたキャラクターのプロフィールを見てみると…。

・利き手
宗雲…左手 戴天…右手 雨竜…左手
・好きな食べ物
宗雲…フルーツ 戴天…寿司 雨竜…抹茶スイーツ、フルーツ
・嫌いな食べ物
宗雲…魚卵系 戴天…フルーツ 雨竜…甲殻類
・好きな動物
宗雲…猫 戴天…なし(動物が嫌い) 雨竜…ハムスター

このように、何と戴天と雨竜のプロフィール比較より宗雲と雨竜のプロフィール比較の方が近しい項目が多い所か、食べ物に至っては「フルーツを好み海鮮系を嫌う宗雲&雨竜」「寿司を好みフルーツを嫌う戴天」という両グループで全く正反対の答えが記されていた。
勿論箇条書きマジックだと言われればそれまでだが、わざわざモチーフ元で兄弟関係にある二人の仮面ライダーをそれぞれ異なるクラスに散りばめ、さらには全く異なる作品出身のモチーフを持つキャラクターと兄弟関係にある事、そして「本作に登場する仮面ライダー達は記憶を一部失っている事」…。
この三人の関係性には、"何か"、あるのではないか。
このような視点で、仮面ライダー宗雲と仮面ライダー塔竜は大きく注目を集めている。

後期:ほぼ毎日解禁される新情報

さて、16人のキャラクター紹介ラッシュはひと段落ついたのだが、その後もライドカメンズ公式垢は毎日のように何かしらは新着ポストを投稿し、実質的にはほとんど毎日のように追加の新情報を解禁して行った。
ここでは、その一部始終をかいつまんで紹介する。

3月6日、主人公をサポートする執事の藍上レオンを含め味方陣営のキャラクターを全て紹介し終えたタイミングで関連グッズの情報を一気に解禁。
何とバンダイから本作の変身に使うアイテム「カオスリング」を模した16種類の「CHAOSDRIVER❜s RING(カオスドライバー用リング)」の発売も決定し、まさかの変身アイテム商品化に大きな衝撃を与えた。

3月17日、1コマ漫画「日常スナップ」の連載スタート。
毎週日曜日の夕方5時に更新され、各キャラクターの意外な一面が紹介される。
初回からいきなり「ツノアリツノツノ」なる謎の生物が登場し困惑を生んだ。

3月23日、Anime Japanのステージにて敵組織カオスイズムの幹部「アルセブン」のビジュアルと声優、アプリ内オープニングムービー、そしてアプリ内で鑑賞出来る変身アニメーションが発表。
ブース来場者に配布されるオフィシャルガイドブックには、後術する「エピソードゼロ」が先行掲載されていた。

3月26日より、カオスイズム幹部「アルセブン」メンバーのより詳細なプロフィールを毎日解禁。
ちなみに、この「アルセブン」の紹介の際にのみポストの投稿時刻が夕方6時に統一されていた。
これは、日曜夕方5時に先述の1コマ漫画の更新が予め決められていたため、それと被らずにアルセブンメンバーのプロフィールを同日更新可能とするための措置なのではないかと筆者は推測しているが、一部では「カオスイズムという別陣営を紹介するフォーマットとして敢えて時間をズラしている」のではないかという粋な考察もあった。

3月25日、質問に答えていくと17人の登場人物の好みの食べ物の中から一つが選ばれる「仮面カフェ診断」を開催。
何と結果として表示されるショートムービーには撮り下ろしの新規ボイスが全員分用意されており、さらに各キャラがどんな食べ物を好んでいるのかを知る事も出来る嬉しい新規供給だった。

4月1日、Anime Japanで先行配布されていた「エピソードゼロ」の一般公開が開始。
初めて本格的にライドカメンズの世界観に触れる事が出来るコンテンツであり、アプリの主人公の父親世代から続く壮絶な戦いの一端を垣間見る事が出来る。
父から主人公に託された運命の重さに「こんなに重い物託されて、やり遂げられるかな…」と心配になる人も多かった。

4月16日より、順次舞台となる虹顔市の各スポットが解禁。
それぞれのクラスが活動範囲としている地域毎に分かれている事もあり、各キャラクターのちょっとした新情報が記されていた。

5月2日、先述のエピソードゼロを超豪華声優陣が朗読するボイスドラマが公開。
このエピソードで重要なポジションを務める「誠実な男」の声優が非公開である等、ライドカメンズ本編への考察要素も含まれていた他、動画の最後にリリース時期が「5月下旬」である事が公開され歓喜を呼んだ。

5月3日より、順次各クラスのメンバー毎のキャラクターエピソードを先行公開。
こちらは実際のアプリの画面を用いた先出しエピソードとなっており、いよいよ本当にリリースが目前に迫っている事を予感させられた。

そして5月13日より一日一クラスずつ、キャラクターの詳細な事柄を知りたい人には非常にありがたい各キャラの詳細なプロフィールが明かされた後…。

5月18日、ついにライドカメンズのリリース日が「5月30日 木曜日」である事が正式に発表されたのである。

ここではあくまで一部の情報公開ポストのみを取り上げたが、これら以外にもキャラクターデザイン原案イラストやゲーム系サイトへのスタッフインタビューの掲載、各種設定解説、主題歌やクラス毎のテーマソングに携わった方の発表、プレゼントキャンペーンの実施、別衣装の公開など積極的な情報公開が行われ、その毎日更新される情報全てが新情報というわけではなかったものの、必ず一日一回は「ライドカメンズ公式の新着ポストを確認する」という習慣が癖付けられて行った。
これによって、常日頃日常的に「ライドカメンズ」の存在を頭に焼き付けられ、キャラクターの名前や各種専門用語も自然と覚える事が出来たのである。
そしてこれは筆者の予想ではあるが、最初にビジュアルが発表された2月6日から今日に至るまでどの様なペースで情報を発信して行くかは、恐らくだが最初からある程度決まっていたのではないだろうか。
その根拠として、ライドカメンズのグッズ展開は最速で5月下旬から始まる事が3月6日の時点で既に発表されていた事が挙げられる。
本編となるアプリの配信時期の目途も立たないままグッズ展開をしても、恐らくあまり良い売り上げは期待出来ない。
アプリが初夏にリリースされる事は2月9日時点で発表されていたが、初夏と言っても該当する時期は結構広い。
5月下旬の時期にグッズを展開開始しても、仮にアプリのリリースが初夏と呼べるであろう6月下旬になっていたとしたら、かなり早い段階でグッズを発売する事になってしまう。
勿論アプリの最終調整等で万が一不具合等が見つかった時に備えて明確なリリース日はギリギリまで発表出来なかった可能性が高いが、それでも初報時点で「恐らく5月下旬ごろにはリリース可能」だと既に目星を付けておき、そこから逆算する形で「どの様な順番で公式アカウントを更新して行けば効果的か」を考えていたのではないか…、そう筆者は予想している。
初報が出された2月6日からリリース日の5月30日までの約3ヶ月間という短い期間の間に、適格な順番で情報を公開する事で話題を集め、世界観、キャラクター、設定をファンの間に大きく広めていったライドカメンズ公式Xアカウントの手腕は、非常に優秀なモノであったと言えるのではないだろうか。

終わりに

以上、初報から記事執筆時までの情報公開とそれに対する筆者とその周囲の反応を簡潔にまとめてきたが、改めて振り返ってみると「ほとんど毎日のようにライドカメンズの事を考え続けて来た3ヶ月間だった」な、と感じる。
今回はあくまでも公式垢の情報公開とその盛り上がりについて語る記事だったため、筆者の現時点での最推しキャラクターである魅上才悟くんについてほとんど語れなかったのが心残りだが、そもそもよく考えてみれば「まだアプリ本編がリリースされていないのに既に推しキャラがいる」という現状が既に不思議な状態だ。
我々は未だ、ライドカメンズ本編のストーリーをほとんど知らない。
にも関わらず様々なキャラクターや世界観に思いを馳せているこの現状こそ、ライドカメンズ公式アカウントの毎日更新の恩恵だと筆者は考える。
果たして「ライドカメンズ」というコンテンツが今後、どの様な体験を我々にもたらしてくれるのかは定かではない。
しかし、少なくともリリース直前となる今日まで、ライドカメンズ公式X垢の積極的な情報公開術によって、筆者は非常に充実した3か月間を過ごす事が出来た。
願わくば、ライドカメンズが5月30日のアプリリリース以降も様々な驚きや楽しみを我々に与え、やがては本家のニチアサで放送中の現行作品と肩を並べて仮面ライダーシリーズを代表する大きなコンテンツになってもらいたい。
そして、(恐らくほとんどいないとは思うが)この記事を読んでくださった方の中で「仮面ライダーシリーズにこれまで触れて来なかったけど、ライドカメンズには興味がある」という方。
どうか、怖がらずにそのまま「ライドカメンズ」に触れてみて欲しい。
確かに、ここまで述べて来た通りライドカメンズに登場するキャラクターは恐らく既存のキャラクターをモチーフにしているが、あくまでもそれは「モチーフ元」であり、「原点となる作品のキャラクターを認知していないと楽しめないコンテンツではない」。
宗雲と雨竜の関係性等、原点となる作品を知っていると違った視点から注目出来るキャラクター達も中にはいるが、各種スタッフインタビュー等を見るにモチーフ元を知らなくても十分楽しめるようになっていると思われるし、もしどうしても「原点のキャラもしっかりと知っておきたい」と感じたのなら、筆者としては(世間的にはあまり褒められた方法ではないが)少しインターネットで原点となるキャラについて調べてみるのも一つの手段ではないかと考える。
仮面ライダーシリーズは基本的に一つの作品で約50話前後あり、新規の方に気軽に「この作品、履修してみて!」とは言えないコンテンツだ。
勿論「きちんと50話分履修してこそでしょ!」と思える方には是非ともモチーフ元作品に触れて見て欲しいが、「あくまでライドカメンズに興味があるのであって原点の作品にはそこまで…」という方は、ネタバレを気にされないのであればインターネットで「モチーフ元となるキャラクターがどんな要素を持つキャラクターなのか」を少し見てみるだけでも違った楽しみ方が出来るようになるのではないだろうか。
とにかく、筆者としては「仮面ライダー」というコンテンツの大きさに物怖じせず、気軽にライドカメンズに触れてみて欲しい。

さて、最後になるが、このライドカメンズというコンテンツには賛否両論非常に多くの意見がある。
登場する仮面ライダーは皆顔を出した状態のビジュアルをしているため、そこに違和感を感じる人が多いのも仕方がないだろう。
しかし、この「ライドカメンズ」は、本家本元の仮面ライダー作品に多数参加してきたスタッフ陣が、(恐らく)歴代キャラクターをモチーフとしつつも、それらの要素を大胆にアレンジし、全く新しい世界観・物語に仕立て上げた完全新作である。
仮面ライダーの歴史においても類例の無いこの新たなる挑戦を、リアルタイムで体感出来る事は非常に貴重な経験だ。
仮面ライダーに詳しい人は「現行の最新作と並んで、もう一本新しい仮面ライダー作品を味わえる」と思って、そしてこのライドカメンズで初めて仮面ライダーコンテンツに触れる方は、「全く新しい世界観で展開される、新規勢でも触れやすいコンテンツ」としてライドカメンズを楽しんで欲しい。

改めて、ライドカメンズは5月30日木曜日にリリース予定。
各種アプリストアから事前登録して、ライドカメンズ公式Xアカウントをフォローしながら5月30日当日を気長に待とう!!!

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