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デヴィッド リンチ

3歳から ずいぶんたくさんの映画をみてきた
いつしか自宅にはレーザーディスク(懐)も
それっぽいサラウンドシステムも実装
いつでもリピ可能な環境で
じぶんなりに作品を分解し 理解を深めていった

たくさん とはいえ 系統は偏ってる
独特の「空気感」のあるものを追いかけてた

監督指定で選ぶことも多かったけど
デヴィッド リンチ David Lynch 作品は
いつも  次にみる(リピも)リスト にあった

ふつうの  ホラー  でも サスペンス  でもなく
もやもやとしたままの悪夢のような
正気と  狂気の境目  誰の心にもありそうな
ついついこっそり覗きこみたくなる深淵

不快なノイズが作品をつらぬいていたり
でもそれも心理的な「つなぎ」 となって
曖昧で漠然としたストーリーなのに
作品として成立させてしまう 不思議なちから

そしてその陰鬱な霧のなかに
いつも必ずpureで 美しい 小さな 花が咲いている
そんな表現がすきだった

演じる女優さんたちもどういうわけか
クラシカルで正統派の美女ばかりで(例外はアルアル)
作品の異様さを際立てていた

映画って  ぜんぶを説明しなくても  明瞭でなくても
観るひとが抱えている ‘記憶’  や  ‘心理’  を利用し 
理解度を信頼し  補ってもらう = じぶんごと  となり
引き込まれてゆくんだなぁって  きづきも多かった

「ツインピークス」で誰もが知る監督となり
こっそり感が薄まってしまったせいか
作品を追いかけることはなくなった

常につきまとう 陰鬱で病的な闇にも
少しつかれたのかもしれない
深淵はずっと覗いていてはいけないと
ストッパーがかかったのかもしれない

もうブームも去った頃  シアトルに行くことがあり
ガイドをチャーターして
ツインピークス村まで足を延ばした

天気もよく 花とフレンドリーな人々にあふれた
映像世界とはひとあじ違う素晴らしいリゾートで
「クーパー捜査官が愛したチェリーパイ」は
生きてきたなかでいちばんおいしいパイだった

作品を追いかけなくなってしばらくして
「ストレイト・ストーリー」を観る機会があった
なんて リンチらしくないかわいい作品
おじいちゃん が  ただの弟  にみえるラストに涙
陰鬱世界のリンチがくれたシンプルな感動は
束の間  深淵の浄化のようでもあり   救いに感じた

探しものをしていてみつけた写真からの記憶の羅列
ひさしぶりに作品を観たくなったな( ˇᴗˇ)
with cofee and pie ☕️🥧🍴


リリィミンツ
SSMP

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