見出し画像

修正力とジレンマ(清水‐山口)

2024.6.2  明治安田J2リーグ
第18節 清水 0-2 山口
1位

こんにちは。
メンタルコーチ 兼 清水サポのLilyです。

完敗です。
前乗りしてたんですが
どこ行っても市民に歓迎される。

これって布石だったのでは??
と思うほどに。

去年の試合が山口市民の記憶にも残っていて
絶対やり返そうという気持ちだったと思う。
私たちはそういうふうに向かってくる相手に
毎回苦戦する。

それこそ、
私たちが去年勝てなかった相手にがむしゃらに
向かっていき、何がなんでも勝つと
思っているのと、同じなのです。


1,修正力が足りない

最近の2つの敗戦では、
ピッチ上での
選手間の修正力が上手く働いていない?
という感じがしています。

前半先に失点をして
足がかりも掴めないままハーフタイムを迎える
そんな試合が続きましたので

ここは一つ、初心に返ってみませんか。

先制された時
劣勢の時
相手が思っていたのと違う動きをしてきた時

誰かの指示を待つのではなく
逆転しよう、どうやったら逆転できるか?
をそれぞれが考えて、意思統一して実行する。

その力をつけなければならない時期に
きていると思います。

前も書きましたが、
開幕戦の逆転勝ちは私の中ではノーカウント。

先制されると勝ててない
(どころか酷い試合になる)
のが、今年の清水です。

さらに、7000人近い
ホームのサポーターの手拍子(メガホン)は
かなりのアドバンテージを作り出していました。

先制したことでさらに勢いが出て
かなりの圧になっていたと感じます。

アイスタで私たちがかけているプレッシャーを
真正面から浴びてしまった感が否めません。

秋葉監督はリスクマネジメントも
している監督だとは思いますが、
先制された時どう戦うか
そのリスクマネジメントが
まだ甘いのだと思います。

戦い方を考える必要がある、
と監督が仰っていましたが、
それだけでなく
選手たちにも考えることを促していたのが
いいなと思います。メンタルコーチ目線で。

というのは、小学生のチームなら
監督に1から10まで頼っていいと思います。
ですが、プロですから。
自分の意見でチームを動かしてこそ。

それがチームの成熟につながるからです。

2,勝っていると見えにくくなることもある

勝ちながら修正するのが理想的、
ではありますが
勝っていると見えにくくなることがあります。

それは失点に繋がらない些細なミス。
得点に繋げなかった小さなすれ違い。

失点に繋がったミスや
はっきりした選手間のギャップなら
気づきやすく、修正しよう、となりますが
ミスをしてもその影響が小さかったり、
失点に繋がらなかった場合、
修正が後回しになりがちです。

もちろんそれすらも勝ちながら修正できるのが
理想なのですが、
勝ったからいいか、と後回しになったり
目をつぶられてしまったり
個人の能力でなんとかしてしまったので
チームとして気にしなかったり、
ということもあります。

あくまでその時のタイミングで
大きなミスにならなかっただけで
一つ歯車が狂ったり判断が遅れれば
失点に繋がったり、最悪退場になったり
することもある。

ちょっとしたパスのズレ
それが重なれば失点にもなります。
取り返そうとして危険なファウルを
せざるを得ない状況にもなる。
そこから得たフリーキックを直接沈められる。
そういうことだってあり得ます。

敗戦はまた、試合の全体を見直す
タイミングでもあります。

どうしたら上手く行くか
どうしたら勝てるか

それを考えるのが敗戦後のお仕事です。


3,ジレンマも起こる

リスクを冒して前に行くべきところなのか
安全に行くべき場面だったのか
その見極めが大事なわけですが、
失敗を繰り返すとその見極めラインが
安全な方に下がっていきます。

すると、チャレンジができなくなる。
「攻撃のスイッチ」を入れるタイミングに
選手間のズレが生まれてしまい
「よし行くぞ」という人と「え?今?」という人で
動きの矢印が逆になり、
バタバタしてしまうのですね。

バタバタから失点するのが怖いので
周りの人も安全な方に合わせざるを得なくなり
チームとしてのチャレンジのラインが
どんどん下がってしまう。
すると得点力が下がる。

それが、自信喪失です。
勝てなくなってくるチームは
この悪循環に陥りがちです。
そうなる前に対策が必要です。

そういう意味で清水はまだ、
ホームで成功体験を積めているので
そこまでの大きな心配ではないのですが、
もしそういう違和感を感じたらすぐに、
選手間ですり合わせをする、
立て直すためのコミュニケーションをとる
などの対応が必要になってきます。
「ここはもっとチャレンジしていいよ」
「今は待ったほうが良かった」
「みんなでフォローしよう」
などと共通の判断材料があると
チャレンジがしやすくなりますね。


4,攻めるシュートコース

同じことは、攻撃のシーンにも当てはまります。

原選手のシュートや山原選手のフリーキックが
枠を叩き、惜しくもゴールにならなかったのは
際どいコースを狙ったからこそのこと。

あと数cm違っていれば
キーパーは触ることもできず決まっていたはず。

それは前節の矢島選手のフリーキックや
白崎選手のヘディングのように
そこに打たれたらノーチャンス、
というシュートだったと思うのです。

じゃあ白崎選手と原選手、
山原選手と矢嶋選手に何か違いがあったかというと
そんなに大きな違いはありません。

シュートは確率論です。
もちろん練習によってその確率を上げることは
できますが、
10本打って10本決めることはほぼないといって
いいと思います。(もちろん試合の中での話)

あえていうならば、
山原選手は鹿児島戦のフリーキックで
かなり際どいコースを狙ったにも関わらず
泉森選手に触られてしまったことがあるので
さらに厳しいコースを狙っていたとも
考えられます。

そこでビビって甘いコースに
打ってしまえばキーパーに
弾かれる確率が上がります。

枠に当ててしまったことは
本人にとっては失敗だったかもしれませんが

上手くいかなかった→消極的になる
という解決では、
ミスは減るかもしれませんが
チャンスも増えません。

上手く行かなかった→どうしたら上手くいく?
→もっと上手く(強く)なればいい
という解決が必要なのです。

なので、さらに厳しいコースに打っていった
山原選手の判断は正解です。
チャレンジの方向に修正したからです。

山原選手のインタビューのように
「一つひとつのプレーの大事さを噛み締めて
また練習からやっていく」
ことが必要になってくる。

あえてそれを狙うからこそ、
成長があると思います。

言うのは簡単ですが、
その先のことは選手個々の向上心に
かけるしかありません。


個人的には去年のホーム藤枝戦が
(見に行けなかったにも拘らず)
忘れられないほど悔しかったので、
ぜひ選手にも奮起してもらいたいものです。

前半戦、最後の試合。
vs藤枝。必勝です。

ホームアイスタ。最高の応援をしましょう!



最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

気に入っていただけたら「スキ」「フォロー」
よろしくお願いいたします!


↓↓お約束と自己紹介も読んでくださいね!!↓↓


【お約束】

  • 清水エスパルスを題材にメンタルを語るブログです。
    皆さんの部活や生活、お子さんへの声掛けなどの参考にしていただければという気持ちで書いています。
    あくまで一般論としてのメンタルを語っており
    誰が悪いとかあの時○○すべきだったとか
    ここを改善すべきだとかを
    論じるブログではございません。

  • 選手個人を挙げてメンタルを論じることはおやめください
    ただし、○○選手のあの時のこの行動が
    その後の試合の流れに影響を及ぼしてた!(かもしれない)
    というようなことはブログ内では取り上げます。
    それは○○選手のメンタルの話ではなく行動の話だからです。

  • こちらに書かれていることを元に
    チームや選手個人にご迷惑をかけるような言動は
    おやめください。

  • 特定の選手、チームに対する暴言や誹謗中傷等もおやめください。


【勝利のリズムへ導くプロスポーツメンタルコーチ Lily】

・独りきりでがんばるアスリートをなくしたい
・すべてのアスリートがメンタルコーチに頼れる世界に
・すべてのアスリートに幸せな引退を

静岡市出身。お茶の水女子大学心理学卒。
清水エスパルスとサッカー、音楽が大好きです。
小~高校まで吹奏楽部。高校野球の応援にも全力。
現在は清水エスパルスのゴール裏で声援を送る生活。

将来有望とされていた若手サッカー選手が
活躍できずに引退してしまう、
そんな姿を見たのをきっかけにメンタルコーチの道へ。

現在は音楽家(プロジャズミュージシャンなど)、
スポーツ選手(サッカー、ビリヤードなど)の
サポートの傍ら、自らの音楽活動も継続。

プロスポーツメンタルコーチ
プロチームメンタルコーチ
NLPマスタープラクティショナー
音楽療法士
リトミック ディプロマA

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはメンタルコーチとしての更なるブラッシュアップに使わせていただきます!!