天使きょうだい
August. 2020
「天使パパ」に続き、「天使きょうだい」である息子(当時4歳)の話になります。
安定期に入った時に、息子にはママのお腹の中に赤ちゃんがいることを伝えました。それを聞いて、息子はお兄ちゃんなるのをとても楽しみにしてました。
それと同時に、9月末の出産時に入院することを伝えていたため、慎重な性格の息子は、かなり前から「ママが入院する」ということを不安に思っていて、毎朝、「今日のお迎えはママ?」と確認していました。
その度に「まだ、もう少し先だから、大丈夫。」と私は息子に伝えていました。
まさかこんなことになるとは。まさかこんなに早くなるとは。そして、まさか予定より長く入院するとは誰も思ってもいませんでした。
私は、入院する前の日に、息子にわかる言葉で説明しました。
お腹の赤ちゃんは、心臓のドキドキが止まってしまったの。
心臓がドキドキしなくなると、人間は生きていられない。
ママのお腹から出してあげて、お空に返してあげなければならないんだ。
おにいちゃんになるの楽しみにしていたのに、ごめんね。
その話を聞いて、「なんで?」とたくさん質問されたのを憶えてます。詳しい内容までは憶えてませんが、答えるのが難しくて、「なんでだろうね?ママにもわからないんだよ」と答えた気がします。
それでも、小さなアタマとココロでいっぱい考えて、受け止めて、寂しいながらにもパパやジィジ、バァバときちんと生活できた息子。私の心配をよそに、息子はとても成長していました。
●ママが入院した日① (バァバとの会話)
息子:朝のママとのバイバイの時、ぼく泣いちゃった
バァバ:どうして泣いたの?
息子:ママと赤ちゃんが、お別れするのが悲しかったから泣いちゃった。
● ママが入院した日②
娘の棺に入れた「しろくまのぬいぐるみ」と同じものをママ用に買いたいとバァバにお願いしたそうです。
●私が退院した日
ママと会いたかったと抱きつきながら涙を流して、
赤ちゃんも、パパ・ママ・ぼくに会いたいって泣いてる?
●私が泣いてる姿をみて
ママ、赤ちゃんがお空に戻って悲しいね。
あと少しだったのにね。
残念だったね。
ぼくの心臓はドキドキってうごいてるよ。
●寝る前にふと
ぼくが心臓ドキドキって、オギャーって生まれてきた時、うれしかった?
そして、4歳児らしい苦笑いエピソードも。
●お供えもの
バァバが我が家に来るたびに、娘の祭壇にお菓子をたくさんお供えしてくれます。それを狙っていて、しばらくすると、「○○ちゃん(娘の名前)は、赤ちゃんだから、食べすぎちゃダメだよ。ぼくがもらうね!」と手を合わせてお菓子をもらっていきます。
●息子の保育園での話
保育園のお友達に、赤ちゃんがお空に帰ったと息子が話したようでした。お迎えに行った私に、お友達の園児が近寄ってきて、「赤ちゃんどうしたの?失敗したの?」と言ってきました。
4歳児の語彙力なので、たまたま選ばれた言葉が私にとっては鋭いナイフでしたが、その園児はまったく悪くないので、気持ちのやり場に困りました。その子には「失敗じゃないよ。赤ちゃんは忘れ物を取りに帰ったみたい。」と涙を堪えて伝えました。同時期にその子のお母さんが出産していたので、不思議だったのかもしれません。
その夜、夫にこの事を話したら「4歳児に泣かされたん?」と笑うので、つられて泣き笑いし、このエピソードは昇華していきました。
悲しみも嬉しさも、全身で教えてくれる息子。
お話によく妹の名前が出てくるので、お空の妹の存在を近くに感じているようで、とても嬉しいです。
おにいちゃんも、よく頑張りました!
お読みいただき、ありがとうございます。
lily
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