ナイゲン
とても社会不適合者なんだと思います、僕。
推しの舞台が発表され、これは何としても見に行かなければと思い立ち即予約!
何やら席が色々あるらしくて、一番高い富豪席、しかも推しを指定すると、なんと!推しを最前列で見ることが出来る!!いくら貧乏人でもこればっかりは何としてでも富豪のフリをしなくてはならない!バチコーンと富豪席を予約!!
予約完了のメールも来た!推しに舞台に行くことも伝えることが出来た!!後は当日を待つだけだ!!!!
6月21日、朝。
「俺チケット発券してなくね?」
本当にダメ人間なんだなと痛感しました。忙しかったとか簡単に出来る言い訳は良いとして、さすがにうんざり。
しかも予約完了画面の「振込印刷」ってやつ、印刷してないし。
ぶっちゃけ予約完了してから1ヶ月経ってるから履歴見ても予約完了画面表示されないし。
まぁ予約完了メールの振込番号?的なやつをセブンのお兄さんに伝えたら無事発券出来たのでこれからもセブンイレブンは愛し続けるんですが、当日に発券できてねぇというクソムーブを経ていざ!古着とバンドの街、下北沢へ!!
明らかに列に並んでないのに「あっ、自分並んでたんですけど(笑)」っていう訳分からんこと言われたのは置いておいて、入場して富豪席へ!
そりゃ仕方ない事なんですけど、最前列なんで照明ギャンギャンに当たってて恥ずかしかったです。
そんなことより舞台。これがめちゃくちゃ面白かった。
失礼ながらナイゲンという作品?がかなり長い歴史を持った演目であることを知らなかったので、実は役者さんの中には前回のナイゲンにも出てて、今回はきちんと進級してたりとか、そういうストーリー設定めちゃくちゃ好きなので楽しく見れました。こちら以下物語の内容です。
各クラスの代表の高校生が、自分のクラスの発表内容をプレゼンしあう会議「内容限定会議(通称:ナイゲン)」を描く一幕劇。
「どこか1クラスだけ演目を変更してください」と学校に押し付けられた不本意な発表内容を押し付け合う様をコメディとして描きつつ、民主主義、自治、“話し合うこと”の意義を説く。
ということですね。
キャストの個性が誰も埋もれてないのが凄かったなぁと思ったので、書き連ねることにします。以下ネタバレ有り
議長、小日向くん
真面目くん。今回の作品は文化祭の出し物が一個潰れちゃうのでそれに関する会議をしようってストーリーなんですけど、必ず決議を話し合いで解決させようと奮闘する姿が段々シュールに見えてきて余計面白かった。
監査委員長、幡さん
会議がグダグダになったり、話が本筋から逸れた時にそれをしっかり軌道修正する役割なんですけど、女性なのに「竹野内豊!?」って思いました。シン・ゴジラの赤坂ね。口調とか声色とかむっちゃ似てたけど、でもやっぱり学生だから学生らしさもあって、とてもよかった。
文化副委員長、岡村さん
ちょっとチャラくて、だけどきちんと副委員長の仕事はしてて、いきなり「確かにそうすりゃいいやん」ってこと言ってきたりするので掻き回し役でもありつつ話をまとめる方向に持っていったり、行動が読めなかったのがとてもよかった。
文化書記、宮下さん
推し!!可愛い!!制服似合いすぎ!!!
という私情は置いておいて、前回の1人舞台同様、彼女の感情を爆発させる演技がめちゃくちゃ好きなので今回もそれがあって本当によかった。書記だから大人しい感じかと思いきや中盤の大立ち回り。キタキタァ!と思いながら富豪席で見ておりました。あとこれは富豪席からの特権だと思うんですけど、死ぬほどスマホの画面拡大するシーン、可愛かった……
1年1組、中川くん
なかやまきんに君?ってくらい熱血で、目かっぴらいて上級生に詰め寄るシーンでは心の中でIt's My Lifeを流していました。
でも1年生らしく詰めるところは詰めるけど、子どもっぽいワガママな所もあって、「はいはいこうすればいいんでしょ!もういい!」みたいな感じが素朴でとてもよかった。パワー!
1年2組、谷川さん
頼りない感じだったけど彼女がいなかったらナイゲンのドタバタは無かったわけで、でも上級生に詰められるシーンではほんっとうに悲しそうな顔だったのでほんっとうに頑張ってほしいと思った。自覚してなさそうな姫ポジ感、物語のトリガー役にピッタリでした。
1年3組、大見くん
頑張れ。
個人的にすごく応援したくなるキャラだった。お調子者でちょっとキメェとこもあるけど、どこか憎めない。クラスに1人はいて欲しいタイプ。
そして早口でまくし立てるシーン、凄さと面白さが拮抗してギリ面白さが勝った。普通に面白かった。
2年1組、仲村くん
なんかこう、よく出来てるなぁっていう脚本に踊らされるヤツって感じ。マジで最初スカイピースのジンくんにしか見えなかったし、ナイゲン始まってからはやる気ない感じのキャラだったけど、ひょんなこと(ユルサレナイ!!!!ムキー!!!!)から、なんだかんだ一番感情的になってナイゲンを掻き回していく姿、圧巻だった。
別にこれはどうでもいいけど、靴下ラスタカラーだった??
2年2組、木村くん
論破だいすききむらくん!って感じでどうにかして論破したがり、最初「ひろゆき?」って思ったけど合ってるかな。
ただ、段々と17歳らしい子供らしさみたいなところが垣間見えて、そこのキャラの使い方が上手いなぁと思った。
あとこれは余談だけど、終盤俺の席から木村くんが眼鏡外してレンズ拭いてる場面があったんだけど、あの、普通に、その…カッコよかった……
2年3組、早舩さん
いかにも天然で突然素っ頓狂なことを言ったりするからとにかく発言する時に気になる存在。キャラの性格と柔らかな表情がめちゃくちゃマッチしててとにかく気になる存在。やっぱり読めないキャラクターはどんどん気になってしまうね。
まぁとにかくあのタンブラーは早急に洗ってください。
3年1組、神山くん
むっっっっっちゃ大人。3年生ということもあってか場の裏回し的な役割も果たしつつ、物語の中では重要な役割も担っていて、勝手に裏の主人公だと思っています。これは僕の私見なので多分違うと思います。
あの渋い声、欲しいな……
3年2組、雛形さん
なんだかんだ物語の一番最初に伏線貼ってたよね?その役割がチャラい感じの女子生徒ってのが良いよね。
後やっぱ物語の中で最もJK!って感じがしてより世界観に没入させてくれるキャラ。いかにも「ウチら最高!」っていう感じで、その内輪感から生まれる意見も学生らしさがあって良いキャラだった。
3年3組、古谷くん
正義と悪で分けるなら最初は正義で、後に悪となるというような変わりようが本当に面白かった。存在感が凄かった。意固地な感じもまさに学生らしい、そして何よりこの物語の根幹を担うキャラ。そのキャラが前作?では議長だったっていうのがなんかエモさ感じるよね……まぁナイゲン初見のクソニワカなんですけど。
面白かったとこ
・民主主義と"学生"
クラスで何かを決めるって誰もが経験あると思うんですけど、必ずしもグッダグダになるんすよね。これが俺むっちゃ嫌いなんですけど、そのグダグダ感が非常にコミカルに描かれていて、それでいて最後の畳み掛けで伏線が回収されていく様、後半にかけてより面白さがグッと増す感じが心地よかった。
やっぱり何より学生ってとこですよね。大人の正論ばかりじゃつまらない、そこで"学生"というのが活きてくるわけですよね。
議題は決まっていてもそこから逸れているようで逸れていない、学生特有のプライドだったり、恋仲同士の痴話喧嘩から徐々に本筋に戻っていく。この流れが非常にスムーズで「このくだり長ぇな」が一切なかった。
よりコミカルだったのは、その子どもらしい意見でビュンビュン意見が変わっていく点がテンポ良くて、よりコミカルで分かりやすかったし、結果的に"白熱した議論"に落ち着いているのが凄いなと思いますた。
・参加型
この言葉が相応しいかどうかはさておいて、客席にはとある冊子が置かれていたんですね。それが劇中に演者が実際に使用するナイゲンの資料。つまり「このクラスはこういう出し物をしてます、あとこのナイゲンにはこういう決まりがあります」っていうやつですね。
本番中に「何ページを開いてください」とかある時に開くんですけど、まぁしょうがないのが会場が暗いという点。ちょっと見にくいかなーとも思ったんですけど、でもね、これは劇が始まる前に読み込んでおいた方がより面白さが倍増すると思うんですよね。
所謂「決まり事」、これが鍵になってくるわけです。つまり「今このキャラが言ったこと、決まり事に反してね?」的な、物語の先を読むことが出来るわけです。カタクリですね。
「こう言ってるけどさっき読んだ冊子にはこういう決まりがあったよな…?」とかもそうだし、やっぱりお客さんもその冊子を開くことで、まるで自分たちもナイゲンに参加しているような気分を味わえたし、冒頭で各クラスの出し物を軽く説明していく所なんかは「こんなことやってたよな文化祭実行委員って…」っていう高校時代の思い出が蘇りました。大した思い出ないんですけど。
・ただの会議ではない
まぁ退屈だよね会議って。長ぇなーって思うんだけども、その会議をキャラクターの個性、脚本のテンポ感がグワーっと盛り上げていってマジで公演2時間一切退屈しなかった。誰もが共通でつまんないと感じる題材をあれだけコミカルに、尚且つしっかりと話をまとめるのは本当にすごい。
それでいて劇中でキャラクターが成長していったり、それと裏腹に「最初は正論だったけど周りが良きように解釈したために正論ではなくなる」、ここのナイゲン内における古谷くんと周りのメンバーの対比がすごい良かった。これは見ないと分からない感想だね。そりゃそうか。
総括
情熱の1年生、曲者揃いの2年生、余裕そうな3年生、中立でありながら私情に掻き回される実行委員たち、個性と脚本でゴリッゴリに練り上げられたストーリーがむちゃくちゃよかった。
まぁ本当に個人的な話なんですけど、まだ発表は出来ませんが、とある事情でものすごく創作意欲を掻き立てないといけない身に置かれているので、推しの舞台を見に行くというオタクな動機でしたが、このナイゲンという素晴らしい作品に出会えて本当によかったです。これは過去作も気になるところだし、何度も見ても新たな発見がありそう。噛めば噛むほど面白い舞台でした。
ていうかあとそうだよ、富豪席の特権だよ。これただ最前列で見れるってだけじゃなくて、富豪席の人は「文化祭を終えて」っていう冊子が特別に貰えるんですよ。これつまり何かって言うとキャラクターたちのその後ですよね。後日談。
舞台を見終わって「あー楽しかったー」だけで済まさない。「実はこの後こいつらこんな事あったんよ!」っていう後日談ってオタク大好きじゃん?だから帰りの電車内でクスッと笑える。完全に痒いところに手が届いてる感じがして、満足度がバカ高かったです。
まぁ後、これは別に冗談でもふざけているわけでもないんですけど、ほんっとうに推しがめっっちゃ可愛かったです。
あんな彼女がいたらなぁって、まぁそんなの有り得ナイですよね。ゲン実的に考えて。ヘッ!
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