10年で20歳。

親友が二十歳を迎えた。
お祝いにネパール料理のレストランに行った。

彼女とは出会ってから今年でちょうど10年になる。小学校で同じクラスになるというごく普通の出会いから始まるのだが、最初から仲が良かったわけではない。小学6年生の時、幼いながらに悩みの尽きなかった私たちはひたすら話をした。彼女には昔から大人びたところがあり、私はどちらかと言えば幼稚な方であったが、人に合わせる癖と流される性格を持っていたので自然と彼女の考えや感じたことに共感するようになった。

彼女はその頃、精神的なものが原因で腹痛を訴えることが多くあった。当時の私は1番仲良しの友達として相談に乗っているつもりだったが、私がいくら話を聞いたところで彼女の体調不良は治らなかった。自分は支えているつもりで、彼女からも感謝の言葉をたくさんもらったが根本的なものは何も変わらないことに無力感を覚えた。

中学にあがって彼女の体調は良くなった。未だに直接的な原因が何だったのかは分かっていない。中学時代も何か決断をしなければならない時や誰にも言えない不平不満をことあるごとに彼女にぶつけていた。

中学3年の時、彼女がスクールカウンセラーに通っていることを偶然知った。彼女からは何も知らされておらず、私では相談相手として不十分なのかと無力感が再びよみがえった。

その後別々の高校に進学しても、私は彼女に頼り切りだった。学校の人には言えないことも家族への不満も彼女は受け止めてくれた。彼女の話も時々聞いたが、彼女への恩が大きくなるにつれて私はその恩を返せているだろうかと度々不安になった。

私の二十歳の誕生日に彼女からもらったメッセージは短く、『生まれてきてくれてありがとう』だった。無力感や劣等感を抱くこともあった。そんな気持ちを一掃してしまう彼女の言葉はこれに限らずいつも私の核に触れてくる。

そんな素敵な親友へ、二十歳おめでとう。これからもよろしくお願いします。

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